見出し画像

Wanna Oneという花道

「アイドル」とは何か。最近になってよく考える。私はヲタクではあるけれどその子のプライベートにまで突っ込むことには賛成できないタイプだ。最近ではBTSジョングクのタトゥーなんかがその代表だと思う。タトゥーを入れたいと思ったのは22歳のチョンジョングクという男の子の話で、そこにファンが介入することはできないと私は思っている。でもそこに介入する、ヲタクというものはとっても自分勝手で、勝手に好きになって勝手に知ったようなつもりになって、そして嫌いになる。「アイドル」はヲタクという加害者に対する、被害者なのかも知れない。

Wanna Oneに話を戻そう。101人のアイドルを夢見る男の子たちの中から国民によって選ばれた11人。「国民のアイドル」。それがWanna Oneだ。私は推しと言われればジェファンだ、でも顔はペジニョンがドンピシャだ。(顔ペンではないのでご安心を)でも今回はカンダニエルについて話したい。

カン・ダニエル

国民が選んだ国民のアイドル、そのセンター。当時まだ22歳。

なぜカンダニエルの話をしたいかと言うと、彼は私が今まで見た中で1番の「アイドル」だからだ。

プデュを見た私のカンダニエルに対する最初の印象はあまり良くなかった。やんちゃっぽくて空気の読めない感じ、精神年齢が幼い。ズルしたこともあったし。その印象が変わったのはデビュー評価の時だ。前回投票一位のダニエルには自分がやりたいポジションに行ける権利があった。もしそこに他に希望する子がいても動かすことができるのだ。

ダニエルの番になった時、埋まっていなかったのは「メインボーカル」ただ一つだった。どうするんだ?さすがにメインは張れないだろ、なんて思ったのを覚えてる。ところがダニエルはニコニコとあの屈託のない笑顔でパネルに近づき迷うことなくサブボーカルにいたハソンウンをメインボーカルにつけ、自分をサブボーカルに入れた。うわ、この子…やりおった…と思ったのが私の正直な感想。だって誰か考えた?もともとラップポジの子が自分をサブボーカルにしてまでメインボーカルを別の子に譲るなんて。そして「ソンウンヒョンはもっと目立っていいと思う」と一言。いやー痺れた。この子はこういうことをさらっとできる。思えばこの子はセンターを一度もやらなかった。生き残らなければ明日はないあの場所で「俺が俺が」となるわけでもなく、置かれた位置で最大限輝く、それが出来る子。そして最後にはセンターに立つ。ポテンシャルの高さに驚いた。時代が選ぶってまさにこのことだ、と。スタイルも抜群だしね。

カンダニエルの「アイドル」人生はそうやって幕を開けた。Wanna Oneは1年半絶大な人気を誇り、SEVENTEEN、BTS、EXOなどの名だたるアイドルを抑えて賞を受賞したこともあった。殺人的と言われるスケジュールをこなしながら世界中を飛び回った。そしてそのセンターにはカンダニエルがいた。あの子がステージに立つと誰もが息を呑む、そんな雰囲気があった。特にダニエルは個人スケジュールも多かった印象だ。バラエティから雑誌、広告と一夜にしてスーパースターの階段を駆け上がった。

そして2019年1月27日。Wanna Oneが Wanna Oneでいられる最後の日。涙で海ができるなんてバカげた表現かも知れないけど、でもあの日あの11人とワナブルが流した涙で湖くらいなら作れるんじゃないかと思う。

あのカンダニエルが泣いた

スクリーンに映った彼の目に涙が溢れていた。あの子が泣いたのはあれが最初で最後だったと思う。彼はあのステージからどんな思いでファンを見渡し、そして涙を流し、ステージを後にしたのか。まぁ本人にしか分からないし彼はもうそのことについて話すことはないと思うけど。でも確かにあそこに子供のように泣く彼がいた。「辛くなることなんて最初から分かってたのに、それでもやっぱり辛いですね」と肩を震わせながら彼は言った。いつもニコニコ笑っていたずらして、若干メンバーに引かれながらも本人気付いてなさそーに満足げに笑ってるあの子は、センターとして1年半、どんな荷物を背負っていたんだろうそんなことを思った。

あれから1年半、ダニエルの周りは色々あった。熱愛、事務所との訴訟、新事務所設立…。その度世間はカンダニエルで持ちきりだった。パニック障害も患った。私は心理学を専攻しているからその分野には一般より知識があるつもりだ。その私の個人的な考えで言うとダニエルは多分一生この病気と付き合っていくことになるだろう。そう、「アイドル」でいる限り。何にしても世間はあの子を放ってはおかない、それが国民のセンターとして、「アイドル」として生きてしまった使命なのだろう。だから私はカンダニエルは私が出会った中で1番の「アイドル」だと思う。

カンダニエルについてはまだ話したいことがあるので近いうちに。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集