事務所を持たず、VRで会社を建てる時代
eXp Realtyという北米の不動産会社がある。ここは出社不要な会社らしくリモートで仕事をしているらしい。これだけなら普通かなと思うのだが、この会社の面白いところは「VR空間にオフィスを構えている」ということ。
リモートで仕事をする場合、SlackやSkypeなどを使ってチャットやテレビ会議をすることはある。しかし、eXp RealtyはVR空間に社屋を建てて、アバターが会社の中で働いている。
VRオフィスの中には会議室などもあり、会議室に向かう廊下を社員同士(アバター)が話をしながら歩いている。詳細は分からないが、会議の時はオンラインミーティングで本人が話をしているのかもしれない。
この仕組みを見た時に、昔流行っていた「Second Life」を思い出した。Second LifeもアバターがVR空間で暮らしている感じだ。日本ならアメバピグのほうがイメージしやすいかもしれない。
テキストや音声だけでなく、アバターやVR建物があることで仮想現実をより体感できると思う。最近のVRと言えば高額なヘッドセットや高性能なPCが必要なイメージがあるが、eXp Realtyの場合は必要ない。
そこで思いついたのが「VR空間にオフィスを構えるのがスタンダードになれば、VRオフィスを建てる会社が必要になる」こと。現実世界で自社オフィスを持つにはお金も土地も必要だ。オフィスを建てるには設計士、工務店、法律など様々な事や人が絡まっている。
これがVRオフィスならどうだろうか?
設計は必要だが建坪率や梁のスパン、構造計算など必要はない。自由なクリエイティブなオフィスができる。そして工務店の代わりにプログラマーがオフィス空間を作っていく。さながらVR工務店だ。ドメインが住所であれば、ドメインを登記住所にして会社を設立することもできるんじゃないだろうか。エストニアではそれに似たことを既にしている。
現実世界からVR空間にオフィスを建てるのがスタンダードになれば、VR工務店(工務店だけどプログラマーの集まり)やVRインテリアデザイナー(3Dデザイナー)など、今までにない仕事が生まれてくるだろう。
現実世界とVR世界がグラデーションで重なっていく。
リアルに近いバーチャルオフィスは現代人の感性にすんなりと溶け込んでいくような気がする。スマホでID承認させれば社外のゲストだってVRオフィスに参加できるとか面白そうだ。
業務内容やスタッフレベルにもよるが、こんな新しい発想で働き方を変えていくのはとても楽しい。PCの高性能化、5Gなどの通信速度の向上、AI・VRの認知など、時代がどんどん変わって出来ることが増えていく。
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