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【備忘録】片付けたい女たち

絢とひさ枝のふらり旅
片付けたい女たち
2021年4月17日18日15:00~

わたしは17日土曜日の回を観劇。

まず、幕が上がる瞬間が衝撃。人力。しかも、ひっぺがす、って感じ。
で、その向こう側がさらに衝撃。
この、2個目の衝撃は、多分他の観劇者とは違うかも。なぜなら、『これ、かつての私の部屋だ。いつ見に来た?』という種類の衝撃だったから。

恐らく、他の方は、劇団静芸さんのTwitterにもあった『過去最多小道具数』に衝撃を受けるのだと思う。

いやぁ、本人には秩序があるのよ。そうそう。わかる。アレはきっとあの辺。コレはきっとそのへん。みたいな。で、本当に今必要なものは、何故かすぐには見つからない(笑)


片付けたい女たち
これは、【グループる・ばる】による女3人芝居。50代に突入した3人の友情物語…かな。大枠は。

ひさ枝さん、絢さん、さよさん、3名とも50代にはまっったく見えなくて最初は不思議な気持ちだったんですが、各々老化による体の不調の表現が上手くて、段々『50代の3人』を受け入れているわたしが居ました。
配役も、【それしか考えられん】という妙。
静芸の代表にして演出家の中川さんの舞台でのさよさんを以前拝見しましたが、中川さんはさよさんの持ち味の引き出し方最高なんですね。そして、ぶりっ子というか、若く可愛くありたい女性の演技が嫌味じゃなく様になるさよさん、恐ろしい。
そして、絢さんとひさ枝さん、安定感抜群のチームワークすぎて、なんか、演技に見えなくて、すごい好きだった。
ひさ枝さんの説得力ある迫力(笑)と、絢さんの言い訳のときの表現のリアルさが、3人の生々しい人生を裏付けていたなぁ。

ってか、本当に年齢が10程若い3人だと思うんですよね、しかも、女優さんたちなので、実年齢より全然若く見える3人。それが説得力を、持たせて演じ切るの、すごいなぁ。見た目を寄せていかなくても、仕種とかため息とか些細な動きで説得してくるところが、やはり女優さんなんだよなぁ。

演劇、エンタメ、なので、各方面の『あるある』てんこ盛りスペシャルって感じで、実際そんないっぺんには訪れないだろうけど、誰もがどれか1個は確実に『あるある』と頷くエピソードで、脚本【永井愛】のパワーを感じる。女性が描く写実系等身大女性って、理想詰め込みか、リアルすぎておぞましいかになる傾向を感じたりするんですが、この辺のバランスが良いよなぁ。
等身大のオンナの恐ろしさと、虚しさ、寂しさみたいなものと、こうありたい理想のオンナの誠実さ、真面目さ、明るさみたいなものが凝縮している気がする。(なにせわたしは30代なので、50代は理想の部分も現実なのかもしれないので。)

ゴミの片付けに関して、おちょび先生にうちにも来て欲しいし、盛り上げ隊長としてばつみにも来て欲しい。つんこは…割とわたしなので…わたし2人も要らないかなって感じ(笑)いや、あんなコツコツOLなんかやれないから、わたしはつんこの下位互換ですね。

傍観者の罪
心のパンツ
何者にもなれなかった私

この辺りがわたしの心のフックに引っかかって残ったワード。
多分、わたしは端から心はノーパンだ。そして、今現在何物でもない。傍観者に殺された事はあるので、常に傍観者ではなく当事者として、ぶつかりたいという意欲に満ちてはいる。出来ているかは分からないが。

そもそも、わたしには幼い頃から一貫して【いつもつるむ仲良しの友達】というものが居なかった。つまり『跳び箱会議』を経験したことなく大人になった。女子特有の全方向気を張りながら、グループ内での立ち位置を意識し、自分の役割を考えるってのが全くもって出来なかったから。特殊能力だよ、そんなん。

でも、そんな女子たちの気持ちも最近は学習して共感出来ずとも、理解出来るようにはなった。故に、跳び箱会議を、していた3人と、羽毛布団を香典返しした故人の、なんとも言えない気まずい感じは理解出来たし、つんこが使えない気持ちもわかる。
しかし、わたしは、傍観者の罪を叫び中退した男子の方が理解出来るんだよなぁ。そんな自分が不満。

こんな関係を保てる友情を育める精神発達と社交力をもって産まれたかった。

〚追記〛
わたしはみかん食べ始めるまで、つんこは本当はゴミに埋もれて死んでいた幽霊だと信じていました。

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