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森の空

数年前コロナ禍に突入し息子達の学校がほとんど休みになった頃愛犬ニコちゃんのお散歩、そしてあまり出かけることも少なく運動不足気味なこともあり甲府の北部にある、僕の自宅からも車で数分の所にある湯村山、というゆっくり歩いてほんの30分くらいで頂上の小さな山に毎日登った。息子達にもそれぞれ1日おきに付き合わせた。ウチの中でゲームやインターネットに時間を費やす事が多かったので息子達にも良いリフレッシュになったと思う。当時人混みを避ける風潮だったし屋外で安心感があった。
僕のおなかも引っ込んだし
ニコちゃんも毎日大満足だった。
コロナ禍が落ち着いてまた方々へ演奏に行き始め、自宅でもレッスンが増えた事もあり中々日々のお散歩に湯村山までは行かなくなってしまった。
そして忙しくなるとあっという間に1年、2年と過ぎた。昨年は年末までジムに通っていたがジムの改修工事でしばらく休んでしまったら気がついたらリニューアルが済んでもジムには行かなくなってしまった。
年齢的にも少しは日々運動した方が良いに決まっているし、おなか周りは再び中々の存在感を主張している。加えてこの猛暑でニコちゃんの毎日の散歩も陽がかなり傾かなければ暑くてとても無理。時間帯が限られてしまうため
久しぶりに湯村山へ行くことにした。
もちろん日中は暑いには暑いが自宅周辺の散歩コースと比べるとずっと木陰が続き森を通り抜ける風は天然のクーラーの様に感じた。
小さな山とはいえ登っていくので頂上に着く頃には汗びっしょり、しかし爽快である。
午後2時、ウチの周りなら5分も歩けないし
ニコちゃんもアスファルトで火傷してしまうほど暑い。
しかし車で麓の駐車場まで行きそこから直で森を抜けるハイキングコース、生茂る緑に太陽も遮られて吹いてくる風はとても爽やかで涼しい。
ニコちゃんも久しぶりの森の様々な匂いに活発に嗅ぎ回っている。
家から車に乗って駐車場、そこから頂上までを往復し再び車で自宅まで戻って丁度1時間くらいか。日々の運動にも、特に久々に運動するならこれはパーフェクトな内容。そしてこんなふうに自然の中で木々に囲まれた時間をほんの少しでも過ごすことでその後の時間とても穏やかな状態になっていることに気づいた。

道中上を見上げると逆光で緻密な版画、エッチングの様な木々の枝や葉のシルエットが風に揺れる。所々にぽっかりまあるくくり抜いた様に枝葉の中に空が見える。
まるで森の中に誰かが空を隠したのを見つけてしまった様に想像した。
また明日もこのHidden Skyを見に行こう。

Hidden Sky


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