私の読書感想 可愛いミステリーたち
せっかく読んだ本だから、感想を共有したく思ったので記事を書きます。
少し前に久しぶりに小説を読んで、その面白さを思い出してしまいました。そこから私の小説ブームが来ています。いろいろ読みましたが、私が安心して内容に入っていけるのが、可愛いミステリーたちでした。最近では、ラノベと分類されるもの、ライトノベルとされるものも入っています。
小学生の頃から推理小説が好きで、中学生では赤川次郎などを読んでいた私は、やっぱりそこに落ち着くようです。
今日は次の3冊と1冊は参考にご紹介します。
「体育館の殺人」 青崎有吾
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ 三上 延
「屋上の名探偵」 市川哲也
(参考) 「名探偵の証明」 市川哲也
高校生や少し上の年代の男女が主人公であるというところに共通点はありますが、それぞれの面白さや推理の視点はまったく異なっています。「屋上の名探偵」は「名探偵の証明」に出てくるライバル蜜柑花子の高校時代の話となっています。
ちょっと、読みたいなという軽い気持ちで読める本たちです。
感想を参考にしてもらえたら、嬉しいです。
「体育館の殺人」 青崎有吾
頭を使って考えて面白い本でした。
学校での殺人なので、推理と言ってもそれほど考える余地がないかと思っていましたが、全部読者へのヒントが渡された上で、謎解きの前に「幕問」として読者への挑戦が挟まれています。
謎解きもしつこい程、登場人物たちへの質問や問いかけがあり、そこから彼らが気づき、読者も一緒に気づくという手法が面白かったです。
ミステリーという恐怖感はないので、私はしっかりと頭を回転させてトリックを考える読者となれました。
謎解きが終わった最後に、またもう一つの展開があり、すべて読者にも与えられているヒントだけに、なるほどと感服しました。
内容(「BOOK」データベースより)
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
青崎/有吾
1991年神奈川県生まれ。明治大学卒。2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。第二長編の『水族館の殺人』は第14回本格ミステリ大賞候補作となるなど、いま注目の若手ミステリ作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ 三上 延
3まで読みました。
古書からの推理にも驚きましたが「古書で幅が広がるのだろうか」とこれからの展開していくのかも気になっていましたが、古書の世界は非常に深い。
同じ本でも時代によって内容が異なっていることや、古書の価値に、毎回ながら驚かされました。
推理だけでなく、人間関係や主人公、栞子の母親の謎についても、だんだんと情報が増えてきて、そちらの展開も楽しみに感じています。
周りで起こる事件の内容も、1、2までは表面的な古書についての内容が多かったが、原本引用なども入りながらの推理が始まり、文学に詳しい人にとっては面白くなってきていると感じました。
内容(「BOOK」データベースより)
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは―今はただ待ってほしい、だった。ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然―彼女は母を待っていたのか?すべての答えの出る時が迫っていた。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
三上 延:『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計640万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。
「屋上の名探偵」 市川哲也
「名探偵の証明」を読んでからのこの本。
主人公、蜜柑の高校生時代の話で、特に殺人もなく安心して読めました。
そのたどたどしさの中にあるしっかりとした心眼。
蜜柑の魅力にハマってしまいました。
そして今後相棒になるだろう同級生、中葉との出会いと、子供っぽい不思議な関係も興味深かった。
作者はあとがきで、高校時代に忘れ物をした感が猛烈に強いための「学園ものが好き」という告白があって、個人的にとても共感してしまった。
今後の作品も読みたいと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
最愛の姉の水着が盗まれた事件に、怒りのあまり首を突っ込んだおれ。残された上履きから割り出した容疑者には完璧なアリバイがあった。困ったおれは、昼休みには屋上にいるという、名探偵の誉れ高い蜜柑花子を頼ることに。東京から来た黒縁眼鏡におさげ髪の転校生。無口な彼女が見事な推理で瞬く間に犯人の名を挙げる!鮎川賞作家が爽やかに描く連作ミステリ。文庫オリジナル。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
市川/哲也
高知県生まれ。太成学院大学卒。2013年『名探偵の証明』で、第23回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(参考)「名探偵の証明」 市川哲也
私にとっては、初めの前置きが長すぎると感じましたが、全体を読み終わって理解ができました。
名探偵というキーワードが入っているので、爽快な謎解きがあるのかと思っていました。
ところが、それがまず間違っていました。
名探偵が歳を重ねて、老いていく過程で感じることや、謎解きの思考を示しながら、次の世代の名探偵と呼ばれる若者をライバルと思いながらも、先人としてのプライドや、隠しきれない老いが入り混じり作品をつくっています。
今までの探偵ものとはまったく異なったテイストだと感じました。
そのめざましい活躍から、1980年代には推理小説界に「新本格ブーム」までを招来した名探偵・屋敷啓次郎。行く先々で事件に遭遇するものの、驚異的な解決率を誇っていた――。しかし時は過ぎて現代、ヒーローは過去の事件で傷を負い、ひっそりと暮らしていた。そんな彼を、元相棒が訪ねてくる。資産家一家に届いた脅迫状をめぐって若き名探偵・蜜柑花子と対決から、屋敷を現役復帰させようとの目論見だった。人里離れた別荘で巻き起こる密室殺人、さらにその後の名探偵たちの姿を描いた長編ミステリ。第23回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化。
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