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稲中卓球部 前野 天才論① 前野の結婚観
1990年代を代表するギャグマンガ 行け!稲中卓球部。
おバカな前野、井沢、田中の3人組のギャグに、日本中が爆笑しました。
読んだことがない人は大損しているかもしれませんね。下品なのでそういうのが極度に苦手な人以外読むことをお勧めします。
女性にも大人気でした。
実はこの漫画、馬鹿なギャグマンガのように見えて、かなり深い文学が盛り込まれているのです。今日はその一つをご紹介したいと思います。
✅「155 中天」
前野はあるとき、自分と将来結婚する相手を想像します。
中国人か?ブラジリアンか?と思いを巡らしますが、
探すのダリ~ と言って涙を流します。
そこで市役所の戸籍課へ行き、婚姻届けを出すカップルに質問します。
「それはお前の唯一無二(その人の側にいる女性)なのか?」
「当たり前だ!僕たち結婚するんだ!」
「勝手にしろ!ぺっ!(田中)」
「なんて失礼な!」
というやり取りが行われます。
この時前野がどうしてこんな態度をそのカップルに取ったのかお分かりですか?
前野の結婚観
結婚は、普通二人の男女が知り合って、相手を気に入れば結婚をします。そして、二人は、あなたこそ運命の相手だ!とか、あなたほどの人はこの世界にはいない!とか、そういったことを感じて結婚するわけですね。
しかし、前野からすればそれはおかしいのです。
「あなたは、世界中の人と出会ったことがあるのか?そうでもないのに、どうして唯一無二の、自分と結婚するべき相手であると言うことがわかるのか?」
ということなんですね。
つまり、戸籍課に婚姻届けを出すカップルは、自分達がそう思い込んでいるだけであって、唯一無二の結婚相手だと考えているというのは、前野からすればおかしい話なのです。
もし前野に馬鹿にされない返答をするならば、こういう回答になります。
「僕は世界中を回り、世界中の人々と出会い、知り合った。そのすべての人の中から、この人を選んだんだ。」
と言えば、前野は納得してくれたでしょう。あるいはさらにこのような質問してきたかもしれません。
「どうやったらそういうことができるのか。」
ですが、皆さんも想像つくように、そんなことはできっこありません。
私が勝手に考えている真実の一つなのですが、私たちはこの世界に産まれて、全ての人々と出会う事が出来る人間は皆無である。と考えています。
なぜならば、3秒に1人が死んでいる世の中です。ですから、3秒以内に世界中の人々と会うことができなければ、それは不可能なのです。3秒以内に世界中の人々と出会うことが不可能である以上、前野の結婚は、現実的とは言えません。
感覚的にだと思いますが、それをどうやって達成するのかわからなくなった前野は、自分も将来の相手を探すときのことを考え、まさに結婚しようとしている人間のところへ行き、自分の疑問を直接解き明かそうとしたのでした。
一体どうやって、皆は唯一無二の相手を探し当てたのだろうかと。
この行動力と、考えの的確さ。馬鹿じゃできないと私は思うんですけどね。(私ならまず自分の父親か母親に聞いてみますが、ぼかされるかもw)
この本を読んでいると、常識にとらわれている人たちの方が、前野よりも馬鹿に見えてきます。
稲中卓球部の真面目組 竹田 木下 田辺で、一番真面目なはずの竹田がなぜか前野から一番馬鹿にされています。そこにも、いろいろと理由があるんですよね。