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【創作】スイス鉄道唱歌🇨🇭
スイスの鉄道旅からインスピレーションを受けて作詞した『瑞州鉄道唱歌 IC1版』を紹介する。この歌詞はスイスのIC1路線に沿って、ジュネーヴからサンクトガレンまでの15駅を巡る旅をテーマにしている。各駅の歴史や風景、文化を大和言葉で表現し、瑞州の魅力を日本的な視点から描き出した。
IC1路線の紹介
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IC1(インターシティ1)路線は、スイス国内を東西に貫く主要な鉄道路線のひとつである。この路線は、ジュネーヴからサンクトガレンまでの距離を約3時間半で結び、主要都市をつなぐライフラインとして機能している。
ジュネーヴ(Geneva):スイス西部の国際都市で、国連欧州本部や赤十字国際委員会の拠点がある平和の都。
ローザンヌ(Lausanne):オリンピック委員会本部が位置する文化とスポーツの街。
ベルン(Bern):スイスの首都で、時計塔(ツィットグロッゲ)を中心とした中世の街並みが広がる。
チューリッヒ(Zürich):金融とビジネスの中心地でありながら、美術館や博物館が点在する文化都市。
サンクトガレン(St. Gallen):世界遺産に登録された修道院図書館を持つ、教育と知識の拠点。
IC1路線は、ビジネスや観光、日常生活の足として多くの人々に利用されており、車窓から眺めるアルプスの風景や湖の輝きは、スイスならではの絶景である。この路線を通じて、スイスの多様な地域文化と自然の美しさを堪能できる。
以下は停車駅の一覧である。
1.
ジュネーヴ空港駅(Genève-Aéroport)
空路と鉄道を結ぶ国際的な玄関口。ジュネーヴ駅(Genève-Cornavin)
国際都市ジュネーヴの中心駅。ルナン駅(Renens VD)
ローザンヌ近郊の小さな街。ローザンヌ駅(Lausanne)
国際オリンピック委員会(IOC)がある教育・文化の街。フリブール駅(Fribourg/Freiburg)
フランス語圏とドイツ語圏が交わる場所。ベルン駅(Bern)
スイスの首都であり、古都としての歴史を持つ街。チューリッヒ中央駅(Zürich HB)
スイス最大の都市チューリッヒの玄関口。チューリッヒ・オーリコン駅(Zürich Oerlikon)
チューリッヒ郊外の重要な交通拠点。チューリッヒ空港駅(Zürich Flughafen)
空港と鉄道の接続点で、旅人が集う国際的な駅。ヴィンタートゥール駅(Winterthur)
科学技術と文化が融合する街。ヴィル駅(Wil SG)
田園風景が広がる街。ウズヴィル駅(Uzwil)
緑豊かな静寂の村。フラヴィル駅(Flawil)
丘の上に位置し、緑に包まれた風景が特徴的な駅。ゴッサウ駅(Gossau SG)
自然と丘陵地帯に囲まれた地域。サンクトガレン駅(St. Gallen)
終点であり、修道院や図書館で知られる街。
瑞州(スイス)鉄道唱歌 IC1版 歌詞
1. 空の港(みなと)を出(い)でゆけば
ジュネーヴの街(まち)へ進(すす)み行(ゆ)く
湖(うみ)のきらめく都(みやこ)には
平和(へいわ)の灯(ひ)をたたえけり
2. ジュネーヴの街(まち)を後(あと)にして
人々(ひとびと)集(つど)う駅(えき)なれば
古(いにしえ)伝(つた)う石畳(いしだたみ)
世界(せかい)の門(かど)を開(ひら)きけり
3. ルナンの丘(おか)をゆっくりと
学問(まなび)の町(まち)へ歩(あゆ)むなり
瑞州(ずいしゅう)の知恵(ちえ)を結(むす)ぶ街(まち)
新(あらた)な夢(ゆめ)に向(む)かいてぞ
4. ローザンヌの園(その)を過(す)ぎ行(ゆ)けば
湖(みずうみ)ほとりの風(かぜ)そよぎ
文化(ぶんか)の香(かお)る都(みやこ)なり
遠嶺(えんれい)仰(あお)ぐ夢(ゆめ)の地(ち)
5. フリブールの街(まち)見(み)渡(わた)せば
言葉(ことば)二つの調和(ちょうわ)の地(ち)
塔(とう)の鐘音(かねおと)響(ひび)き渡(わた)り
歴史(れきし)の声(こえ)が語(かた)るなり
6. 都(みやこ)たるベルンに着(つ)きぬれば
時計(とけい)の塔(とう)は時(とき)告(つ)げる
静(しず)けさ深(ふか)き街道(かいどう)よ
平(たいら)かな世(よ)を守(まも)りけり
7. チューリッヒへと進(すす)み行(ゆ)く
商(あきな)い盛(さか)る街(まち)広(ひろ)がり
人(ひと)の声(こえ)も賑(にぎ)わいて
新(あたら)しき日(ひ)を迎(むか)えけり
8. オーリコン駅(えき)を越(こ)え行(ゆ)きて
街道(かいどう)広(ひろ)き人(ひと)の道(みち)
進(すす)む足音(あしおと)響(ひび)き渡(わた)り
未来(みらい)へ進(すす)む列車(れっしゃ)かな
9. 空港(くうこう)駅(えき)でひとときの
休(やす)みを取りて旅(たび)続(つづ)く
遠(とお)き国々(くにぐに)も結(むす)ばれて
瑞州(ずいしゅう)の門(かど)となりにけり
10. ヴィンタートゥールの街(まち)に着(つ)く
科学(かがく)磨(みが)かれ文化(ぶんか)深(ふか)し
学(まな)びを伝(つた)う博物館(はくぶつかん)
知恵(ちえ)の泉(いずみ)湧(わ)き続(つづ)く
11. ヴィルの町(まち)にて見(み)渡(わた)せば
田園(でんえん)広(ひろ)がる静(しず)けき地(ち)
人々(ひとびと)集(つど)い笑顔(えがお)見(み)ゆ
穏(おだ)やかなる暮(くら)し広(ひろ)がりて
12. ウズヴィルの駅(えき)を越(こ)えてゆき
村里(むらざと)静(しず)かに息(いき)づける
田畑(たはた)茂(しげ)れる景(けしき)なり
瑞州(ずいしゅう)の里(さと)と響(ひび)き合(あ)う
13. フラヴィル停(とど)まり旅(たび)続(つづ)く
丘(おか)の街(まち)には緑(みどり)薫(かお)り
風光(ふうこう)明(あき)らか瑞州(ずいしゅう)の
誇(ほこ)りを胸(むね)に進(すす)み行(ゆ)く
14. ゴッサウ着(つ)けば山影(やまかげ)の
景色(けしき)静(しず)かに広(ひろ)がりぬ
緑野(りょくや)広(ひろ)がる大地(だいち)には
未来(みらい)を拓(ひら)く力(ちから)あり
15. サンクトガレン終(つい)の地(ち)
修道院(しゅうどういん)に知恵(ちえ)深(ふか)し
学(まな)びの光(ひかり)照(て)らしつつ
瑞州(ずいしゅう)の夢(ゆめ)をここに知(し)る
歌詞に込めた思い
私がスイスに留学し、日常的に鉄道を利用する中で感じたのは、各地ごとに異なる美しい風景や、そこに息づく人々の暮らしであった。この国を象徴するような湖や山々の風景、歴史ある建築物、そして文化の多様性が、まるで一編の物語のように心に響いた。そこで、鉄道旅の情景を日本の唱歌のように歌詞にまとめたいと考えた。
大和言葉の選択—演声にもやさしさがあるこの表現で、日本の古き良き文化とスイスの静かで美しい風景を体現しようとした。
歌詞を創作する楽しさ
歌詞を書く中で特に意識したのは、風景や歴史を詩的に描写することである。現地を訪れた際の印象や、人々との交流を通じて得た感動を、ひとつひとつの言葉に込めた。
また、日本の唱歌の形式を踏襲することで、歌詞全体にリズムと親しみやすさを持たせた。この形式によって、読む人にもまるで旅をしているような感覚を味わってもらえるのではないかと思う。
まとめ
『瑞州鉄道唱歌 IC1版』は、スイスを旅する楽しさとその土地の魅力を日本的な感性で表現したものである。鉄道で巡る各地の風景が心に響いた方、スイスや旅に興味のある方に楽しんでいただければ幸いだ。
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