「結局、プーチンの勝ちだったか」

  8年前のアメリカ大統領選は、ヒラリーとトランプの選挙だった。下馬評ではヒラリーが勝つと言うことだったが、それを覆したのはプーチン陣営のフェイスブックなどを使った反クリントンのデマ宣伝とハッキングによって民主党陣営の情報を暴露することで情勢をひっくり返したのだ。特に最終版にヒラリーの私メールを暴いて違法の疑いでCIAが調査に乗り出したことが決定的だった。
  その結果、4年間、トランプの嵐が世界を吹き荒れた。ヨーロッパでは極右勢力が勢いをつけた。ドイツでも移民排斥を叫ぶ極右勢力が支持を広げ、今では第2勢力になっている。それがバイデンになった4年間も世界の経済情勢が好転せず紛争激化と相まって難民が増加する状況で極右勢力はさらに増長したのだ。
   そして、再びトランプが復活した。
  極右勢力が世界で目に見えて大きな力を持ってきた。そして、プーチンが難渋しているウクライナ戦争でもトランプが復活することによって、プーチンの望む方向に進もうとしている。トランプは子どもが権力をもてあそぶように好き放題言っている。これではこれまで築いていた欧米先進国の協調もご破算になるだろうし、この修復には途方もない時間が掛かるだろう。明確にこの4年でアメリカの国際的な地位は大きく毀損することだろう。これまで仲間であった国からも信任は得られないだろうし、離反が促進されることだろう。そして、アメリカの勢いもこれで急速に衰えることだろう。
 もはやプーチン、習近平などの権威主義者が望む世界が群雄割拠する時代が到来する。権威主義的な国家が増えることだろう。誰もプーチンの行動に制裁を加えることは困難になることだろう。
  翻って、8年前にトランプが敗退していれば、ここまで情勢はおかしくなっていないだろう。
だから、この世界情勢はプーチンの望み通りなのだ。

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