コメットと僕【第一回】Too useless
好きな戦車はコメットとですか?part1より
僕は子どもの頃から鈍くさかった…
思い返せば、スト2が最初に流行り始めたとき
友達がショーリューケンショーリューケンと
連続で出せるようになってるころ、
僕はやっと波動拳が出せるようになったばかりだった。
その後、一気に格ゲー全盛期が訪れた。
餓狼伝説、龍虎の拳から始まってKOF、ヴァンパイアハンター
ゲーセンは格ゲーだらけだったし、
付き合いでやらないといけない時代になったけど、
僕はそれが大嫌いだった。
ガードキャンセル?コンボを繋げる?
波動拳しかできない僕がとっさにそんな事出来るわけ無いじゃん(´・ω・`)
一方的にボコられるだけだし、全然面白くなかった…
だから、僕がやるゲームといえばSLGかRPGで、
シューティングやアクション、格ゲーはなるだけ避けていた。
WoTというゲームがあることは早い段階で知っていた。
戦車や戦闘機や戦艦は大好きだったし興味はあったけど、
なかなか手を出せずにいた。
FPS系のゲームとかやったことなかったし、
どうせ自分には上手くできないだろうなぁ…
って端から諦めていた。
そんな僕が戦車を始めたきっかけは、
今はストリッちゃんで活躍する、馬刺しの人の山猫さんシリーズだった。
毎回ルクスで大活躍するんだけど、最後に必ず爆散する例のシリーズだ。
毎回楽しみに見ていた。
山猫さんは何度も言った。
「このゲームはストラテジーゲームに近い」と
エイム力や反射神経よりも、
熟考して戦略を練って勝利を目指すゲームなのだと。
もしかしてそれならば僕でも…
そうして僕はこの世界に足を踏み入れた。
早速ルクスを開発して、ルクスのみに乗り始めた。
初めはなかなか上手く行かなかったけど、
山猫さんの動画を何度も見直して、
同じ動きを真似するうちにだんだんつかめてきた。
このときは凄い楽しかった。
WN8はみるみる上がっていったし、
勝率もどんどん上がっていった。
直近3000、勝率60出るようになって、
このまま行けばすぐに緑になれるなってなったとき…
自分がしていることは「初狩り」といって
あまりよろしくない行為なのだと知った。
僕はルクスを封印して他の戦車に乗ることにした。
でもそれは地獄の始まりだった…
それなりにこのゲームをわかっているつもりになっていた僕のプライドは
木っ端微塵に打ち砕かれた。
よく、低ティアで十分に練習して高ティアに上がってこい
っていう人がいるけれど、
僕はその意見には全面的に反対だ。
低tierに長居して、無駄な時間を使ってしまったと後悔している僕だから
言いたい。
低tier(5以下)で学んだ知識など、tierを上げたら全く役に立たない。
本当に役に立たない。
また一からやり直しだ。
いや、むしろ変な癖をつけてしまう弊害まである。
僕のルクスがまさにそうだった。
ならば最初から中tier以上で揉まれて鍛えられたほうがずっといいと思う。
(エンドコンテンツのtier10は別だと思うけど…)
それから1年半、戦闘数にして10Kほどの時が過ぎた…
そこには、唇を震わせて、悔しさに目を潤ませている僕がいた…
ついさっきの試合で、味方に背中から撃ち殺されたのだ。
僕を撃ったのは紫色のユニカムで、
僕を撃ったあとにチャットでこう言っていた。
「Too useless!」(使えなすぎる!)
実を言うと味方に撃ち殺されたのは、
これが初めてではなかった。
チャットではいつも罵倒されていた。
「noob noob noob」
「idiot」
試合の後に届くファンメールではもっと怒られた
「Please uninstall this game and never play it again」
僕が悔しくて泣きそうになっていたのは、
僕を撃ち殺したユニカムに憤りを覚えて悔しかったと言うよりも、
1万戦こえても全く成長していなくて、
未だに味方に撃ち殺されるような事をしている自分が
惨めで情けなくて悔しかった…
漠然と、もっと上手くなりたい、強くなりたい
とは思っていたけれど、そのためにどうすればいいかも分からなかった。
上手くなる一番の近道は、上手い人に指導してもらうことだと聞いたけど、
ボイスチャットが出来ない環境なので、それは諦めていた。
結局このゲームが楽しかったのは、
ルクスに乗ってどんどん成績が上がって行っていた、
あの頃までだった…
このゲームをやっていて、辛いとか苦しいとか思うことはたくさんあっても、
楽しいと思うことは殆どなくなっていた…
それが積み重なっていって、
味方に背中から撃ち殺されたこの日…
ついに僕の心は折れた…
次回
コメットと僕【第二回】SuperUnicumに憧れて
10月8日投稿予定