王者は民を富まし、覇者(はしゃ)は士(し)を富ます=荀子=

この言葉はわれわれに多くのことを示唆してくれるのではないでしょうか。古代中国で使われる「王者」とは「仁政=徳」で天下を治める人。一方「覇者」とは「武力や外交、策略」など駆使して実力で天下を治める人です。さしずめ、現代風に意訳すると「知者は国民を富まし、愚者は富豪を富ます。」もちろん私の独断と偏見です。どんな人が知者で愚者なのかは意見が分かれるところでしょうから。荀子は「性悪説」が有名ですね。孟子の「人は生まれつき善の性質をもつ=性善説」は誤りであると言っています。、
「人は生まれつき、悪の性質を持つ。善は教育などの後天的作為で人の努力によってはじめて得られるものである。」と主張して教育の重要性を強調したものと解釈されています。だから世界中が悪人だらけだというのではありません。荀子はいいやつですよ。そんなこといっていいのか?!
さて今我々の時代、世界各国の首相や大統領をつまり国のリーダー=トップを見渡してみるに、あまりにも覇者が多いのではありませんか。古代中国の中で、民のために立派なことをした歴史上の人物は2通りいるそうです。まず、鄭(てい)の子産、斉(せい)の晏嬰(あんえい)、蜀の諸葛亮孔明のように己は身を慎み、国を富ませることに成功した組、もう一方は斉の太公望呂尚(たいこうぼうりょしょう)と管仲(かんちゅう)、秦の呂不韋(りょふい)のように自身も大いに富を得た組。さあ、あなたなら、どういうリーダーを選びますか?今はやはり後者ですよね。候補者はいろいろいますよね。一部の富者をさらに富ませることに執着するリーダーよりも国民一人一人を大事に考えられる人を探しましょう。

いいなと思ったら応援しよう!