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"監督賞"編:第95回 米アカデミー賞 大予想!!
3月13日(日本時間)に行われる米アカデミー賞。
最高峰の映画の祭典の開催まで、残り3日!
そんななかで今回は、オスカー主要6部門の中の一つ監督賞の予想をしたいと思います!
各部門のノミネーション一覧はこちら。
本命:ダニエル・クワン /ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(以下『エブエブ』)の監督ダニエルズが、大本命!
前代未聞のクレイジーなストーリーを見事成立させ、”なんでもあり”の『エブエブ』ワールドを作り上げた功績は、やはり大きいです。
映画の節々に魅せるオマージュの数々などからも、監督の手腕が窺えますね。
初ノミネートでの初受賞の期待がかかる今回。
ちなみに共同監督の受賞となれば、『ノーカントリー』(2007)のコーエン兄弟以来となります。
対抗:スティーブン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)
巨匠スティーブン・スピルバーグが、自らの自伝的作品『フェイブルマンズ』で、2年連続 9度目のノミネーション獲得。
家族との絆、青春時代、
映画館での想い出、そして映画への愛…
多くの要素を詰め込んだ”記憶”の物語を、スピルバーグらしい映画作りの形で紡いでいきました。
スピルバーグ作品のなかでも集大成のようなものに思える今作。これまでの功績を称える意味も込めて、自身3度目の監督賞が贈られるかもしれません。
単穴:マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)
鬼才マーティン・マクドナーが、『スリービルボード』(2017)以来となる5年振り2度目の監督賞ノミネート。
突然の絶交から始まる、謎多き物語。
そしてその謎をあやふやにしたまま映画を終わらせるマクドナーらしい意地悪さはありますが、映画を俯瞰して考えてみることで、その謎にはしっかりとした根拠があったことがわかる巧妙な作りでした。
また今作は、アカデミー賞演技部門にて4ノミネーション獲得。それは、マクドナーの演出の大きな功績と言えるでしょう。
穴:リューベン・オストルンド(『逆転のトライアングル』)
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017)に続き、今作で二作連続でパルムドールを獲得した”スウェーデンの至宝”リューベン・オストルンドがアカデミー賞初ノミネート。
沈没する豪華客船のなかで露わになる、欲に塗れた人間模様とその地獄絵図を描いた作品。
一瞬たりとも目が離せない怒涛の展開の数々には、完全に魅了されました。そして、音楽とのバランスが最高。
もし受賞となれば、『パラサイト 半地下の家族』(2019)のポン・ジュノ以来となる、カンヌとオスカーの二冠となります。
大穴:トッド・フィールド(『TAR/ター』)
※日本語字幕のないトレーラーです。
日本5月公開の『TAR/ター』の監督を務めたトッド・フィールド。
これまでは『イン・ザ・ベッドルーム』(2001)と『リトル・チルドレン』(2006)で、それぞれ脚本賞と脚色賞にノミネートされたことはありましたが、監督賞は今回が初ノミネートとなります。
とにかく「ケイト・ブランシェットの演技が凄いっ!」と話題の本作ですが、そう見えるのはトッド・フィールドの演出があってこそなのかもしれません。
前哨戦の結果
●ゴールデングローブ賞
スティーブン・スピルバーグ
『フェイブルマンズ』
●英国アカデミー賞(BAFTA)
エドワード・ベルガー
『西部戦線異状なし』
●全米監督協会賞(DGA awards)
ダニエル・クワン /ダニエル・シャイナート
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
主要な前哨戦は、スピルバーグ、ダニエルズ、そして英国アカデミー賞に限ってはオスカーにノミネートされていないエドワード・ベルガーと、うまい具合に分かれてしまいましたね。
ただ例年、全米監督協会賞を受賞した監督がオスカー像を手にしてることを考えれば、ダニエルズが堅いかなって思います。
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