"主演女優賞"編:第96回 米アカデミー賞 大予想!!
3月11日(日本時間)に行われる米アカデミー賞。
最高峰の映画の祭典の開催まで、残り4日!
そんななかで今回は、オスカー主要6部門の中の一つである主演女優賞の予想をしたいと思います!
各部門のノミネーション一覧はこちら。
本命:リリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』より、リリー・グラッドストーンがオスカー初ノミネート。
オセージ群インディアン連続怪死事件の標的になったモリーを演じました。美しく、かつ警戒心を漂わせた迫力のある演技は圧倒的でした。
当初は助演女優にカテゴライズ予定でしたが、「主演女優を狙えるぞ!」ということで、今回のノミネートへ繋がりました。
受賞となれば、ネイティブアメリカンにルーツをもつ俳優で初。かつてマーロン・ブランドが『ゴッドファーザー』(1972)での主演男優賞を辞退し、先住民女性を登壇させて「ハリウッドでの先住民族の扱い」について抗議してから約半世紀。ついに、その時が来ます。
対抗:エマ・ストーン(『哀れなるものたち』)
リリー・グラッドストーンに一騎打ちを仕掛けるのが、オスカー女優エマ・ストーン。『女王陛下のお気に入り』(2018)のヨルゴス・ランティモスと再タッグを組んだ『哀れなるものたち』よりノミネートです。
胎児の脳みそを持った女性ベラを演じました。幼児的な振る舞いから徐々に自我が目覚めるまでのベラの大河物語は、エマ・ストーンなしでは成立し得なかったでしょう。
『女王陛下のお気に入り』以来5年ぶり4度目のノミネート。正直言って演技の凄さで言えばグラッドストーンよりストーンの方が上ですが、オスカー会員の評価はどうでしょうか?
単穴:ザンドラ・フラー(『落下の解剖学』)
昨年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『落下の解剖学』より、ザンドラ・フラーがアカデミー賞初ノミネーションを獲得。
突然に怪死した夫。その夫の殺人の容疑で起訴された妻を演じました。
物語が進むにつれて明らかになる家族の姿。それを目の当たりにする息子とどう向き合うべきか…。そんな葛藤の詰まった演技は、素晴らしかったです。グラッドストーンとストーンが霞んでしまっていますが、他の年であれば受賞してもおかしくないレベルです。
ちなみに、今作と同じくアカデミー作品賞にノミネートされている『関心領域』の主演もザンドラ・フラーです。
穴:アネット・ベニング(『ナイアド その決意は海を越える』)
Netflix映画『ナイアド その決意は海を越える』より、アネット・ベニングが13年振りのノミネート。
60代でフロリダ海峡の泳破に挑んだダイアナ・ナイアド。その姿に体当たりで挑んだベニングは、そりゃあノミネートされますよね!
今回で5度目のノミネートとなるベニング。『アメリカン・ビューティー』(1999)で惜しいところまで行きましたが、まだオスカー像を手にできていません。今回も厳しそうですね…。
大穴:キャリー・マリガン(『マエストロ その音楽と愛と』)
こちらもNetflix映画『マエストロ その音楽と愛と』より、キャリー・マリガン。通算3度目のノミネートです。
演じたのは、天才指揮者レナード・バーンスタインの妻フェリシア・モンテアレグレ。バーンスタイン夫婦は愛し合いながらも、解消しきれない不和があった。そして、病に倒れるフェリシア…天才を支えた儚い姿を演じました。
最近は『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)やら『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(2022)などで無骨な役柄が多かったですが、今回は久々に清純な"昔ながらの"マリガンが観れた印象でした。
前哨戦の結果
前哨戦でも、リリー・グラッドストーンv.s.エマ・ストーンの一騎打ちの様相となっています。ただエマ・ストーンがすでに1回獲っていることや、多様性の観点からも、グラッドストーンで決まりのように思えます。
ただこうやって高を括ってたら、2021年のアンソニー・ホプキンスのようなこともあるので、明言は避けたいところです。
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