自分の幸せの再定義から始めよう〜ミレ二アル・スタートアップ/裙本理人
セルソースという会社を立ち上げた裙本理人さんという方の1冊。
自分は、著者が同年代ということもあり非常に興味深く読ませてもらいました。
タイトルだけみると、スタートアップに関する本と認識するかと。
しかし、内容としては起業に関わらず、「生き方全般」に関する裙本理論が繰り広げられていました。
ちなみに著者はpodcast配信もスタートしていて、彼の考え方や行動様式が彼自身の言葉で語られているので、興味のある方は是非。
podcastを聴き、本も読んでみた感じだと重複する部分多いので(逆に言えば、軸が通っているということ)、いきなりお金払って本を購入するのは・・・という方は、まずpodcastを聴いてみることをお勧めします。
何よりも優先すべきは自分の幸せの再定義
タイトルからすると「?」という感じですが、上述のとおり本書は起業の本ではなく、人生一般に関する裙本理論が語られている本。
そんな中、本書でも冒頭かつ繰り返し述べられているのが、自分の幸せは何かを明確化せよ、というメッセージです。
さて、みなさんは「あなたにとって幸せってなんですか」と聞かれて即答できますでしょうか?
多分、(自分も含め)多くの方は、パーツパーツでの「自分が幸せを感じる体験・瞬間」などの切り出しはできたとしても、それらの共通項の分析まではできていないのではないかと。
これはある程度仕方のないこと。
なぜなら、特に今の日本のシステムだとそんなこと考えることなく、そこそこ満足できるであろう生活が送れるから。
義務教育で中学に入学でき、学力相応の高校・大学に進学する。
就活期になれば、インスタントな自己分析をし、それっぽい立派なエントリーシートを準備してどこかの起業に入社する。
で、その会社が潰れなければ、一定程度の給料は支払われ、贅沢するしないは別として、人並みの生活ができる。
ばらつきはあるでしょうが、自分を含む半数以上の人がこんな流れで社会人になっているのではないでしょうか?
それに対し、裙本さんは時間をとって徹底的に自分と向き合って幸せを定義し、それを満たすような、満たせるような人生とせよとときます。
タイトルからすると仕事論のようにも聞こえますが、本書の中でも、「仕事は自分の幸せを実現するための手段」と言い切っています。
もちろん、自分の人生を仕事に全振りすることが幸せなんだ!という方もいるかもしれません。でも、それは流れでそうなったのではなく、幸せの定義の上で選択したものでないと、本当の幸福は得られないということですね。
一番大事だけど、意外と抜けている人が多いのがこの点かもしれません。
自分も本書にあるワークや別の本などを使って、30歳になってから(遅い)改めて自分を見つめ直しています。
2冊目の八木さんの本なんかは、kindle unlimitedでも読めますし、サブスクしてる方は是非ご一読ください。
基本となる考え方を持とう
学生時代、優柔不断であることに多少コンプレックスがありました。
お店にいって悩む、飲食店に行ってもメニューを見て悩む・・・。
いつからか、こういう時はこうする、みたいなルールが自分の中でできてきました。
・洋服を買う場合はこの色にする
・飲食店ではこのメニューを注文する 等々
人生には偶発的な出会いが予期せぬ幸運をもたらしてくれることもあるので、逡巡して決定することを否定はしませんが、脳の決定に対するリソースの無駄遣いを減らしたり、時間を有効に使うためにはある程度、ルール化・明文化しておくと楽です。
自分の卑近な例とはことなり、著者の裙本さんはもっと立派な考え方を提示してくれています。
1 幸せを定義する
2 全ては自分の責任である
3 適切な反省と最速のリスタート
4 社会全体の幸福を考える
文字化するとなんてことのないことのように思えてしまいますが、徹底するのは結構難しいことばかり。
例えば2番。
本書では、電車に遅れるケースが紹介されていました。
みなさん、電車が遅延したせいで集合時間に間に合わなかった場合、そのことをどう考えますか?
・電車が遅れてしまったから仕方ない
多分、大多数の方はこう思うのではないでしょうか?
けど、裙本さんはそうではなく、では自分では何ができたか?というところに焦点を当てるべきとときます。
・事前に天気予報を見るなりで遅延を予測できなかったのか
・もっと余裕を持って移動すべきでは
等々。
他責にするのは簡単ですし、精神衛生上も楽でしょう。
でも、主体的に人生をコントロールしてる感覚を持つことが自分の幸せにつながるのであれば、大局的には後者の考え方を採用すべき、ということですね。
なんか、自分とさほど歳が変わらないのにこれだけの経験を積み、立派な人生を歩んでいるのを見ると、自分も襟をたださなきゃなぁという感じです。
自己啓発書にカテゴライズされるような気もしますが、30〜40代で人生を見つめ直したい人におすすめの1冊です。