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ナパ バレーを概略すると

ナパ バレーの話をするわけですが、まずアメリカ全体を見てみましょう。急がば回れと言いますね、あれです。まずは大きくアメリカ合衆国の地図です。

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カリフォルニアは北アメリカ大陸の太平洋岸ですね。同じ緯度に日本を表示していますが、カリフォルニアの北限が札幌、南限のサンディエゴが長崎と同じくらいです。そしてサンフランシスコは仙台あたりです。カリフォルニアの北にはオレゴン州、さらにワシントン州(ホワイトハウスがあるワシントン D.C. とは違いますよ)。

さてそのアメリカ合衆国のワイン産業に注目してみると(データが少し古いですが)、これ。

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太平洋岸3州にはワイナリーが多いということが分かりますね。それから(時差2時間ほど東の)テキサス州、さらに東海岸のニューヨーク州(時差3時間、ニューヨークと言えばマンハッタンと思っていませんか?違いますよ、実はその北西に広大な農業地帯があるのです)。濃淡の差はありますが、全土にわたってワイナリーが拡散していることが分かります。 2016年にはアメリカの全ワイナリー数が 9,436軒でした。

カリフォルニア州(4,054)
ワシントン州(718)
オレゴン州(689)
ニューヨーク州(367)
カリフォルニアは 43%を占めています。(ここらの数字はよく変わりますから、「おおよそ」と考えてください。)それでもカリフォルニア州は合衆国全体と比較した場合、人口では 10%、面積では4%です。そこに全ワイナリーの 40%以上が集まっているというのですから、これは驚きですね。

そのカリフォルニア州のワイン産業の分布地図を見ましょう。

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非常に大まかに描くとこうなります。そしてカリフォルニアのワイン産業の中心地がナパ バレーです。地図で言うと青紫色の地域の中のわずかな地域ですね。その南にあるのがサンフランシスコ湾(正しくはサン パブロ湾ですが、それもサンフランシスコ湾の延長にありますから、わかりやすいように)です。

この地形がワイン産業にとって大きな役割を果たしていることになるのですが、その始まりはまだアメリカ大陸の地殻が大きく活動していた時代にまでさかのぼります。それは1億5千年前、アメリカ大陸と太平洋のプレートがまだ現在ほど固まっていない時代に激突したり離れたり、そうして海底が陸上に隆起したり、また火山地帯であるカリフォルニアでは噴火が頻発し、地形は大きく変わり、連山ができたり川が形成されたり、そういうことが何万年か、何百万年か、あるいは何千万年か続いていたという状況を、今となっては漠然と思い描くばかりですが。

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