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子どもを塾に入れたい妻と意見が合わない話(2)

基本的には妻が色々考えてくれるので、僕が反対することはない。
僕は僕自身がそうであったように、公立学校だろうと高卒だろうとフリーターだろうと何とでもなるっしょ、と楽観的に考えているのだ。

僕がこんな考えだから、妻がちゃんと考えてくれるのは純粋に助かる。
どの程度深く考えてくれているのかはわからないが、少なくとも学歴はあって困るものではない。
おそらく妻もそのくらいの考えだろう。

僕が子どものことで妻に意見することと言えば、弟がこどもちゃれんじで育って僕も一緒に遊んでたからまた契約したいとか、プーさんのメリーがかわいいとか、このラッコのおもちゃが欲しいとか、そのくらいだ。
それぞれの良さをプレゼンしたりするのだが、妻は聞いているのかいないのか、置き場所に困るようなものでなければ勝手に買えという方針のようで、それもまた助かっている。
ジャングルジムはその理由で断られたから、妻にとってのアウトなラインを超えないように今後も一応相談はするが。

妻が勉強しなさいと言う母になるのであれば、僕は唐突にゲームを買ってくる父になるのだ。
父とはこうあるべき、なんて理想があるわけではないが、母親と父親のバランスは取っていきたい。

いや、理想はあるのかもしれない。
昔父が、唐突に何かを持って帰ってくることはよくあった。
プレステが家に来た日も覚えている。

プレステとともに何枚かのゲームソフトを買ってきており、その中のひとつは人を切り殺していくゲームだったのだが、それを母は怒っていた。
買ってきた父にではなく、僕や兄に対しそのゲームを禁じた。

父には父の考えがあり、母には母の考えがあり、お互いが直接否定することはない、というのを小学生ながらになんとなく理解したような気がする。

人を殺すゲームをしたから人を殺す人間になる、なんて僕は思わないが、今にして思えば、知的好奇心を免罪符に機会があれば人を殺してみたいと嬉々として語っていた母には、自分の子が人を殺すゲームをするということには何かほかの人とは違う特別な意味合いがあったのかもしれない。
遺伝しなくてよかった。

そして今にして思えば、本当にこれを書きながら今気付いたのだが、ちょうどドラクエ7がプレステで出ると確定した頃だったので、ゲーマーで特にドラクエファンだった母に命じられて買ってきていた可能性もある。

ともあれ、自分の幼少期を基準に、父とは唐突にゲームを買ってくるものだ、という理想像のようなものがいつの間にか形成されているような気はする。

さらにともあれ話を今に戻して、自分の子どもに対し、僕は勝手におもちゃを買い、妻は勝手に進路を決める。
まあある程度相談はしているので本当に勝手に独断で決めているわけではないが、お互いに相手を納得させられるだけの情報を揃えてから相談しているのもあるし、お互いが相手に賛成するので、結果的にはそれぞれがそれぞれのやりたいようにやることになる。

ただ、一点。
素直に妻に賛成できないことがあった。
タイトルにもある通り、塾だ。


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