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2024年の主なイラスト制作実績

中々noteを更新できなかったのですが、あっという間に2024年も残すところあとわずかになりましたので、2024年に制作した主なお仕事をご紹介しようと思います。

今年は書籍の装画制作のご依頼をを多くいただけたように思います。
(※記事内の敬称略)




徳間文庫『大久保家の人びと 天下動乱の父子獅子』の装画

徳間文庫『大久保家の人びと』シリーズは、前回の第1巻も装画を描かせていただいたので、引き続き第2巻の「天下動乱の父子獅子」の装画も担当させていただきました。

著者:井川香四郎
装丁:ムシカゴグラフィクス
出版社:徳間書店(2024年4月 刊行)

徳間文庫『大久保家の人びと 天下動乱の父子獅子』カバー
徳間文庫『大久保家の人びと 天下動乱の父子獅子』カバーイラスト

今巻で江戸で騒動を起こそうとする修験者や雲水姿の浪士たちを背景に配置し、それを阻止しようとする大久保家当主の彦右衛門と息子の龍太郎・拓馬の3人を手前に描写して、対立関係の構図を意識しながら制作しました。

また、背景に炎を描き入れ、黒船の来航以来、慌ただしく変化する情勢や江戸で起こる騒動や事件を表現しています。




『KOMEHYO 日本橋店』OPEN告知用イラスト

全国にブランドリユースショップKOMEHYOを展開されている株式会社コメ兵様の新たな店舗『KOMEHYO 日本橋店』が、2024年4月、東京・日本橋にオープンされました。
その告知のための駅貼りポスターやフライヤー、DM、広告などに使用されるイラストを担当しました。

広告会社:株式会社オリコム
デザイン:松川修司

駅貼りポスター
告知用イラスト

日本橋に構える店舗ということで、江戸文化の中心地であった歴史ある街を表すため、かつての木橋だった頃の日本橋を背景に、和装の女性がブランドバッグを持っている、という過去と現代が融合するイメージの和風なイラストを配置したいというご依頼でした。

過去の個人作品である「」のイラストがイメージに合っていたようで、そのイラストのテイストや構図を元に新たに制作しました。

メインの女性は、華やかさや艶やかさのある大人の女性を意識し、さらに透明感やエアリー感ある雰囲気を表現しようと努めました。




小学館文庫『新・口中医桂助事件帖 ほうれん草異聞』の装画

長年続いた人気シリーズ「口中医桂助事件帖」が舞台を明治時代に移し、新たなシリーズとして『新・口中医桂助事件帖』が開始されました。
新シリーズ第2作目である「ほうれん草異聞」より装画を担当させていただくことになりました。

著者:和田はつ子
装丁:山田満明
出版社:小学館(2024年10月 刊行)

小学館文庫『新・口中医桂助事件帖 ほうれん草異聞』カバー
小学館文庫『新・口中医桂助事件帖 ほうれん草異聞』カバーイラスト

主人公・桂助とその妻・志保を洋装の姿にして、明治時代の話であることを強調し、作中にもあるような二人が馬車に乗って往診にいくイメージで制作しました。

今までのシリーズのイメージを踏襲しつつ、新しさも感じられるカバーイラストになるよう意識しています。




徳間文庫『首取物語』の装画

2022年に単行本で刊行された『首取物語』が文庫化されることになり、その装画を担当しました。

著者:西條奈加
装丁:AFTERGLOW
出版社:徳間書店(2024年10月 刊行)

徳間文庫『首取物語』カバー
徳間文庫『首取物語』カバーイラスト

構図の違うラフを3点ほどご提案して、この構図に決まりました。
少年・トサが、首だけになってしまった侍の男・オビトを、布で包み木の棒の先に吊るして森の中を歩く様子を描いています。

子供が首を持って歩くという様が、怖さや不気味な印象を与えないよう、むしろ非日常的な違和感が可笑しさを醸し出せるような雰囲気を意識して、二人の表情などを明るく柔らかいものにしようと努めました。




河出文庫『菅原伝授手習鑑』の装画

歌舞伎や文楽で長年愛されてきた名作古典の『菅原伝授手習鑑』が、河出文庫の「古典新訳コレクション」シリーズとして刊行されました。
その装画を担当しております。

訳:三浦しをん
装丁:鈴木成一デザイン室
出版社:河出書房新社(2024年12月 刊行)

河出文庫『菅原伝授手習鑑』カバー
河出文庫『菅原伝授手習鑑』カバーイラスト

「赤ん坊の三つ子」や「桜」、「牛のおもちゃ」などを盛り込んだカバーイラストというご希望を元に、三つ子のポーズや牛のおもちゃの種類が異なるラフを複数点制作し、この三つ子と赤ベコの人形で決定しました。

成長した梅王丸・松王丸・桜丸の三つ子に、それぞれ悲劇が襲いかかる物語ですが、あくまでもかわいく無邪気な三つ子にしたいというご要望もあり、朗らかさや赤子の清らかさを感じられる明るいものになるよう努めました。

また、読み終わった後に改めてカバーを見ると、幸せな過去と悲劇の未来の対比が感じられるようなイラストになるよう意識しました。


なお、実は三浦しをん先生の小説「風が強く吹いている」が大好きなので、今回三浦先生の著書の装画を担当できて本当に光栄でした!

さらに、装丁の鈴木成一さんの装画塾を過去に受講したこともあり、いつかお仕事をご一緒できるようにと目標の一つとしていたので、今回それが叶い、二重にに嬉しいお仕事でした!




その他の制作実績や、過去のイラストは以下のウェブサイトからご覧いただけます。


ご依頼くださった皆様、誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。


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洵(じゅん/June)
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