2021世界選手権 ノルディック複合 個人NH
難しく、過酷な競技、ノルディック複合。
日本という物差しで考えれば
トップ選手はジャンプ選手のように飛び、クロカン選手のように走ります。
専門選手たちとの競技力の差は、みるみる縮まってきています。
複合の試合も、開幕から少なからず書きたい気持ちはありました。
が、あまり試合を見れない。自分のクロカンの競技力の低さから控えてました。
今回は、完全にノルディック複合ファンという立ち位置で書いていきます。
書くに当たってこちらのラジオ配信も後押しになりました。
書く側の「道」、書かれる側の「道」
選手である以上、書かれる立場でありたいのはヤマヤマですが
現役ジャンプ選手目線の「ノルディック複合競技」は私しか書けないので、一つの「価値」と捉えて書いていきます。
前半ジャンプ
全選手通じて、ジャンプ台に苦戦していたなーという印象。
会心のジャンプを見せれた選手が少なかった、いなかったのではないでしょうか。
1本目トップに立った山本涼太。やや失敗ジャンプ、おそらくHS越えのジャンプがイメージできていたのでしょう。
故に首を傾げていましたが、結果的には2位以下に20秒差をつける大差のトップとなりました。
また、2位につけた暁斗さんのジャンプも不満そうではありましたが、ぱっと見は良さそうにも見えました。
日本チーム全体としては良い感じの前半だったと私は見ています。
Riiber(NOR)、Lamparter(AUT)の方が実力より伸びて来なかった印象です。
一方で、ジャンプがイマイチながら集団の前方に位置できたドイツ勢。
そしてHerora(FIN)、Oftebro(NOR)など走力のある選手も集団の前方に来れたので高速集団が形成される流れでした。
後半クロスカントリーの展望
見たことないコースでは、どんなレース展開になるか想像しづらかったです。
オーソドックスな予想としては、高速集団が先頭を簡単に吸収し
ドイツ勢とRiiber(NOR)のスプリント勝負になる展開。
もう一つはタフなレースになり、高速集団が牽制しあい先頭集団を吸収するのが遅れ、Riiberが圧勝。
そして、ジャンプでビハインドを取った選手たちが粘る展開の二つを予想していました。
日本チームとしては後者が嬉しい展開。そして、個人的には高速集団に追いつかれた後の暁斗さんのゲームメイクに注目していました。
後半クロスカントリー
開始直後からLamparter(AUT)がRiiberと暁斗さんを引っ張り、山本涼太に迫りました。
個人的に、この3人の思惑、開始直後から色んなズレがあったように見えました。
Lamparter(AUT)はガシガシ行って集団から逃げたい。Riiber(NOR)は集団に対して逃げても待ってもいい。暁斗さんは、Lamparterのスピードにやや苦戦している。
そんなふうに見えました。
気温13度でグサグサな雪面になるかと思いましたが、日当たりと整備が良く硬めのバーン。スピードが出やすく、高速レースの様相。
そんな中で、脇目もふらずハイペースで突っ込んでいくLamparter。若さゆえの勢いか、無謀にも見えましたが
良いペースで突っ込んでいき、高速集団の吸収がやや遅れました。
トップに追いつこうと突っ込んできたドイツ勢、そしてLamparterと暁斗さんは結構ダメージを受けているように見えました。
そこで主導権を握ったのが、Herola(FIN)。
スプリント勝負では分が悪いので、先頭に立ち揺さぶりをかけてきました。
走力の高い選手の揺さぶりによって、集団がばらけ始め
ゴール前にはHerola(FIN)、Riiber(NOR)、Oftebro(NOR)の勝負となり
いつも通りRiiberが差し切り2連覇となりました。
感想
いつものレースだった。。。
スキーの滑りが悪かったか、ドイツ勢の疲弊が激しかったように見えました。
必死に突っ込んだLamparter、勝つために最善を尽くして揺さぶったHerola。
ずっと後ろにいたとはいえ、常勝パターンで勝ち切ったRiiberには脱帽せざる得ません。
やはりコンバインドは、バシッと飛んで、ゴール前でのスプリント勝負が一番勝率が高いですね。。。
暁斗さんのコメントはこちら↓
日本チーム全体の順位は良かったように見えます。
団体戦やラージヒルも期待していきたいです。
しかし、この試合でスピードを要する高速コースというのがわかりました。
ラージヒルは、ジャンプの展開次第では集団に吸収されない展開もあると思います。
一方で団体戦は走力がないと厳しいなと感じました。
そして、レース展開を文字化するのが非常に難しいというのも学びました。
世界選手権中に上達するかな〜。。。
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