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外出自粛でも旅の気分

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旅の想い出をモニターに読む、それで少し気持ちが軽やかになる、旅の気分を持てたらと思います。 新型コロナウイルス、武漢肺炎の蔓延で三密回避・外出自粛が続きます。家に居続けるって、そ…
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#stayhome

朝熊山から伊勢湾《32》外出自粛でも旅の気分

伊勢の朝熊山(あさまやま)には山頂付近に金剛證寺という寺院がある。伊勢神宮の鬼門を守る寺として古くから信仰されてきたというのだ。そんなことをまったく知らず、伊勢神宮へのお参りの旅を企画していた。一度は行ってみたいところとして伊勢神宮はいつも気にかかっていたが、やっと2018年に実現の運びになった。旅の行程や周遊地点を調べていたときに、この朝熊山のことを知ったのだった。 そのなかで「伊勢へ参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」という言葉が目に飛び込んできた。伊勢神宮の奥之院

京都祇園切り通し《31》外出自粛でも旅の気分

ホテルのコンシェルジュで予約してもらった和食屋は祇園白川べりにありました。大通りから引っ込んだこの辺りは二階建てくらいの和建築がならび、街並みも整っていて落ち着いています。ゆっくりと夕食をしたあと、店の二階席から見えた白川の岸辺を歩きながら帰ろうと、少し遠回りに歩いていると白川の方へ抜ける小路に気づきました。石畳の路面、木の茶色い壁板、少し曲面をもつ竹の犬矢来、なかなか風情のある絵になる光景です。 スルスルと引込まれて歩いてゆくと、ここは「切り通し」という名の小路だそうです

国鉄標津線奥行臼駅跡《30》外出自粛でも旅の気分

北海道野付郡別海町は住民より牛の数の方が多いといわれる広大な町。摩周湖南の弟子屈から別海町に入り、緩やかに波打つ牧草地や林を見ながらドライブをしたのは2016年。お天気も好く、広々とした風景を見て気分も爽快。ランチののち、進路を南に向け、国道243号線を走ってここまで来ました。別海町の南東部で、視界には森が多くなってきています。奥行で国道を離れ、道道930号線に入って、さらに左折した短い道の行き止まりに、奥行臼(おくゆきうす)駅の跡がありました。 木造の小さな駅舎の向こうに

香港中心街の印刷屋《25》外出自粛でも旅の気分

香港は中心街のセントラル(中環/Central)の光景です。通りに面したビル壁面にある印刷屋さんです。初めてこれを目にしたときはギョッとして立ち止まってしまいました。働く人の前はビル内部の階段の裏側でしょう。この店の奥行きはこの階段幅プラスビルの壁の厚さ。その壁厚の部分に紙の束が積んであります。仕上がった印刷物でしょうか。歩道から数段のステップ上がって作業場の床。右には閉店時に開口部をふさぐのであろう板戸が紐で結んであります。 上には「有恒印務」と堂々とした書体で屋号が記し

サバ州コタキナバル《24》外出自粛でも旅の気分

南洋のビーチリゾートです。えっ、普段旅先は都市が多い私だってたまにはリゾートに行くこともあるのです。ボルネオ島北部のマレーシア領サバ州の州都です。北緯6度弱、ほぼ赤道直下。 州都といっても大都市ではなく、慎ましやかな市街地と空港があるここは大型リゾートホテルがいくつかあります。ロビーには熱帯の外気が風となってそのまま流れ、エアコン環境と違う心地よさ。ホテルの庭は海に面していて、西に向く地形のためきれいな夕空が眺められます。もちろん空は万人に開かれて、市街地の港や市場、小さな

春国岱、根室《23》外出自粛でも旅の気分

北海道東部の根釧台地を東に進んでゆくと、それまで近くを並んで走ってきた国道44号線と根室本線が厚床で別れる。鉄道は南に進み太平洋側を根室に向かう。国道はというと、そのまま東を目指して進む。そして根室半島のつけ根の北側で根室湾に出会う。そこは低湿地で、左に風蓮湖、右に温根沼があって陸地部分が僅か。双方とも汽水湖、つまり海水と淡水が入り混じる水辺なのだ。まるで根室半島がちぎれて島になるギリギリのところでつながっているようだ。 何年も前に花咲線と呼ばれる根室本線の厚床で下車し、駅

北海道コムケ湖《01》外出自粛でも旅の気分

北海道のオホーツク海近くにあるコムケ湖。湧別と紋別の間くらいにあります。このシーンの背後(つまり撮っている私の背中側)はすぐオホーツク海です。手前の地面は砂州に近い状態で2019年9月にまだ花々が咲いていました。 湖だけ、あとは何にもないところですが、行ってみると湖水と草原に花の咲く素敵なところでした。 1989年に廃線になった名寄本線の沼ノ上駅が最寄りといえば最寄り駅です。名寄本線はこの辺りでは国道238号線に沿っていたようです。 #いま自分にできること #コムケ湖 #沼