運動が人生の幸福に与える効果①:「スタンフォード式人生を変える運動の科学」 から
本日は、「運動が人生の幸福に与える効果」をテーマにお話しします。この記事のもとにしている書籍が、スタンフォード大学のケリー・マクゴニガル教授の著書「スタンフォード式人生を変える運動の科学」です。運動がもたらす効果について、ふんだんな研究結果・事例をもとにまとめられています。(筆者は、紙の書籍とKindleの2冊を購入しました...)
筆者が最も驚いたポイントは、運動の実施によってコミュニケーションが強化されるということが、研究結果として示されているところでした。今回はこのポイントを主に見ていきましょう。
そしておそらく、私があらためてなによりも実感したのは、人間の幸福感はコミュニティで深まることだ。社会的な生き物として進化してきた人間は、生きていくために互いを必要とする。人類の誕生以来、体を動かすことは(中略)人間同士がつながり、協力し、ともに祝うために役立ってきた。こんにちでも、体を動かすことは私たちを結びつけ、人間はどれほど互いを必要とするかを思い出させてくれる。
キツめの運動がもたらす「ランナーズハイ」の正体
高強度の運動をすることで高揚感を感じる「ランナーズハイ」は、知っている方も多いと思います。元々は脳内物質の「エンドルフィン」によってハイが生じると考えられていましたが、アリゾナ大学のデイヴィッド・ライクレンが行った研究によって、「内因性カンナビノイド」という別の脳内化学物質が関与していることが示されました。
30分間のウォーキングをした場合、効果は表れなかった。全速力で走った場合も、効果はなかった。ところがジョギングの場合、参加者の内因性カンナビノイドの血中濃度は3倍も上昇した。それだけでなく、参加者たちはハイな気分になったと報告した。
内因性カンナビノイドは、ジョギングに限らず、サイクリングやトレッドミル、ハイキングをした場合などでも血中濃度が上昇することが分かっています。運動で高揚感を感じる目安として、自分にとって「ややきつい運動」を20分続ける必要があるとのことです。
運動で生じる脳内麻薬がコミュニケーションを促進する
高強度の運動で分泌される「内因性カンナビノイド」は、個人の高揚感を生じさせるだけでなく、他者との交流を促進する作用も持つことが研究で示されています。
内因性カンナビノイドの作用に関する2017年のレビューでは、気分を高揚させる効果の高い3つの要因が明らかになった。すなわち、大麻中毒、運動、社会的つながりだ。(中略)内因性カンナビノイドには、不安が和らぎ、明るい気分になるだけでなく、人とのつながりを感じやすくなる効果がある。
さらに興味深いことに、「協力し合った相手の顔」を見ると、脳の報酬系が活性化することも分かっています。マクゴニガル教授は、これがジムのグループレッスンで大きな喜びを感じる理由の一つだと考察しています。
別の観点の研究では、運動が社会貢献的な意欲に影響を及ぼすことが示唆されています。ローマ・ラ・サピエンツァ大学の研究によると、事前に30分の運動を行った実験参加者は、そうでない者に比べ、経済ゲームでの献金額が大きいことが分かりました(共有資金を積み立てるために、参加者が献金額を選択するゲーム)。
社会事業とランニングを組み合わせた「グッドジム」というボランティアグループがあります(書籍内でも紹介されています)。これは、とても理にかなった活動かもしれません。
ジム友マッチング 『ジムレル』 で、ワークアウトハイをシェアする仲間を見つけよう
「スタンフォード式人生を変える運動の科学」には、まだまだ盛りだくさんの内容がありますが、今回はこのあたりで終わります。次回を楽しみにお待ち下さい。次回は、運動と音楽の関係、自然の中で運動することの効果(グリーンエクササイズ)についてお話します。待ちきれない方は、下記から注文できます。笑
そして、株式会社Pit-Stepでは、ジム友を簡単に見つけられるアプリ『ジムレル』を開発しています。この機会に、「ランナーズハイ」ならぬ「ワークアウトハイ」をシェアできる仲間を見つけてみませんか?事前登録は以下のサイトからお願いします!
株式会社Pit-Step 御前