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投資家目線で世の中を観察してみよう〜そろそろ投資をはじめたい。/渡部清二
ネットサーフィンをしていたら、変な人見つけましたw
会社四季報を100冊以上読破しているという渡部さんという方。
野村證券に勤務経験があり、今は複眼経済塾の代表取締役・塾長をなされています。
今回読んだのは、そんな経歴をお持ちの著者の投資に関する考え方〜四季報の読み方までを初心者向けに平易な言葉で解説してくれているこの一冊。
自分は、投資をし始めてから10年近く経過しています。
ただ、それほど真剣に投資の勉強をしたことはなく、買って放置・・・という状態でした。
これから投資を始める人、最近のNISAのニュースなどを見聞きしてなんとなく講座を開いて株式投資を始めたけどどうしていったらよいかわからない人には良い指針になるであろう一冊でした。
お金の置き場所を変えているだけ
自分くらいの世代(40代〜)は、親世代から貯金が大事、無駄遣いするなということを口すっぱくいわれて育ってきた方が少なくないかと。
過去を思い返すと、もらったお年玉は自動的に?通帳に入金されるというフローが知らぬ間に成立していました・・・w
そういった小さい頃からの刷り込みや、投資で損した人の話などで、なんとなく資産を運用することに抵抗感を持ちがち。
でも、改めて考えてみると、貯金(預金)していること自体もある種のリスクです。
最近の物価高の高騰や新入社員の給与のアップの話を聞くに、自分たちが新入社員の時代にもらっていた1万円と今の1万円、数値としては同じですが価値は目減りしているのは多くの人が感じているところかと思います。
専門的にはインフレリスク、というそうですが、利子が望めない郵便や銀行への預貯金は、お金が減らないという安心感はえられるものの、インフレ下では価値が低減しているとも言い換えることができると思います。
確かに、投資をすれば種銭が減る可能性もゼロではありません。
しかし、分散投資やインデックス投資をすれば「投資をしたらすっからかんになった」というリスクは現実的にありえないと言っていいレベルですし、むしろ、世界的な経済成長や歴史を振り返ってみても、適切に分散投資すれば増える可能性の方が高い、とも言えそうです。
ちなみに、上述のように自分は全くの不勉強の状態から、株主優待がおすすめらしいというテキトーな理由でイオン株を購入したのが初めての投資経験。
いま、イオン株や当時の3倍近い値段になっています。
無理して投資すべき、というつもりは毛頭ありませんが、
・持っているだけで相対的に価値が低減しうること
・もしかしたら、増える可能性もあること
・投資してもゼロ円になってしまう可能性はほぼゼロなこと
と言った特徴を総合的に勘案し、持ち金の分配先を考えるべきかと思います。
投資の視点で世の中をみてみよう
本書で面白いのは、個別株投資を推奨していること、株価のチェックは年4回程度でよいといっている2点かと。
インデックス投資や投資信託で分散投資が王道と言われる投資界、すこし珍しい主張かと思います。
で、その個別株を探すときに推奨しているのが、四季報を本書に記載の切り口で観察することに加え、日常の観察に「投資家」の視点を持ち込むことです。
1 東南アジアでヘルメットを被らず原チャリを運転する人々の写真
2 ディズニーランドに人がゴッタがえしてる写真
例えば、1の写真を見たときに、通常
・東南アジアは人が多いなー
とか
・ヘルメット被らないで危ないな、日本と制度が違うなー
という感想を持つかと思います。
著者は、ここに投資家視点を持ち込んで観察せよ、と解きます。
ヘルメットの着用が義務付けられたら大きなマーケットになる!
ということですね。
同じような視点でインドの人口が世界一になったニュースを踏まえて、文房具のパイロットの株価上昇の可能性を指摘していました。
たしかに、観察の結果として感想が出るのは良いとして、何かしら経済につながるインサイトが得られると、それはそれで日常の観察が少し楽しくなりそう。
本書では、これ以外にも具体的に四季報をどうやって読んだらよいか、といったことも初学者にわかるよう、平易な言葉で解説してくれています。
もっと早く読みたかった一冊。
おすすめ!