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片想いと結末

先日、投稿させてもらったものの続き。
コメントを頂いて、結末を書いてないのに気付いた。
当時のことを思い出し余韻に浸って忘れてたのと、あえて書かなかったのと半々。

中三の時の片想いの相手は中一からずっと好きだった。
でも、告白する勇気が持てずクラスメイトで友達の松野君から「俺もあいつが好きだ」とカミングアウトされて、どうすればいいか分からなかった。

そんな状態の中、
「告白する時は隠さずお互い事前に言おう」
松野君から抜け駆けしないと提案され紳士協定を結んだ。

そのまま、お互い告白できずに中学を卒業。
松野君とは違う高校だったけど片想いの相手と僕はたまたま同じ高校だった。
クラスは違ったけど隣のクラス。関係の進展は見込めなかったけど同じ高校というだけで嬉しかった。

高校入学当初は新しい友達が出来るのに時間がかかるので、同じ中学同士でつるむことが多かった。
中学では名前は知ってる程度の人ともお互いのクラスはどんな感じかとか他愛もない話を廊下でしていて、その中に片想いの娘もいた。

ゴールデンウィーク前、授業を終えて帰ろうとしたら片想いの娘から「少し時間ある?」と声をかけられた。
好きな娘に言われて断る理由なんてない。大丈夫と答えると、
「ちょっと待ってて」その娘は自分のクラスへ戻っていった。

待ってる間、何の用か考えた。
3月に仲の良かった友達と遊ぶ予定があり、その中に僕も松野君も片想いの娘もいた。
でも、友達の身内に不幸があってゴールデンウィークに延期になっていた。その事かな?まさか違う事?とか考えてたら「お待たせ」との声。見ると、片想いの娘の隣にその娘と同じクラスの女の子。

“ 何で? ”と思っていると、片想いの娘がその娘に「ほら」と声をかけ言われた娘はギンガムチェックの紙袋を差し出してきた。
『なに?』
訊くと、その娘は
「筆箱…」
と答えた。

その前の週に筆箱を落として壊してしまい新しいの買わないと。って、話を友達と話していた。その話をウチのクラスの誰かから聞いたみたいでわざわざ買ってきてくれていた。
筆箱を差し出された意味は分かったけど、それを何で片想いの娘が取り持つというか間に入ってるかが分からない。

『ちょっと待ってね』
その娘に言って片想いの娘の腕を引っ張り小声で『どういう事?』と訊くと「いいから」返事も小声。
とりあえず受け取れ。みたいな感じだったのでお礼を言って受け取ると、その娘は走って去っていった。

呆気に取られていると、
「じゃ、私もこれで」
片想いの娘も帰ろうとするので、再度、腕を掴んでどういうことなのか問うと、からかうような笑顔で、

「なにって。あの娘の気持ち、分かってあげなよ

衝撃だった。
“ あの娘がプレゼントを渡すのに協力したってことは僕のことを恋人・彼氏という対象と見ていなんだ ”
実際には1秒もかかってないと思うけど、その考えが何度も何度も頭の中を巡った。

『分かってないの。お前だよ』

掴んでいた腕を離して、その場を去った。
この捨て台詞がすごいカッコ悪いのは当時も今も分かってる。
ただそれしか言えなかった。辛くて、ただ、この言葉しか言えなかった。

そのまま朦朧とした状態で帰った。
ついてないことは重なるもので帰り道、違う高校の生徒2人に絡まれた。
顔がまだ幼かったので1年と分かったのかカツアゲしてきたけど“ なんで今? ”怒りで無言で睨んでいたら、片方が「こいつ止めておこう」勝手に絡んできて勝手にビビって逃げていった。

家に帰ってから泣いた。情けないけど泣いた。
恋愛で泣くことなんてないと思ってたけど泣いた。
泣いて泣いてモヤモヤした感情も一緒に出して、翌日は片想いの娘にいつも通りに接した。

ゴールデンウィークに遊んだ時、カラオケでその娘が隣に座ってきた。
嬉しかったけど素直に喜べなかった。
恋愛対象とは見られてないんだよな…と。

それから数か月経った秋に告白した。
相手がこちらを恋愛対象と思ってなかったのは分かっていたけど、ハッキリしたかった。

結果は、予想通り振られた。
ダメ元だったから、そこまでショックじゃなかった。
その日の夜、松野君との紳士協定を思い出して報告。
協定のルールに反し先に言わなかったことを謝った。
松野君は、

「俺、卒業してすぐ、あいつに告白したんだ」

そうカミングアウトしてきた。
約束を破ってたことに怒ったけど、通学ルートが被らないから偶然会う。という機会も無い。今しかないと思って。と言われた。
それを言われると確かに…と、過ぎたことだし受け入れた。

ゴールデンウィークに皆で会った時、好きな娘が隣に座ったのは松野君から距離を取るのと視界に入らないためにするための防護壁代わりだったのが分かった。僕も同じ立場だったら同じことをしたと思う。

片想いの娘とはゴールデンウィーク後にもう1つ。
トラブルと言うかちょっとあったけど今の時点で結構、長文になっているので割愛。
気が向いたら書く。

この出来事は僕に起きたことの中で一番“ 青春 ”と思える出来事。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ