Nstockに入社して2年が経ちました
こんにちは。さとじゅんです。
Nstockのセカンダリー事業のプロダクトマネージャーをしています。
Fintechサービスを作るのが大好きです。
久しぶりにnoteを更新する気になったので書いてみます。
振り返ればNstockに入社して2年ちょっと経ちました。
直近では引き続きセカンダリー事業の新規立ち上げのためプロダクト開発と向き合っています。リリースはまだしてません。
今回は、これまでなにをやってきたとか、どんな想いで向き合っているのかなど書いていけたらと思います。
はじめにサマリー
このnoteではこんなことを書いています。
5回のPivotを経てたどり着いた新規事業
サービスリリースなく潜り続ける2年間の葛藤
今思ってること
新規事業立ち上げ経験のある人や、まさに今やってる人には特に共感できる内容かもしれません。
入社してからの1年間
「Nstockで金融事業を立ち上げたいから、プロダクトマネージャーを任せたい」
そんな一言から始まったぼくと創業者2人との物語。
ぼくは2022年6月にNstockに入社しました。
当時の気持ちはこっちのnoteに書いていて、ストックオプション(以下SO)への課題を解決することにワクワクしている自分の姿が垣間見えます。
そこから1年なにをしてきたのか。
最初の1年は5回Pivotしてひたすらに事業の探索を行ってきました。
SOの行使資金を融資する事業や、ベンチャーデットなど、「金融」をテーマにした事業をいくつも考え、仮説検証とワイワイ社内議論を繰り返しながら、行動し続けました。
ぼくとBizDevの合計3名のメンバーに加え、宮田さん、アドバイザーのkobakenさんを中心としたメンバーで毎日のようにワイワイ議論をしていました。
当時のnoteをみると、考えていたことがよくわかります。
最終的にセカンダリー事業をやると決めました。
自分たちの想いや、顧客の課題を考えると、自分たちこそがやるべき事業であることは明らかでした。ですが、当時はSOにまつわる法整備がどうなるかわからない状況であり、事業の不確実性が高すぎるため、社内MTGの中で「本当にこの事業をやるのか」という問いに対しチームメンバーの間では数分の沈黙が続きました。
それでも「やっぱり、やろう」と声をあげたメンバーがいて、そこから堰を切ったように他のメンバーも「よし!やろう!」と口々に言い始め、この難しい課題に飛び込むことに決めました。
それは後に会社のミッションとなる「困難だ、だが必要だ」という言葉を象徴するエピソードとして自分の中に深く刻まれています。
その後の1年は、必要な法要件の調査、人員の採用、インタビューを通じた仮説検証、モックアップの作成など、さまざまな準備を進めてきました。
今でも覚えているのは、ぼくが入社して1年半が経った時、2023年12月に、はじめてエンジニアとデザイナーがチームに正式JOINしました。
セカンダリー事業に対する解像度が上がってきて、手を動かしながら不確実性をつぶしていくフェーズになってきたためです。
その前まではスポット的にサポートしてもらうことはあったものの、フルコミットはしていない状況でした。
新メンバーの歓迎会を会社付近の飲み屋で開き、飲んで笑って楽しい時を過ごしていましたが、その中でぼくは一人、とても感慨深い気持ちでお酒を飲んでいました。
「やっとものづくりに本腰を入れて向き合える。開発メンバーを増やしてアクセルを踏めるところまで来れた。本当にうれしい」
別に特別なことはない普通の日だったんですけど、ぼくには忘れられない一日になりました。
この頃から、採用活動に本腰を入れ始め、セカンダリー事業の露出も増やしていきました。
入社から2年経った2024年7月。
セカンダリー事業は開発チームだけでこんな感じの陣容になりました。
PdM 1名、デザイナー1名、エンジニア4名
この月からスクラム開発が開始しました。
ぼくはこれまで事業の探索ばかりしてきて、2年もの間仕様すら書いてこなかったので、久しぶりの要件定義はめちゃめちゃテンションが上がったし、興奮したのを今でも覚えています。
そして今、2024年10月、チームメンバーはさらに拡大し、来年中のリリースに向け、引き続き開発を続けています。
潜り続ける2年間を経て
入社から2年経過し、今何を思っているかと言うと、「満たされない気持ち」と戦っています。
本当は「仕事めっちゃ楽しいです!」的な話をしたいし、実際やってることはめちゃくちゃ楽しいんですけど、別の側面として存在する自分の中の葛藤に触れていきたいと思きます。
この「満たされない気持ち」は入社から1年を過ぎた頃からずっと心のなかにあって、今でもうまく消化できずにいます。
これまでプロダクトマネージャーとして、1年に1度はなんらかのサービスリリースに携わり、結果と向き合ってきた自分からすると、2年以上も自分の携わるプロダクトがリリース日を迎えられない事実は、日々の仕事は楽しいし、学ぶこともたくさんあるけれど、気持ちの整理をつけることが難しいと感じています。
おそらくリリースが来年になることを考えると入社から3年もリリースがない状態が待ち受けています。
3年という期間、 ひたすらそのドメインと向き合い続けることになり、その間、自分たちがやっていることの正しさを誰も教えてくれない状況が続きます。
本当に大変な事業立ち上げなんだと思い知らされます。
今年の夏にパリオリンピックが開催されたので家族でよく見ていました。そんな時に金メダルを取った日本選手が言っていた言葉があります。
「つらいこともあったけど本当にやってきてよかった」
そんな選手の姿をみて、「あれはこのプロダクトをリリースして成功させた後の自分だ」と思うようになりました。ぼくもこのプロダクトを成功させて、同じことを言ってやります。そう決めています。
サービスをリリースして、お客さまに満足いただける結果が得られない限り、「満たされない気持ち」が晴れることはないと思います。
やり続けるしかない。絶対にやりきるんだ。
そんな気持ちで日々を過ごしています。
自分と向き合う時間が増えた
もう一つ振り返って思うことは「たくさん自分と向き合ってきた」ということです。
今までなかった新しい体験を作り出す中で、信じられるものは自分の中にあると思ってやってきたので、「だいじょぶだ、いける」と「だいじょぶだよな、本当にこれで」を繰り返しながら、ずっと自分の内面の深く深くで格闘し続けてきました。
自分と向き合い、チームメンバーに助けてもらい、自分の弱さと強さを自覚し、「こんな弱点ばかりの自分でいいのか」、「むしろこんな自分でやっていくしかないんだ」、そんなことを考え、もがきながら、でも最後は前向きに顔あげてこの大仕事に向き合ってきました。
その結果として、精神的な強さや、不確実性がとても高い状況でも愚直にやるべきことをやり続けられる能力は身についたと思います。
また、「自分がやっていることはスタートアップで働く誰かの人生を変えることにつながるし、絶対に必要とされるものになる」。そう心から信じていられる自分になることもできました。
最近の状況
引き続き、セカンダリー事業を絶賛開発中です。
立ち上げ期ならではのカオスを味わっているのですが、特にここ1-2ヶ月はメンバーが増えてうれしかったり、少しずつできてきたプロダクトにワクワクしていたり、刺激的な毎日を過ごしています。
最近では開発手法をスクラム開発型から、ウォーターフォール寄りの開発スタイルに変えてみたり、開発プロセスや開発体制を刷新しながら、ゴールへの最短距離を目指しています。
ここまで自分の内面の話にフォーカスを当てた話を多くしてきましたが、最近思うのはチームメンバーに支えられているということを強く感じることです。
自分はセカンダリーの事業について構想段階から携わっている分、プロダクト開発においては「自分がなんとかしなきゃ」と思ってやってきたところが多かったのですが、最近では「メンバーがゴールへの道を切り開いてくれた」「導いてくれた」「ありがとう」。そんなことを思う瞬間がすごく多いです。
とても頼りになりますし、日々学ばせてもらっています。とても尊い時間を過ごしている実感があります。
また、ものづくりのプロセス自体はすごく楽しくて、ワクワクしながらやっています。
理由のひとつにぼくたちのプロダクトには確実にマジックモーメント(使った人が感動する瞬間)があるからです。
SOが本来の価値を発揮して換金される瞬間。誰かの人生に新たな選択肢が増える瞬間。
その体験を作り始めた時、自分たちがいかにすごいものを生み出そうとしているかを理解することができました。
早くたくさんの人に使ってほしいです。多くの人に感動を届けたい気持ちでいっぱいです。
終わりに
自分は来年で40歳になります。
自分が20歳の頃には「40歳のプロダクトマネージャー」なんていなくって、ロールモデルがなかったため35歳で自分のキャリアは終わると本気で思っていた時期がありました。
でも今思うのは、歳を重ね、経験が増えていくごとに、まだまだ学べることが多いし、やるほどに自分が強化されていく感覚があって、めちゃくちゃ楽しいです。
入社時に書いたブログを見返すととても新鮮な気持ちの自分がいてあの頃の気持ちは今も変わりません。あれから2年が経ち、たくさん悔しい思いもしたし、ワクワクする瞬間も過ごせたし、忘れられない瞬間もたくさんできました。
たまに代表の宮田さんとの仕事の距離感を質問されることがあるんですが、ぼくの場合は完全にコーチングしてもらっている感じで、優しく背中を押してもらっています。温かく見守ってもらいつつ、課題をまるっと預けてくれたからこそ、ここまでの自分になることができました。
入社当時、会社が解決したい課題を愛せると思って飛び込んできた自分が、本気でその課題と向き合った結果、「使命感」と「満たされない気持ち」を抱えつつ、自分たちのプロダクトに絶対の自信を持てるようになりました。
スタートアップやっています。
最高だろ、この環境。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?