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元株式アナリストのCFOから見る「カミナシの市場・事業ポテンシャル」

はじめまして。2024年7月からカミナシでCFOを務める吉田純平と申します。カミナシは現場で働く方々向けに、ソフトウェア(SaaS)を開発・提供している会社です。

簡単に自己紹介すると、新卒で証券会社に入社してから12年強、株式アナリストという仕事をしておりました。株式アナリストは、担当する業界・企業のことを定性・定量両面で分析し、その内容を基に企業の株式を世界中の機関投資家に売り込むという、分析と営業が半々の仕事です。私は上場グロース企業を担当する期間が長く、自分と同世代(や少し上の世代の)経営者と接する機会も多くありました。だんだんと自分も事業をやる側に回りたいという思いが強まり、2021年にスタートアップ企業に転じ、2024年4月からカミナシで働いております。

私がカミナシに入社した理由は、「市場・事業のポテンシャル」、「経営チームとの相性(自分が貢献できる感触)」、「カルチャー(人)」の3点です。このうち、カルチャーや人については、これまでのカミナシのNoteで語られることは多かったと思いますが、意外と「市場・事業のポテンシャル」に関する発信が少ない印象があります。
そこで、今回はそこに焦点を当て、1)市場、2)成長戦略、3)強みの3つの観点からカミナシの魅力をお伝えしたいと思います。

1)市場:現場向けSaaSは巨大で奥行きのある潜在市場、深刻な人手不足をきっかけに徐々に顕在化されつつある

日本の働き手約6,700万人のうち約6割の約3,900万人が、私たちがノンデスクワーカーと呼んでいる「現場で働く人たち」です。私を含めデスクでPCを使って働く人たち(デスクワーカー)は、過去数十年の間にインターネットや各種ソフトウェア/SaaS等のデジタルツールを活用して、業務生産性を大きく高めてきました。一方、ノンデスクワーカーの方々は、この数十年間のデジタルツールの発展による恩恵を受けにくい状態が続いていました。

これが今、変わりつつあります。きっかけの1つはiPad/タブレット端末という現場でも使いやすい端末の登場ですが、日本国内の深刻な人手不足をきっかけに、足元でさらに現場でのデジタル活用が加速しています。

世界的に日本企業の強みは「現場力」にあると言われてきました。これはほとんどの従業員が日本人で、似たような教育・文化で育つなど、同じ文脈を共有する従業員で構成されており、阿吽の呼吸で現場業務を進めることが出来た影響が大きいと言われています。しかし、昨今では深刻な人手不足によって、外国人労働者やスポットワーカーなど、文脈を共有しない従業員が増えています。そのような環境下で「現場力」を維持・向上させるためには、デジタルツールを活用することで、現場の業務レベルの下限を引き上げることが有効です。

人手不足が現場DXの追い風

実際に、私たちの現場帳票システム「カミナシ レポート」をご導入いただいた企業では、現場の作業ミスや、管理者の確認工数、帳票作成時間などを大幅に減らすことができ、その分の時間を他の業務に使うことができています。例えば、直近で日本食糧新聞に掲載された「まい泉」様の事例では、3工場合計で年間約16万枚の紙帳票を削減、さらに工場長が帳票類の確認に費やしていた時間も月間約40時間削減するなど、劇的な業務効率化を実現されています。

営業活動を通じて日々私たちが感じている肌感覚としては、多くの現場では未だに紙とExcelが主役ですし、各人の中で暗黙知として蓄積されている業務も無数にあります。そのため、それら諸々をデジタルで効率化していく現場向けSaaSは、巨大かつ奥行きのある市場だと言えます。デスクワーカー向けのソフトウェア市場が、マイコン・PCの普及後に時間をかけて拡大していったことを踏まえても、現場向けSaaS市場はiPad登場で始まり、これから拡大していくフェーズだと私たちは考えています。

2)成長戦略:難易度の高い現場向けSaaS市場で順調に拡大、段階的に対象領域を拡大予定

現在の主力プロダクトである「カミナシ レポート」は、現場で使われている様々な帳票(レポート・チェックリスト等)を電子化するシステムです。デジタルツールに慣れていない方でも使いやすいUI/UXが特徴の一つで、現場で働く方々が自身で柔軟に帳票を設計・編集できるため、日々変化する現場業務での活用に適したシステムです。

カミナシレポートは様々な種類の帳票にご活用いただけますが、最初期からご活用いただいているのが、食品業界向けの品質管理業務です。食品会社では人々の体の中に入るものを作っているため、品質の問題は経営にも重大な影響を与える可能性があります。このため、食品会社にとって品質管理業務はミッションクリティカルな業務と言え、関連帳票の電子化ニーズも高く、プロダクトの初期からご活用いただいています。その後に様々な企業にご活用いただき、今では導入事例にあるように、多様な業種・用途でカミナシレポートをご活用いただいています。

また、先日カミナシは自社開発としては2つ目のプロダクトである「カミナシ 従業員」を提供開始しました(参照)。今後は、カミナシ レポートの継続的な機能開発・磨き込みを行いつつ、複数の新規プロダクトをリリースすることで会社全体の成長を加速させていきたいと考えています。今後1年ほどの時間軸で、カミナシ従業員を含めて3つの新規プロダクトを提供開始する予定です。どのプロダクトもコンセプト段階でお客様から「欲しい!」と言っていただけることが多く、非常に楽しみにしています。

これらの新規プロダクトはそれぞれ、特定の現場業務領域の課題を解決することを目指したものです。先日提供開始した「カミナシ 従業員」は現場の総務部門が担う従業員とのやり取り、「カミナシ 設備保全」は設備保全部門の業務、「カミナシ 教育管理」は従業員教育や研修の課題解決を目指しています。成長戦略という観点では、現場向けSaaSという非常に大きな潜在市場の中で、業務領域毎に複数のサブ市場があり、新規プロダクトによってそれらサブ市場を一つずつ顕在化させ、複数のプロダクトで層を重ねることで、全体での成長を加速させていくイメージです(Layer Cake Strategy)。

新規プロダクトでサブ市場(現場業務領域)を一つずつ顕在化し、巨大な市場を開拓

このように、私たちが新規プロダクトを複数展開し、マルチプロダクト化しようとしているのは、シンプルにミッションの実現に近づくためです。カミナシは「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションに掲げています。これは、もともと家業で現場管理者をしていた創業者である諸岡のバックグラウンドが影響しています。カミナシレポートもミッションの実現に近づける有効な一手なのですが、日々現場訪問していると、それ以外の様々な業務領域でお客様の困りごとが無数に聞こえてきます。将来的にはその全てを私たちが解決できれば嬉しいのですが、現実的にはその困り事の中から需要が高いところ、製品化できそうなところを選んで開発をしています。

3)強み:一見して非効率な「現場ドリブン」な企業文化が、カミナシの競争力の源泉

とはいえ、現場向けSaaSは、デスクワーカー向けSaaSと比べて難しい面もある市場です。これまで現場では、紙とExcelによる管理が中心だったこともあり、お客様側にデジタルツール活用の経験が少ない傾向にあります。そもそもデジタルツール利用の予算が存在しない場合も多く、市場を顕在化しながら開拓していく必要があります。また、現場業務はお客様毎・現場毎に個別性が高く、共通のソリューション(SaaS)で全てを解決することは簡単ではありません。特にカミナシの場合、複数の業界に対して深くアプローチする「マルチバーティカル戦略」を採用しているため、数多くの業界や現場業務への深い知見が求められることもあり、難易度の高い、野心的な挑戦をしているという認識です。

そのような事業環境下でも、カミナシはこれまで比較的順調に事業を拡大させてくることができました。これはもちろん、先進的な考え方を持つお客様に助けられている点が一番大きいのですが、私たちの「現場ドリブン」なカルチャーも一定の貢献をしていると、私は考えています前述の創業者のバックグラウンドもあり、カミナシではお客様の現場を頻繁に訪問して一次情報を取得することを、全社的に重要視しています。私たちはこれを「現場ドリブン」と呼んで、従業員が意識すべきバリューの1つに掲げています。実際に私も、4月に入社してから3ヶ月位の間に、4つの現場に訪問させていただきました。

私は日常業務でお客様と直接接することは多くありませんが、職種によってはかなり高頻度で現場訪問しています。会計システムの経費精算のデータから算出してみたところ、会社全体で年間約3,100回、一人当たり約31回の現場訪問をしていることがわかりました。おそらく、多い者では年間で100回以上、現場訪問していると思われます。旅費交通費の支出という意味でもそうですが、なによりスタートアップにとって最も重要な「時間」を投下しているという意味で、これはかなり大きな投資です。簡単にできる意思決定ではありませんが、カミナシでは創業以来の企業文化に組み込まれているため、全社員にとってそれが自然な環境です。

一見して非効率な「現場ドリブン」な企業文化が、カミナシの競争力の源泉

私は、このお客様の現場を頻繁に訪問して一次情報を取得することを重視する、カミナシの「現場ドリブン」な企業文化は、一見非効率なように見えて、実は私たちの競争力の源泉になっていると考えています。

カミナシでは、営業やカスタマーサクセス(CS)のようなお客様に対面する部門だけでなく、エンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーなど、ものづくり側の職種の者も積極的に現場訪問します。だからこそ、お客様毎・現場毎に個別性の高い現場業務を抽象化して、SaaSとして共通のソリューションに落とし込んだり、提供開始した後もお客様に使い易いよう改善を続けたりすることができています。
ご導入いただいた後も、CSが時間をかけて現場ドリブンで定着支援を行っていくため、厚い信頼をお寄せいただいているお客様が多く、利用継続や新規プロダクト販売にも繋がっています。また、日々現場訪問しているからこそ、私たちが提供するプロダクト以外の領域でも、お客様が何に困っているかを把握できており、それが新規プロダクト着想の種になっています。

あなたも一緒に、現場ドリブンに3,900万人の働き方を変えていきませんか?

そんな現在のカミナシですが、私たち働く社員にとっても非常に魅力的な環境と言えます。前述の通り、約1年間に3つの新規プロダクトを提供開始しようとしており、それらを同時多発的に立ち上げるために、各所で新しい挑戦が必要になってきています。無事に提供開始できた後は、それらをどのように組み合わせてお客さまに提供していくかという部分も、これまでと違った挑戦が必要になってくると思っています。また前述のように、私たちはお客様の困り事が未だ多く存在することを把握しており、現在開発中の新規プロダクトが立ち上がった後の事業構想も色々とあります。新しい挑戦が大好物な私にとっては、非常にワクワクできる環境です。

が、それらを実現するためには圧倒的に人が足りません!

この文章を読んで、カミナシで働いてみたいと思った方/少しでも興味を持った方は、是非下記の採用ページから応募してください!!

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👇今のカミナシにはこんな人が向いているかも
- 新規プロダクト/事業に立ち上げ段階から関わりたい人
- 他の人と違った方向の挑戦に燃える人
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