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午前三時のトースト
夜中の2時に起きて、眠れなくなる。
布団の中でごろごろしたけど、
そのまま起き続ける。
どうしても、書きたいことがあった。モヤモヤした。
悲しみ、怒り、驚き、呆れ、なぜなぜと呟きたくなる。
そんな出来事を聞いてしまった。
私に直接ふりかかった出来事ではないのに、
悲しくて、やるせなくて、苦しくて、
腑に落ちない。
たまたまその人が、私と同年代というのもあって、どこか重なってしまう。
その人は、死を選んだ。
「突然死」って知らされていたけど、真実は異なっていた。
私も似たような思いにさらされていた。同じ環境で。
ひどいとしか言いようがない。
ひどいとしか。
そして、誰も、表向きでは声をあげない。
心ある人は、声をあげられないまま諦めて、無気力、惰性に流されるか、
組織を変えるのは無理だからと、
立ち去っていくかのどちらかだ。
心ある人同士で、そんなだったらしいよと話して、それで悲しむだけ。
組織は、それでも、続いていく。
加害者は曖昧にされたままに。
嘘で取り繕っている人たちの、
本当の姿をなんとなく感じて、
私はそこから旅立つことを選んだ。
その直感は正しかったと判った。
眠れなくて、
午前3時に分厚いトーストを焼いて、
チーズとハムと、目玉焼きを焼いて食べた。
食べながら、ずっとその人のことを想い、考えていた。
私はそれでも、
腹が減ってこうして食べて生きてる、
その日常の感覚。
日常のトーン。
この日常世界から、そちら側へ行ってしまった。
そのときのことを想像すると、
本当に悲しくなる。
まだその人が、この世に居そうな気がするのに。
その人の家族、
奥さんも、子供の事を思うと。
憤り、悲しみ、怒り、やるせなさ。
悔しいじゃないか。
優秀だったのに。
とても優秀で、真面目で、優しくて、人の為に働いたのに。
優しい人ほど、良い人ほど、先に逝ってしまう。
どこの世界だって、そうなのかもしれないけど。
研究者はほんと早死が多い。
競争、評価、ストレス、プレッシャー、過労。
もちろん、食べるため収入を得なくてはいけないのだから、
稼がないといけない。
家族がいれば、家計も支えなければいけない。
善良な人、感受性が強い人ほど、
過酷なんだと思う。
だから、病気になったりするし、突然倒れたり、
でなきゃメンタルか、
早死に。
でも、ただの早死にじゃない。
ひどすぎる理由だった。
そんなことで潰されて、悲しいじゃないか。
その人の人生、そこで終わってしまった。
絶対、そんなこと、許せない。
許せないから、わたしは絶対その人のことは忘れない。
忘れないまま、どこまでも、行けるところまで行く。
その人みたいに立派な教育や、研究業績や、
世の中に影響を残すようなことはできないと思うけど。
私ができることで、どこまで行けるか、何ができるか、
やっていこうと思う。
悔しいじゃないか。
就職超氷河期世代、
やっとここまで生き抜いてきた、私たち。
生き残ってきた仲間たち。
やっと世の中に出てこられたのに。
ここまで頑張ってきたのに、
まだ潰されるのか。
そんなこと、おかしいじゃないか。
だから、生き残った私たちで、どこまでも引っ張っていく。
この世に爪痕を残すのだ。
気が付いたら、朝6時になっていた。
そろそろ娘も起きてくる。
今日がまた始まる。
想いが交錯しつつ、
今日も教壇に立つ。
昨年、ずっと、マイテーマソングだったこの曲を貼っておこう。
悲しいけれど、
最後には心の中で、いつだって立ち上がっている。
立ち上がり続ける。
ここで立ち止まってはいけないと思う。
悲しみの中に立ち止まっても、元に戻れはしないから。
だからこそ、立ち上がる。
ここしばらくのテーマソングは、こちら↓でした。
https://youtu.be/5DNqESedFMk?si=WgYXAXo8edML9oE0
歌詞がしみじみいい。