三国志ファンならハマること必須の漫画〜日本三國/松本いっか
以前、どんぐりfmで鳴海さんが絶賛していて、勢いでポチった一冊。
それほど大きな期待もせずに読み始めるも、のめり込んでしまい・・・短期間で2周読んだものの、しばらく作品の素晴らしさをうまく言語化できずにいました。
今も”すごいものを読んでしまった”という高揚感の方が先走り、落ち着いて言葉にしきれてはいないものの、この熱を忘れないうちに投稿しておきたいと思います。
三国志ファンならハマること間違いなし
タイトルからして類似点が見出せる三國という感じ。
めちゃくちゃざっくり言ってしまうと、日本版の「三国志」といったストーリー。
(以下、すこしネタバレあり)
アマゾンの第1巻の紹介文はこんな感じ↓
コロナに類似した感染病の拡大、大規模な災害の多発により、日本は大幅に人口が減少。文明が崩壊し、日本が3つの領土(大和、武鳳、聖夷)に分割されたところから話は始まります。
主人公は三角青輝という大和の青年。
彼は両親を亡くし、図書館長を勤める義理の父にであい、大量の本を読んで幼少期を過ごします。
成長し、図書館長の娘と結婚を果たすのですが、その娘が政府の役員に楯突いて懲罰的に殺されてしまいます。
青輝は妻と約束した日本の統一を果たすべく立ち上がります。
立ち上がったからといって、金も力もコネもない青輝。
まずは大和の有名将軍の「龍門」に登用してもらう試験に挑み、信じられない方法で合格を果たします。その後、ちゃくちゃくとその頭脳を活かし、軍師としての才能を開花していきます。
青輝=諸葛亮孔明という構図
作者がどこまで意図しているかわかりませんが、横山光輝の三国志を擦り切れるくらい読み込んだ自分としては、青輝が孔明に被ってしかたありませんw
本人は武力を持ち合わせてないけどその頭脳で成り上がっていくところ
反対派も巧みな演説で説き伏せる力
確実に結果を積み重ね周いの信頼を勝ち取る姿
青輝はなにもバックグラウンドがないため「三顧の礼」で迎られたり、桃園の誓いで義兄弟ができたり(似たような存在は出てきますが)はありませんが、同じ孔明も青輝も同じ軍師として、共通する部分が多くあるなという印象です。
読んでる途中からそんなことを考えていたら、巻末の参考文献にしっかり
・正史 三国志
・後漢書
と記載がありました。
他に、敵の策略を看破したりするときに作中、孫子の計略に例えられるシーンが複数出てきますが、こちらについても巻末に
・孫子
・老子
が載ってました。
作者の松本さんは1994年生まれで20代後半。
どんなキャリアを歩まれてきたのはわかりませんが、作中の言葉遣い、地理・歴史への明るさから、大物感が漂います・・。wikipediaで調べる前は、てっきり5〜60歳代と想像してしまってました。
話は大和と聖夷との争いがひと段落するところまでで止まっており(4巻)、今後も続編があるとか。楽しみです。
国取り合戦に惹かれる理由
三国志だけじゃなく、”領地を取り合う物語”という括りとすると、信長の野望だったり、項羽と劉邦だったり、最近だとキングダムだったり。
枚挙にいとまがないくらい作品が出ています。
こういったストーリーに心惹かれる理由ってなんなのでしょうね?
個人的見解ですが、生か死かというのを日々意識せざるを得ないある意味極限の環境下だからこそ、人間の本質が試され、尖った人がたくさん出てくるところも要素として大きいのではないかと思います。
1つの選択を誤ったら死ぬ、という状況にあるとすれば、1国としても全力を傾けざるを得ず、いきおい、本当に実力を伴った人たちが活躍する場ができる。(もちろん、そうでないケースもありますが)
本書でいうと龍門だったり、賀来や青輝だったり。
三国志でいうと、孔明や曹操、司馬懿仲達だったり。
フィクション要素もあることはわかりつつも、人間の大きな可能性というか底知れぬ能力に驚きを隠せません。
続編が今月刊行だそうなので、楽しみに待ちたいと思います。
最後に印象的なフレーズを紹介して終わりにしたいと思います。
与えられた生を全うするために、できることはなんでしょうか。
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