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難解な思想を下品な言葉で語る   (有と無は同一)

東洋の思想には「相反するものが実は同一である」という難しげな考え方がある。
仏教の「色即是空、空即是色」とか。
老子の「有無相生」とか。
「有」と「無」が同じであるとか言われても、さっぱり何のことか分からない。

「表」と「裏」が同じものだというのは分かりやすい。
コインの表と裏は、一つのコインという意味でまさしく同一だからだ。

「成功」と「失敗」が同じものだというのも分かる。
成功と失敗は、「チャレンジ」という一つの行為から生じる二つの側面だからだ。本当は「成功」の反対は「失敗」ではなく、「ノーアクション」(チャレンジしないこと)だ。

「有」と「無」が同一だというのはどうやったら分かるのだろう。
手のひらにボールを持つとする。
そのままでは、お金を拾うことができない。
ボールを手放して手を空けないと拾えない。
「有」(物をつかむ)ことは「無」(別の物をつかめない)ことを意味する。
「無」(物をつかんでない)ことは「有」(物をつかめる)ことを意味する。
こう言い換えたら、分かりやすいかもしれない。
「物を持っている=新しい物をゲットする可能性が無い」
「物を持ってない=新しい物をゲットする可能性が有る」
「全て有る」ということは「完全に可能性が無い」ということ。
「何も無い」ということは「無限の可能性が有る」ということ。
もっと分かりやすい表現は、
「物が無い=空きが有る」
「物が有る=空きが無い」
「物が有る」ことは「空きが無い」ことであり、「物が無い」ことは「空きが有る」
彼氏・彼女がいる人は、もっと良い人と出会うチャンスが少ないし、
結婚してたら、さらにチャンスはなくなる。
出会いでは、最強者は恋人無しで、最弱者は既婚者だ。
恋人無し>恋人有り>既婚者

今「有る」ことは将来のチャンスが「無い」ことを意味し、
今「無い」ことは将来「有る」ことを意味する。

一見、無理やり慰めた感じに聞こえるが、実はけっこう、これ真実だったりする。
下世話な実例として、巨大企業がベンチャーに負ける原理を説明した「イノベーションのジレンマ」や発展が遅れている国の方が最新技術になる「リープフロッグ」現象がある。
甘やかされて育つとダメになり、逆境を経験した人が大人物になったり。
「恵まれている」状態は引き換えとして「可能性を失う」。
勝組には転落が、負組には希望が待っているということに気づきたい。



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