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「リバイブ(Revive)」の公式ヴァリアントほか

はじめに

リバイブは、衰退した人類が氷の大地を溶かしながら復興していくボードゲームです。

比較的少ないルールの中に、デッキ構築、陣取り、個人ボード能力解放、種族固有能力といった、重めのボードゲーム好きにはたまらない要素が盛り込まれた傑作です。

ゲームには「キャンペーン」と呼ばれる5段階のシナリオが付属していますが、シナリオ自体にはそれほど意味はなく、どちらかというと、段階的に要素が追加されていくチュートリアルといった位置付けになっています。

かなり面白いのですが、一部、バランス調整のための公式ヴァリアントと、私見によるヴァリアントがあるので、記事としてまとめておきます。

公式ヴァリアント

このゲームには公式から以下のヴァリアントが提案されています。

上級遺物ボーナスカードの選択ヴァリアントルール

通常ルールでは、ボーナスカードを各自にランダムに配り、各自にのみ適用されるようになっています。

しかし、ボーナスカードには明らかな難易度の差異があるようで、さらには盤面の状況によってその差異が開くことが多かったため、プレイヤーから不満の声が上がっていました。

これに対して、公式から次のヴァリアントが提案されています。

「ボーナスカードを各自に配る代わりに、ランダムに1枚、場に公開します。このボーナスカードから全員が得点します。」

私もすでに何度もこのヴァリアントで遊んでいますが、初めて遊ぶ人にも説明がしやすく、不公平感もなく、インタラクションも適度に増えるため、もはやこのルール以外で遊ぶ気がしません。

最初、「それだと奪い合いが過度に起こってキツイのでは?」と思いましたが、どちらにせよ上級遺物は取り合いであり、また、常に3パターンの得点経路が示されるため、1人だけ別ルートに行く選択も可能であり、問題はないと思われます。

初回からお勧めのヴァリアントです。

マシントークンの選択ヴァリアントルール

次のルールを適用します。

「マシントークンの選択時、1枚選んで獲得した後、同色の残った2枚のなかから1枚を選んでその色の山札の一番下に裏向きで戻します。その後、その色が3枚になるように補充します。」

このルールによって、マシントークンの早取りが加速するとともに、場のトークンが停滞することもなくなります。

このルールも最初から適用した方が良いと思います。

キャンペーンで解放されるルールやキャラクター、トークンについて

ここからはBGGの様々な意見も読んだ上での私見になります。キャンペーンのネタバレも含みますので、それが嫌な人は読まないでください。

マシントークン(G)

このうち、黄色のマシントークンは、「小麦を支払って部族能力再起動」というものです。

この能力はキャラクターによっては非常にアッパーな効果をもたらします。フリーアクションとして齎される効果としては少し強すぎますし、部族能力の使用回数に上限があるキャラクターにとってはあまり意味がありません。

デザイナーはBGGのフォーラムで、「部族能力がゲーム中に5回以上起動されることは稀」と語っており、部族能力が必要以上に起動されるケースについてあまりテストしていない可能性があります。

ゲームが壊れる可能性があるため、少なくともこの黄色のマシントークンは、「ゲームが壊れても良いプレイヤー同士」以外では抜くことをお勧めします。

灰色のマシントークンは、「歯車を支払って、任意の使用済みコンテナ再使用」で、強いわけではないのですが、「同じコンテナを2回以上再使用できない」という細かいルールがあり、ルールミスを起こしやすいため、これも抜いた方が無難な気がしています。

緑色のマシントークンは、選んだカード1枚を一時的に任意の色にできるというもので、プレイの幅を拡げますが、使い方が難しい為、入れても入れなくてもどちらでも良いと思います。

モジュール(H)

これらについては、基本的に入れて問題ないと思います。

ただ、フラスコのアイコンがかなり増えるため、フラスコ参照効果が強力になりすぎる可能性はあります。

例えば「フラスコ1個につき任意の1資源」のカードがありますが、この拡張モジュールを入れると、割と簡単にフラスコが5個くらい取れます。そうすると、このカードは比較的簡単に任意の5資源を取れるカードになります。そういうアッパーな調整は苦手な人は抜いた方が良い気がしますが、この辺りは「リバイブ」の醍醐味な気もします。

追加初期人物カード(S)

ドラフトルールを使わない場合、この初期カードをどうすればいいのでしょう。公式には特に提案が見つかりませんでしたが、以下のルールで利用可能だと思います。

「初期デッキ(A〜Dのいずれかのセット)以外に、Sカードをランダムに2枚ずつ、各プレイヤーに配ります。プレイヤーは、それらのカードを初期デッキに混ぜ、その中から6枚を選び、残りはゲームから除外します」

これらのカードは強めの効果が設定されているため、ゲーム展開を加速させると思われます。そうすると、後手番が不利になる可能性があります。気になる場合は抜いてプレイしましょう。

追加人物カード

特殊な効果がついたカードが6枚追加されます。ゲームの味を変えるのに良い効果をもたらすと思いますので、慣れてきたプレイヤー同士でなら入れても良いと思いますし、ゲーム慣れしたプレイヤー同士であれば最初から入れても良いかもしれません。

追加キャラクター(ヴクントゥール🌛)

キャンペーンによって解放される2つのキャラクターはどちらも強力ですが、フォルミカのそれは「結構強い」レベルなのに対して、ヴクントゥールの🌛は、個人的には壊れていると感じます。

部族能力の「鷹を飛ばす」自体がまず強く、距離の概念を無視して鷹を飛ばし、拠点にすることができます。

つまり、他人が切り拓いた場所へさっと鷹を飛ばし、そこへ駒を置けるのです。

さらには、解放能力の「鷹に隣接するマスでのアクション1コスト減」と、「鷹を飛ばした時に着地点の地形に応じた資源が3個獲得」が、ぶっ壊れを加速しています。

これを使えば、鷹を飛ばして建物建築、鷹を飛ばして人を配置、のどちらも、資源ゼロの状態から1手番で100%実行可能です。

これは非常に楽しい無双プレイになりますが、バランスを考えるとあまり好ましいとは思えません。

個人的にはヴクントゥール🌛は抜くか、次の変更を加えて遊ぶことを提案します。

部族能力:鷹の移動力を、4+解放済みの⭐️の数までとする(最初は4、次は5…と増え、最終的に9マスまで増える)

中段右の解放能力:任意の資源1を払い、鷹の移動力を一時的に+3する。

上記の大幅な下方修正のあとでもなお、ヴクントゥール🌛は充分に強いと思います。なぜなら、このゲームにおいて「位置取り」は非常に重要な要素であり、ボード四隅の大拠点へいかに人駒を置くかというゲームであるのに対して、その難易度を大幅に下げる能力だからです。

その他

ダブル資源モジュールについて

資源1個が死活問題となるこのゲームにおいて、ダブル資源モジュールは明らかに強いです。BGGでもこの点を指摘している人がいました。ただ、「取れた人が勝つ」とまではいかない気がして、 プレイスキルの差を埋める良い運要素ではないかと感じています。

どうしてもバランスが気になる人は、ダブル資源モジュールをスロットに差した時の即時ボーナスが貰えない、とすると多少改善するかもしれません。

キャラクターの能力差について

BGGでは、様々な人々が「キャラクター○○は強すぎる」という意見を述べており、それはほぼ全てのキャラクターについて言われているようです。

つまり、あるキャラクターが強いわけではなく、いずれかのキャラクターが強い状況が生まれる事があるのがこのゲームの特徴だという事なのでしょう(但し、それでもなお、ヴクントゥールの強さを指摘する人は多いです)。

完全なバランスが取れている非対象能力ゲームはあり得ないわけですが、個人的には、このゲームにおける各キャラクターの能力は割とバランスが取れていると感じています(ヴクントゥール🌛を除いて)。

ただ、Ox49☀️はちょい弱い…というか、初回プレイでこのキャラを活用する立ち回りは難しいかな…。初回プレイ時にこの子をえらぶプレイヤーは、可哀想と言わざるを得ません💦

Ox49☀️をプレイする場合は、小麦モジュールを確保し、せめて部族能力の小麦2点は必ず取るようにしてください。また、切り開くのがメインになるため、早めに中段右の能力で人のいない土地を切り開き、人の邪魔をされない場所へ向かいましょう。

また、Ox49の能力で、人の建物の近くの土地を勝手に開拓し、望ましく無い配置で置いてしまうプレイがなかなか嫌らしいです。


以上、色々と書きましたが、「リバイブ」は本当に面白いゲームです。

ぶっちゃけ、「ヴクントゥール🌛」だけ抜けば、後は大した話では無いので通常ルール通り遊べば良いと思います。

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