見出し画像

闇夜の金属バット【ドジママの子育ては、なぜか東大につながっていた】


カツ、カツ、カツ…

ハイヒールのカカトが、硬いアスファルト
に打ちつけられる鈍い金属音だけが

夜の静寂を切り裂くように
打ち響く。


今日は、いや…

今日も

仕事で疲れ切った身体を
ひきずるようにして

家路を急ぐ。


角を曲がれば、もうすぐ家だ。



早く、早く…。
家に帰りたい。



そして
角を曲がると…。




目に飛び込んできたのは…


暗闇の中、

金属バットを、振り回す


若い男の姿だった…!!!



んひゃああっっっ!!!


息を呑んで

後ずさると、ハイヒールが
アスファルトに、ぐさっとめり込んだ。




ぶん…!
ぶん…!


金属バットが、空を切る
乾いた音。



目をこらして
よく、見ると…


金属バットを振り回す
若い男、
は…



長男、だった。。。




あんたね…。



金属バットがまた
宙を切ろうとしていた
その時。

筋肉で堅く引き締まった野太い腕を

母は、ジャケットから出た手首で
ぐいっと掴んで

止めさせた。



こんな夜遅くに
路上で金属バットを
振り回していたら…!

凶器を振り回している
不審な人間がいるって

通行人に
恐怖を与えるでしょ!!!


実際、母親の私までが
怖いと思ったんだから。



ほんっとに

バカな子だねえ。



バカな子ほど、可愛いとは
言うけれど。



野球部なのに、監督から

「お前は、野球以外は何でも
 できるんだけどな~」


全く褒め言葉にならないどころか
崖から突き落とされる言葉を
かけ続けられる、息子よ。


野球部で芽が出ない息子は
息子なりに


どうやったら、ヒットを打てるのか
考えながら…


ぶん、ぶん…!と

素振りの練習をしていたのだ。。。



「素振りの練習をしたいのは、分かる。
 でも、人に迷惑をかけちゃダメだわ」


「じゃあ、素振りの練習って
 どこですればいいのかなぁ?」


悩む、男子高校生。

昨今の住宅事情では
永遠の課題かもしれない。



「庭か、カーポートで、
 通行人がいない時にするなら
 いいんじゃないの?

 でも人が来たら、止めなさい」


そのくらいのアドバイスが、精々だ。

息子が、変質者として通報されるのは
何としても、阻止しないと!!



いつになっても、子育ては
油断もスキもあったもんじゃない…!



☆大学受験の共通テストでは…
 ちょっとしたTipsは、こちらから↓





いいなと思ったら応援しよう!

真夏 純 Jun Manatsu
子育てのヒントになるようなことや読んでホッと安らいでいただける記事で、世の中のパパママお爺ちゃんお婆ちゃん👨‍👩‍👧‍👦を応援したい📣と思っています! ありがとうございます。

この記事が参加している募集