好きなことで死なないクリエイターの広報戦略①
「嫌い」「いらない」「興味ない」
人間は誰しも否定的な言葉を投げかけられて、気持ちの良いものではありません。
しかし、何かを作ったり発表したりしていると、自ずとそういった意見に触れるようになるタイミングが出てきます。
「私は嫌い」
「別にいらない」
「特に興味ない」
そうです。死にそうになりますね。せっかく頑張って作ったのに認めてもらえないというのは、自分自身をも否定されているように感じてしまうことも多いでしょう。
ですが、ちょっと踏み止まっていただきたい。
実はこれらの言葉の頭には、全部次のような言葉が隠れています。
「(知ってるけど)私は嫌い」
「(知ってるけど)別にいらない」
「(知ってるけど)特に興味ない」
なんということでしょう。あなたの作品は、誰かに知られるものになっていました。
つまりこの段階では、あなたは死なないクリエイターであるも同然なのです。
ですがこれはあくまで本当に最初の壁を超えただけ。このままではいけません。すぐに人々は興味を失い、生き延びる道は途絶えてしまいます。
この時考えるべきは、なぜこのような評価をされてしまうのかということ。
作ったものがそもそも悪かったのでしょうか? 申し訳ありませんが、その場合は頑張ってより良いものを作ってもらう他ありません。
ですが、それ以外の可能性も考えられます。
それは、あなたの作品の事が好きな人に届いていないだけかもしれない、という事です。
「届けたい所に届ける」ということ
まず最初に、自分が作ったものを多くの人に認知してもらう、ということが最初の壁であるということは皆さんも理解していただけていることかと思います。
さらに認知してもらうということは、あなたがクリエイターとしての活動を継続していくにあたって最大級のモチベーションにもなる、とても大きな指標でもあります。
ですが、この「認知してもらう」という形にもいくつかの性質があります。クリエイターが求める「ユーザーからの感触」とも言えるものです。
この性質は、主に以下のように分類されます。
・拡散的認知……無差別的に多くの人へと知れ渡る状態。
・深化的認知……特定の層から強い愛着を持たれる状態。
・便益的認知……利益的な魅力を感じられている状態。
平たくいうと「浅く広く」「深く狭く」「臨機応変」といった所です。
ここで、クリエイターが求める認知の性質と、実際にユーザーが返してくれる認知の性質は必ずしも一致するものではありません。
『色んな人に見てもらいたい! でも、一部の人達から熱烈に支持されるけど全くフォロワーが増えない……』
『誰かに「好き」と言われたい! でも、viewが増えるだけでコメントはZERO……』
『頑張って作ったから買ってもらいたい! でも、話題に上がる数に比べて売り上げは伸びてない……』
こういった不一致が発生すると「なんか違う」「ありがたいことなんだけど、なんか、うーん……」という言葉にし辛い違和感を覚えたりします。
そこで考えるべきことは、
「あなたの作品をどのように知ってもらいたいのか?」
ということです。
「不特定多数の人に知ってもらいたい」のでしょうか?
「誰かに深く気に入ってもらいたい」のでしょうか?
「良いものだと認めて買ってもらいたい」のでしょうか?
この目的によって、アプローチの方法は変わってきます。
もちろん、全てを満たすことが理想的なのですが、ここは優先順位の問題です。あなたがクリエイターとして活動を続けていく為にも、自分にとって何が重要なことなのか。まずはそこを見つめ直してみましょう。
死なない為のアプローチの違い
自分の作品を宣伝するにあたり、あなたが求める認知の種類によってどのように宣伝するのかのアプローチは変わってきます。
・拡散的認知→広告
・深化的認知→PR
・便益的認知→マーケティング
ざっくりとこのように覚えておけば大丈夫です。
大事なことは、この「広告」「PR」「マーケティング」というものがそれぞれ別物であるということです。これらを同一視してしまうと、自分が何をしたらいいのかという目的を見失ってしまいます。
別物だと認識した上で、バランスよく行っていく事によりそれぞれの効果を最大限に発揮することができますが、
ぶっちゃけやることが多すぎてパンクします。
それこそ、企業などの大規模な組織がそれぞれを部門分けして考える必要があるほど、どれも奥深く難しい分野なのです。
ですが、安心してください。
どれか一つでもうまくやれば死なない程度には届きます。
器用貧乏になるよりも、どれかに特化して注力した方が個人としての特徴にもなり得る為、業界で生き残る為に必須な「差別化」にも繋がります。
あなたが死なないクリエイターになるために、
「宣伝が上手いクリエイター」
「PRやコアなファンを作るのが上手いクリエイター」
「魅力的な作品(商品)を作るのが上手いクリエイター」
これらのいずれかを目指していただけたらと思います。
最低限の事をちゃんとやれば死なずにすむでしょう。
なぜなら、その時あなたは「認知されるクリエイター」になっているの ですから。
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