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谷川俊太郎さん

谷川俊太郎さんが
亡くなったと知りました。


谷川さんの詩は
合唱曲になっているものが沢山あって
歌を通して出会ってきた詩が多いです。

読むたび、歌うたびに
深いところに届くような感じがして。
難解でないことばの組み合わせが
どうしてこんなに響くんだろう、
谷川さんは一体何者なんだろう、という気持ちに。
  
  
たくさんの詩を書いて発表してくださって
ありがとうございます。
  

1番最近
歌って響いた合唱曲は

「今年」


涙があるだろう
今年も
涙ながらの歌があるだろう
固めたこぶしがあるだろう
大笑いがあるだろう今年も
あくびをするだろう
今年も
短い旅に出るだろう
そして帰ってくるだろう
農夫は野に
数学者は書斎に
眠れぬ夜があるだろう
だが愛するだろう
今年も
自分より小さなものを
自分を超えて大きなものを

くだらぬことに喜ぶだろう
今年も
ささやかな幸せがあり
それは大きな不幸を
忘れさせることはできぬだろう
けれど娘は背が伸びるだろう
そして樹も
御飯のおいしい日があるだろう
新しい靴を一足買うだろう
決心はにぶるだろう今年も
しかし去年とちがうだろうほんの少し
今年は

地平は遠く果てないだろう
宇宙へと大きなロケットはのぼり
子等は駆けてゆくだろう
今年も歓びがあるだろう
生きてゆくかぎり
いなむことのできぬ希望が
 

混声合唱とピアノのための
この星の上で
谷川俊太郎 作詩
松下耕 作曲

    
好きな箇所は沢山ありますが

最後の

「今年も歓びがあるだろう
生きてゆくかぎり
いなむことのできぬ希望が」
 
というところで
私は
いろんな気持ちの入り混じった涙が滲んできます。
  
  
亡くなっても
ことばと想いは
世界中に散らばって
生きてゆくのだろう、と思います。

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