へらへら笑ってろ(双極性障害の私)。<21>スローなブギにしてくれ。
いやん、久しぶりに来たじゃん、軽躁が。まいったなあ、という感じの中原旦陽です。だいたい、こんな浮かれた書き出しになっているところが、躁を如実に表しています。参った、参った。
でも、これはこのマガジンを書くうえでも、また私自身の今後のセルフコントロールのためにも貴重な体験だと思うので、「渦中の患者」として、今日は躁状態について書いてみようと思います。
これは私の個人的な意見ではなく、主治医もおっしゃっていることですが、双極性障害の患者にとって、いちばん怖いのは躁状態です。なぜって、躁のあとには必ず鬱期がやってくるからです。
もう少し書きますね。躁状態の患者は、とにかくエネルギッシュです。やりたいことがどんどん出てきて、頭が冴え、活動もばりばりできる。だから毎日楽しくて、薔薇色で、もっともっとやりたくなる。イエーイ!人生、素敵だぜ!という感じになります。いわゆる過活動の状態です。
また人によっては、攻撃的にもなります(私も何度かそんな躁を経験しています)。それは、万能感が生まれるからなんですね。ミー・アズ・ナンバーワン。私という人間は素晴らしくて、有能で、何でもできる。それに比べて、あの人この人、というか世の中の人、何なん?馬鹿なんじゃね?という発想で、周囲を攻撃してしまうのです。苛々が募る患者もいます(私の場合は、能天気なので、あまり苛々することはありませんが)。
あと、これもかなり危険なのですが、いろいろ活動したいということは、たいていの場合、それに必要なお金もかかるので、躁状態の患者は、金遣いが荒くなります。借金してでも高額商品を買ってしまったり散財したりするケースがあると読んだことがあります(私は、いつもかつかつの生活を送っていることで、こうならずに済んでいます。ある意味、ラッキー)。
こんな危険な状態なのに、双極性障害ビギナーの患者は、この躁を見逃してしまいます。いや、見て見ぬふりをすると言ってもいいかもしれません。
だって、気持ちいいんだもん。
これに尽きます。気持ちよく生きていられることをなぜ止めないといけないのでしょう。そうなんです(ああ、洒落ではないのに、こう書かざるを得ないのが悔しい)、躁状態の患者は、本人的にはすごく幸せなのです。
かつて、過去10回の精神科入院のうち、3回は躁を体験した私。主治医に一度、「低め安定を目指しましょう」と言われたことがあります。そのときの私の落胆については、いまも覚えています。主治医に初めて失望したときでもありました(全面の信頼を置いている主治医なので、失望しちゃうところがもう躁の症状とも言えます)。
は?低め安定?何それ?そんなの生きてる、って言えません。絶対やだ。
いやあ、書きながら、躁状態の豹変した自分が改めて怖いです。くわばら、くわばら。絶対に躁にだけはなりたくない。あとあとガス欠起こして鬱になるのも怖すぎる。
なのに、いまの私はたぶん軽躁状態です。いや、たぶんじゃなくて確実に。
こういうときに記録魔であることが役立っています。
睡眠時間、いま、めちゃくちゃ短いんです。
私のほぼ日手帳は、スケジュール帖であり、ライフログ用のノートであり、日記帖でもあるのですが、これに毎朝、起床時間を記録しているんですね。
5月1日からの起床時間は、01:30、05:15、05:35、05:55、02:30、02:00、03:30、03:11、02:55、05:25、01:25、05:20……と続きます。いくら夜は遅くとも23時には寝ているとはいえ、睡眠時間短すぎです。
しかも、えっらいすっきり目覚める→嬉しくて、朝からがんがん行動しちゃう→1日がんばって働いて(これまた楽しい)→もっとやりたいことが出てくる→鬼のように爆睡する→よく寝た充実感に包まれながら、また早起きする
を繰り返しているんですね。
発端が、ゴールデンウィークだったのは間違いないです。思いきり楽しもうと決めて、実際楽しんで、その間に、自家発電しすぎたみたいです、私。
というわけで、次の精神科受診まであと3週間ある私にできることは、できる限り、軽躁を抑えることだけです。自力でやるしかない。
なので、まずは睡眠時間の確保。何をおいても、これです。昨夜は「明日は途中で目が覚めても、絶対に起き上がらない」と決心してから寝ました(それでも5:19には起きました)。最低7時間は寝る!体を休める!
あと、行動をスローダウンさせます。したいことが次々に出てきても、腹八分めを目指します。全部はやらない。そして生き急がない。
さきほども書きましたが、記録魔であることも、きっとこれらの対策に役立つでしょう。自分のしたいことを書き出し、それを絞り、やったことだけライフログに記録していきながら、セルフコントロールしていきたいと思います。
だてに双極性障害、26年もやっていませんよ。過去の失敗からの学びを大切に、このピンチ、乗り切りたいと思います。タイトルは、スローになりたい気分を表すなあ、と思いついたものです。
Want you 俺の肩を 抱きしめてくれ
懐かしい昭和の名曲ですな。
がんばらないことをがんばります。またご報告させてください。
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