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誰にも話せなかったこと

誰にでも人には話せない、話さない話があると思う。
僕も友人や同僚。恋人。誰にも話していないことがある。
話したのは相談した母とSNSを通じて知り合った1人だけ。

僕は昔、犯罪に巻き込まれた。
事件と言っても件数の面ではごまんとある内容だ。
実際に起きた事件なので若干、フェイクを入れて書いている。

19歳の夏、夜中0時過ぎ。
バイトの閉店作業中、ゴミ出しに路地に入ると物音と声が。
声と言っても泣き声。見ると人が2人。

中学生っぽい男の子と、その子のTシャツを掴んで壁に押し付けている20歳前後の男。
どう見ても犯罪行為にしか見えない。男はこっちに気付いて威圧するような目で見てきた。

『…M?』

男に見覚えがあった。
名前を言うと男は威圧的な表情から驚いたような表情になり、その場を去っていった。

半泣きの男の子に声を掛けるとゲーセンで遊んでいたら、今の男に声をかけられてここに。
声を掛けたことでお金は取られずに済んだ。
そこに戻ってこない僕を探しに店長が来た。
店長に話すと、

「警察呼ぶ?」

店長は男の子に訊いたが、男の子は首を横に振った。
そりゃそうだ。
時間は深夜。警察に言えば自分も補導される。

「自転車置き場までついて行ってあげるよ。その男がいても守ってやるから」

店長は男の子とゲーセンの駐輪場へ自転車を取りに行った。
その間、1人で閉店作業し店長が戻ってきた頃には全て済んだので、
“ 夏の夜は色んなヤツがいる ”
そう話し合いながら帰路に着いた。
男に見覚えはあったが確証が持てなかったので店長には話さなかった。

自転車を走らせ、夜になるとほとんど車も通らない道に来るとワゴンが1台、道路を塞ぐように反対車線もまたいで道のど真ん中に停められていた。

横を抜けようとすると助手席から人が降りてきて、

「お前、ユリアンだよな?」

降りてきた男がポケットに手を突っ込みヘラヘラしながら近づいてきた。
中学生の男の子をカツアゲしようとしていた男。

Mだ。

Mは「久しぶりだな」と言ってきて、

「お前さ、俺に貸しあんの忘れてねえよな?」

自転車のハンドルを掴みながら言ってきた。
Mは中学の同級生。同級生と言っても接点はほとんど無い。

唯一の接点は中3の2学期の終わり頃。
帰ろうと階段を降りていたら下から声がした。
見るとMが下級生を殴っている。

『何してんの?』

声をかけるとMが振り向き、

「お前に関係ねえ。消えろ」
「チクったら分かってんだろうな」

そう言いながら足元にあったバケツをこっちに蹴ってきた。
その音で、たまたま近くにいた先生が「誰だ!」とやって来て、職員室まで連れていかれMは別室に。
僕は下級生と一緒に事情を訊かれ見たことを話した。

下級生はかなり前からMにお金を脅し取られていた。
この事でMは部活の成績から高校への推薦が決まっていたらしいけど取り消された。
その後、学校には来てたみたいだけど卒業式まで姿を見なかった。




全て書くと相当、長文になるので今日はここで。

続きは明日。

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ユリアン
ジュースが飲みたいです('ω')ノ