古代の薩摩940年 #71
第四部 日本武尊(やまとたけるのみこと)の熊襲征伐
決戦=出水口の攻防=
小碓命は女装して戦場に登場。これには敵が驚いたが、味方も驚いた。あれは誰だ! 首領の熊襲建(くまそたける)兄弟は最初、降伏の意思表示と勘違いした。「なかなかの美形ではないか。あれは兄がもらうぞ。」と言うのを聞いた弟はその瞬間馬を走らせていた。どうする? 小碓命よ。と見ていると引き付けるだけ引き付けると一散に(いっさんに)逃げ出したではないか!必死の形相で兄が追う。それに続いて熊襲軍100人、大和軍200人が追う。
いつのまにか小碓命は出水口を通り抜けていた。林桔梗は小碓命が通り抜けた瞬間、間に入り、追ってきた弟の方をちらりと見た。そして迷路に誘い込むとあっという間に落馬させ、縄でぐるぐる巻きにしてしまった。段田小百は小碓命を案内して隼軍団の陣営に案内した。兄の方は前を見失ってうろうろしている所へ林襲津彦が登場。一騎打ちを提案。腕に自信のある熊襲建は望むところと受けて立つ。いつのまにか周りを両軍の300人と隼軍団100人が取り囲んでいた。いつもの通り、襲津彦の槍は先が丸い。
そのことに気付いた熊襲建にスキが出た。何合か槍をぶつけあった二人だが、襲
津彦の技がさえた。桔梗と二人で鍛えに鍛えてきた技だ。馬の差も出た。縄をうとうとするのを制して李田仙松があらわれ、熊襲建兄弟と小碓命を主賓の席に誘った(いざなった)。後は薩摩お決まりの大宴会になった。