"助演男優賞"編:第95回 米アカデミー賞 大予想!!
3月13日(日本時間)に行われる米アカデミー賞。
最高峰の映画の祭典の開催まで、残り7日!
そんななかで今回は、オスカー主要6部門の中の一つである助演男優賞の予想をしたいと思います!
各部門のノミネーション一覧はこちら。
本命:キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にて、マルチバースを飛び回って、事実上一人三役を演じたキー・ホイ・クァンが初ノミネート!
トンチンカンになったと思えば、めちゃカッコ良くなったり、一つ一つのキャラが立っていて、「素晴らしいっ!」の一言に尽きます。
そして最後は、自身のキャリアと照らし合わせた感動のスピーチ。心がジーンとしました。
子役時代に成功を収めながらも、人種の壁に阻まれ不遇の時を過ごしたクァン。ようやく報われた苦労人が、ゴールデングローブ賞と同じく、恩師スティーブン・スピルバーグの前で受賞することができるでしょうか?
対抗:バリー・キオガン(『イニシェリン島の精霊』)
『イニシェリン島の精霊』より、バリー・キオガンがアカデミー賞初ノミネート。
頭のネジが緩い、村中から「馬鹿」呼ばわりされている青年を演じました。
おぼつかない口調と挙動不審な動きで、謎めいた役柄を見事こなし、強烈な印象を残しました。
私生活ではちょっとお騒がせなこともあったクセ者俳優。英国アカデミー賞を制することはできましたが、オスカーではどうでしょうか?
単穴:ブレンダン・グリーソン (『イニシェリン島の精霊』)
バリー・コーガンと同作『イニシェリン島の精霊』より、ブレンダン・グリーソンがノミネート。
昨日まで親友だったパードリックに、突然の絶交を告げるコルム役を見事に演じました。
終始、まるで苦虫をつぶしたかのような苦悶の表情が印象的。その顔つきから、劇中では明らかにならない複雑なコルムの心情を感じ取りました。
『ハリーポッター』シリーズのマッドアイ・ムーディなどで知られる”いぶし銀”俳優も、今回が初のノミネーション獲得です。
穴:ブライアン・タイリー・ヘンリー(『その道の向こうに』)
※日本語字幕の無い予告編です。
ジェイファー・ローレンス主演・製作の『その道の向こうに』より、ブライアン・タイリー・ヘンリーがオスカー初ノミネーション。
演じたのは、主人公が唯一心を許す人間であるジェームス。
いつも気さくに振る舞い、出てきた瞬間から”いい奴”だとわかるジェームスですが、そこに影を落とす過去も抱えており、その感情の揺らめきが胸に刺さりました。
今回のアカデミー関連作品のなかで個人的に一番好きな作品。そう思えるのは、ヘンリーの名演ゆえだと思っています。
大穴:ジャド・ハーシュ (『フェイブルマンズ』)
スティーブン・スピルバーグの自伝的映画『フェイブルマンズ』より、名優ジャド・ハーシュがノミネート。
サーカスの調教師からハリウッド映画界へ転身した、サミー(スピルバーグ)の大叔父を演じました。
短い時間の出演ではありましたが、スピルバーグ青年の監督としての才能をいち早く見抜いて背中を押す重要な役でしたね。
50年のキャリアを誇る御年88歳のベテランも、今回が初のアカデミー賞となりました。
前哨戦の結果
前哨戦を鑑みても、キー・ホイ・クァンが圧倒的に優勢。
ゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞のスピーチは感動的で、オスカーで何を語るのか楽しみです。
他の候補を考えれば『イニシェリン島の精霊』の二人も印象的な演技で可能性はなくもないですが、「同じ映画から」ということで票割れすることも考えると、ちょっと厳しいかもしれませんね…。
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