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不思議な先輩

ウチの職場の先輩は個性が強い人が多い。
書いてて気づいたけど、男の先輩がいない。
いるにはいるけど、上司なので先輩とはカウントしていない。

昨日、書いた先輩も個性が強い人の1人。
昨日の投稿の中で、
“ 説明してもらわないと理解できないことをされたことがある ”
が、この話。

以前、先輩と2人きりで残業してた時、
「こっち来れる?」
そう声を掛けられたので先輩の元へ行くと、イスが5個くらい並べてあって1番端のイスに先輩が座っていた。
先輩は自分の太ももをポンポンと叩いて、
「ちょっと、ここに寝て」
と言ってきた。

何を言われてるのか分からなかった。
戸惑っていると、また太ももを叩いて、「こっち」と手招きする。
『何でですか?』
と訊いても、「いいから」と。これを何回か繰り返した。

同じことの繰り返しでらちが明かないし、相手は先輩。
状況を進ませるには従うしかないと思い、先輩に膝枕される形で寝た。
他の部署の人も残ってたし見られたら、どうしようと思ってると、
「動かないでね」
そう言いながら、先輩が見せてきたのは耳かき。
そのまま、耳かきされた。
フェザータッチというヤツで触れてる感触はあるけど痛みは全くなかった。

人生で耳かきをしてくれたのはお婆ちゃん、母、彼女の3人。
その誰よりも上手だった。両耳やってもらったけど、気持ち良すぎて寝てしまった。

「はい。終わり」

先輩の声で起きた。
目を覚まして我に返ると「はい」とティッシュを渡された。
汚い話だけど、ティッシュに取った耳垢があり『こんなに⁉』と声が出た。
人生で一番の量だった。

それにも驚いたけど、何で耳かきされたのか理由を訊きたかった。
けど、先輩は無言でイスを戻すと、
「じゃ、お疲れ様」
と満足げな顔で帰っていった。

何が起きたのかは分かっていたけど、何でそうなったのか分からず、少しの間、動けなかった。
翌日、先輩はいつもと変わらなかった。
エレベーターとかで2人っきりになった時、理由を訊こうかと思ったけど、先輩は耳かきの件には触れず仕事の話しかしてこなかったので訊けなかった。

一目で分かるくらい耳が汚かったのかな…とか、あれこれ考えた。
でも、考えても答えは出ないと思うので考えるのを止めた。

これが、先輩からされた
“ 説明してもらわないと理解できない ”
こと。

訊くタイミングを完全に失したので、たぶん永遠の謎。

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ユリアン
ジュースが飲みたいです('ω')ノ