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技術か狡さか 〜世界選手権50kから考える〜
ゴール前は戦場である
ちょいちょい聞く言葉
私が最後に聞いたのは、漫画「弱虫ペダル」の中だったかも。
わりかしどのスポーツにも当てはまるかもしれません。
バスケットボールにはノーチャージエリアもできましたね。
世界選手権50K
時は少々遡り、Oberstdorfで行われていたノルディック世界選手権。
大会のフィナーレを飾るのは、クロスカントリーの「男子50K」。
2時間を超える、レーススピードでの全身運動は想像もつきません。
何回か全日本選手権をサポートしたり、観戦に行っていますが、見ている方も周回がわからなくなります 笑
そんな過酷な種目を、世界選手権やオリンピックではフィナーレに持ってきます。
今年はそのゴール前でちょとした事件が起こりました。
金メダル争いをしていた2人が、ゴール前のストレートで接触。トップを走っていたBolshunov(RUS)のポールが破損しました。
トップでゴールしたのが接触したKlaebo(NOR)。2番目にゴールしたのがIversen(NOR)。ポールが破損したBolshunov(RUS)は3番目のゴールとなりました。
色々あったなか、ゴール脇で泣くBolshunovに声をかけにいくKlaeboが印象的でした。
しかし、その後事態は一転。
ロシアスキー連盟の抗議によって、Klaeboは失格となりIversenが繰り上がりの金メダル。
Bolshunovが銀メダルとなり、世界選手権の幕を閉じました。
結果的にスッキリしない形で閉幕となった世界選手権でした。
今季のロシア
個人的にロシアはドーピングだったりなんなりで、印象は良くないです。
今年のU23の世界選手権で、ロシアの選手が先頭の選手を足払いし失格になっています。
また、Bolshunovも1月に行われたワールドカップのリレーで、見苦しい姿を見せて失格になっています。
ゴール前、国を背負った舞台で色々あるとは思います。
あからさまに酷いのは見たくないですね。。。
そんな中で今回のケース。
Bolshunovの片手ポールがすごい!というのは置いておいて
前述したような先入観なく見ていきます。
ゴール前の攻防
まず見てもらいたいのはBolshunovが失格になった1月のワールドカップ。
先にスタジアムに入ってきたMaki(FIN)がBolshunovの進路を塞ぐように外に膨らみ
Bolshunovに接触。スピードに乗り、抜こうとしていたBolshunovを相手に完璧なブロックし勝負を決めました。
Bolshunovの蛮行が目についたので、あまり話題になっていませんが、これはルール上ありとのこと。
次に今回のケース。
今度はBolshunovが先にスタジアムに入ってきて、先ほどのMakiと同じコースどりでKleaboをブロックしました。
結果的にBolshunovとKlaeboが接触しKleaboは失格。Bolshunovはポールが折れるというアクシデントとなり後味が悪くなりました。
Klaeboの失格条項がこちら
全ての競技において、追い越しを行う際、選手はいかなる妨害も行ってはならない。追い越す際、正しく支障なく通過する責任は、追い越す選手にある。
後ろから来て、スキーが接触、体も接触し、結果的に妨害して追い越したのでKlaeboの失格はやむ終えないと思います。
今回の件は、Bolshunov自身が敗北から学び「勝つ手段」として上手にコースどりをしたと私は考えています。
あの展開になってしまったら、ブロックを避けるように追い抜かなければいけない。
まあまあ速いスピードで、前の選手のブロックを避けつつ抜くのは容易なことではありませんが
ルールにある以上、しょうがないと思います。
技術か狡さか
ここでも書いていますが「良いジャンプスーツを作る」、「上手にファウルをもらう」これは技術だと私は考えています。
今回の件も、後続の思考を読み「考えたラインどり」という風に見れば「技術」だと私は考えます。
1月のワールドカップで先行していたフィンランドのMakiはスプリンターです。
コースどりやポジション争いなどが百戦錬磨な部分があり、使用してきた「技術」だったと思います。
Bolshunovはあの敗北で学び、ここ一番で使える場面がきて学んだものを使った。
ただそれだけです。
選手個々の美学があると思うので、こういったことを好まない選手もいると思います。
好まない観客の方々もいると思います。
限りある競技生活の中での「ビッグタイトル」なんとしても勝ち取りたい。
ルール内であり、それが「技術」であれば個人的には悪くないと思います。
とはいえ、優勝者が失格になる試合はあまり見たくないですね。。。笑
この試合も、優勝者が失格になりました。。。
ジャンプスーツでは度々、日本人も失格になっていますが
日本の「教育」的にあまりこういったトラブルは起きにくい気がします。