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【53.水曜映画れびゅ~】"Last Night in Soho"~ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ロンドン~
"Last Night in Soho"は現在全国で劇場公開中の映画。
『ベイビー・ドライバー』(2017)で知られるエドガー・ライト監督作品です。
あらすじ
ファッションデザイナーを夢見るエロイーズは、ロンドンのデザイン学校に入学する。しかし同級生たちとの寮生活に馴染めず、ソーホー地区の片隅で一人暮らしを始めることに。新居のアパートで眠りに着くと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディに出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく。夢の中の体験が現実にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、タイムリープを繰り返していく。だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。その日を境に現実で謎の亡霊が現れ始め、徐々に精神を蝕まれるエロイーズ。そんな中、サンディを殺した殺人鬼が現代にも生きている可能性に気づき、エロイーズはたった一人で事件の真相を追いかけるのだが……。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ロンドン
本作の主人公は、ファッションデザイナーを志してロンドンのソーホーに田舎から出てきた60年代大好き少女のエリー。
そんな彼女が、あるワケありアパートで眠りにつくと、なんと1960年代にタイムリープしてしまいます。
そして、その時代を生きる煌びやかな少女 サンディと入れ替わることで物語が動き始めます。
60sへのタイムスリップで私が思い出したのが、この映画。
2019年公開のクエンティン・タランティーノ監督作品の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では、1969年のハリウッドが再現されていましたね。
本作『ラストナイト・イン・ソーホー』は、いわばロンドン版『ワン・ハリ』。
劇中では1960年代のロンドン・ソーホー地区の情景が再現されているとともに、同時流行った音楽やファッションなども用いられています。
劇中で用いられていた60sの音楽については、映画評論家の町山智弘さんがYouTubeにてプレイリストをまとめておられました。
『ラストナイト・イン・ソーホー』劇中使用曲プレイリストです。映画を観る前にぜひ聴き込んでおいてください。すべての曲が、ストーリーやヒロインの感情を表現しています。この映画の劇中歌は物語やテーマの重要な要素です。https://t.co/E9hSka75ki
— 町山智浩 (@TomoMachi) December 8, 2021
そんな一昔前のロンドンにエリーだけでなく私たちも誘われ、その煌びやかな世界に魅了されます。
ちなみにエドガー・ライトとクエンティン・タランティーノは『グラインドハウス』(2007)を一緒に作ったこともあり、お友達だそうです。
しかも『ラストナイト・イン・ソーホー』というタイトルはもともとタランティーノのアイデアだとか…
この二人がほぼ同時期に同じタイプの映画を作るっていうのは、なんだかおもしろいですね。
煌びやかな世界と、その闇…
そんな本作は60sのロンドンをただただ堪能するだけ…ではもちろん終わらないです。
舞台となったロンドンのソーホー地区というのは文化的な面で歓楽街である一方、1960年代当時は性風俗店が多く立ち並ぶ場でもあったといわれています。
そんなソーホーの闇に徐々に染まっていくサンディ。
そんな彼女とシンクロするエリーは、時を超えてサンディの心の痛みに苦しんでいきます。
そんな女性の精神的苦しみをホラー的に描かれいる本作ですが、「ホラー映画だから怖い」というよりも、もっと深い「人間(男性)の欲深さの怖さ」を私は感じました。
次世代を担う注目の二大女優が共演!
そんな本作は、そのキャストも大注目!
次世代を担う2人の女優がW主演を務めます。
トーマシン・マッケンジー
『ジョジョ・ラビット』(2019)への出演が記憶に新しいトーマシン・マッケンジーが、エリーを演じました。
田舎出の素朴な少女の役がピッタリでした。
透明感のある顔立ちで、シアーシャ・ローナンに似てますね。私はローナンが大好きなので、彼女のことも好みです(笑)
ちなみに。エドガー・ライトは『ジョジョ・ラビット』を観る前から彼女に目を付けていたらしいですよ。
アニャ・テイラー=ジョイ
サンディを演じたのは『ウィッチ』(2015)や『クイーンズ・ギャンビット』(2020)で有名なアニャ・テイラー=ジョイ。
エリーとは対照的な容姿でかつ魅惑的ということを考えると、彼女以上の適役はいないのではないでしょうか。
劇中では歌やダンスも披露しており、彼女から60sの魅力を存分に感じることができました。
最後に
今回は、煌びやかな60sのロンドンを感じれる『ラストナイト・イン・ソーホー』を紹介しました。
しかし、ただただ煌びやかな世界を描くだけではなく、ソーホーの闇で苦しんだ女性たちがいたことも伝えていることも本作の重要のテーマだと思います。
60sのリバイバルとシリアスな問題を両立しつつ、それをエンターテインメントとして描いた本作。
音楽の用い方も『ベイビー・ドライバー』を彷彿とさせるエドガー・ライト節炸裂で、ホラーでありつつも「クールな一作」と称した方がピッタリな感じがする映画かもしれませんね(笑)
オススメですので、興味のある方はぜひ劇場に足を運んでみてください。
前回記事と、次回予告
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来週は、今週末からNetflixで配信される空前絶後の豪華キャストアンサンブルコメディー"Don't Look Up"のレビューを予定しています。
お楽しみに!