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上司から「で?」と言われた経験のある方へ〜問題解決の全体観/中川邦夫

対象読者
・論理的思考、ロジカルシンキングに少し苦手意識を持っていたり、使い方がいまいち腑に落ちていない中堅〜若手社員
・上司に何か報告した際に「で?」と聞かれる人
・部下に論理的思考を指導したい方

ペライチ読書の本山さんが激推ししていたこともあり、手に取ってみた一冊。
というのも、これまで問題解決・課題解決といった類のタイトルの本は何冊か手に取り、MECEなりロジックツリーなりといった言葉は理解してたものの、実際の仕事でどうやって使うか、しゃぶり尽くすかという視点での落とし込みができていなかったから。

類書には、例えばダイエットをターゲットとし
「ダイエットをするには、摂取カロリーをへらす、もしくは運動量を増やすのいずれかに分解され、摂取カロリーを減らす策としては・・・・」
といった解説がよくなされています。
確かにそういった説明は理路整然として、その通りだなと思います。
特に疑問も湧かない。
でも、読了して実際の業務と対峙した時にどうやって活用したら良いかわからない」といったような状況。

で、本書を手に取ってみたのですが、”当たり”でした。
文章が端的でボリュームとしては一般的なビジネス書より薄いですが、中身が濃密というか、余計な情報が徹底的に削ぎ落とされてます。それでいて、説明がわかりやすく、実際にどう使うか、フレームワークとやらをどう実務で活用するのかまでが落とし込まれていて「そういうことか!」となりました。
30台も後半を迎え、今更感もありますが・・・少し目の前の霧が晴れたというか、モヤモヤが解消された感じです。

それだけ濃密な1冊なので、紹介したい内容はたくさんあるのですが、全部紹介しているととんでもない量になりそうなので、本書の一部から得た気づきを紹介。


上司への報連相の際に「で?」と言われないために

これ、自分も若い頃結構やらかしてました。
実験をしたら結果が出た、解析をしたらある結果が得られた、測定をしたらこうだった・・・・仕事をしていると、いろんな「結果(事実)」に触れます。
仕事とは何か?を広く捉えた時、”それらの事実から解釈をし、何かしらにアクションを取ること”とも言い換えられると思います。
要するに仕事は大なり小なり、

1 状況把握
2 解釈
3 行動

の3ステップ(空・雨・傘)からなるわけです。
となると、会社内のポジションに関わらず、常にこの3点を意識して仕事をせねばならないわけですね。

1 機械が壊れた
2 原因はAと考えられる
3 だから、修理屋さんを読んで対応する

といった感じ。
当たり前のように感じられるかと思いますが、ちょっと複雑な仕事となると、特に慣れないうちは「2・3」を忘れてしまいがち。または、解釈(理解)ができずに判断、行動を全て上司に丸投げする”伝書鳩”になってしまいがち。

・現場でトラブルがありました。
・検査結果が不合格でした。

速報としては良いでしょうが、これは1〜3のサイクルの1のみをしていて、2・3を考えていない状況とも言えます。
だからこそ、1のみを報告されてもそれは事実を伝達したのみであって、上司として欲しいのは、それをどう解釈して(2)どう行動するつもり・予定なのか(3)ということ。で、そこまで報告してくれれば、それでGOサインを出すのか、それとも解釈もしくは取るべき行動が間違っているので訂正するのか、という対応が取れるわけです。
つまり、上司の「で?」は多くの場合、
”事実は分かったけど、それをどう考えて、どう行動する(つもりな)の?”
というセリフであるとも言い換えられるわけです。

というわけで、シンプルに

・常に空雨傘の3点セットを意識

してみましょう。
それだけで、上司からの「で?」は激減するはずです。


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