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その51 温かいの?冷たいの?人が育たない社会(1223文字)

※ イラストは『Boku(ぼく)』さん提供
https://www.instagram.com/boku_illustration?igsh=MWtqNWxsZ3M1bHlxeg==



1  はじめに

 昔は、先輩や上司に『温かい』言葉をかけてもらって、自分自身が成長できる機会をもらえました。

 今は、先輩、上司は『冷たく』なりました。
 教育現場で考えてみます。

2  温かい?とは…。(今は昔)

 職員会議の案件が、期日に間に合いそうにないとなると、先輩が「アホ・ボケ・カス」と言わんばかりの勢い(言っていたことでしょう)で「終電まで時間あるから、やって帰れ!」等と『温かく』付き合ってくれたのではないでしょうか。
(『優しさ』の話であって、正しいのかどうかは別問題です…。)

 新人の成長のためになる、とても『温かい』言葉に聞こえてなりません。

 なぜなら、新人に、自力的にやる気がなくても、その仕事ができるようになるまで、先輩が、他力的に導いてくれたからです。

 新人で、できないこと、わからないことがあれば、どこからか先輩や上司が、その新人の匂いを嗅ぎ分けて、『温かく』指導してくれました。

 繰り返しになりますが、少なくとも10年、20年前は、新人や若手の至らなさについては、少しばかり厳しい先輩や上司が「この前早く帰ったんやから、今日その分残って、あれ仕上げて帰れよ」なんて、『温かく』道筋を示してくれたものです。

 そして、できあがった結果を確認して、更に何度も添削してくれ、手取り足取り『温かく』指導してくれました。

 本当に終電がなくなるんじゃないかと心配になる時間まで、付き合ってくれたものです。

 書類の書き方、大事なポイント等を学ぶ機会を与えてもらえた『温かい』時代でした。

 本人が望もうと望むまいと、そんなことはお構いなしです。
 しかし、そのおかげで仕事を覚えることは、できました。

3  冷たい?とは…(今の今)

 時間外に、新人を指導しようものなら、⚪︎⚪︎ハラスメントの疑いが生じる可能性があります。

 ハラスメント申告が、新人当人や周囲にいた同僚から出てきたりもする今の時代。
 そんな『冷たい』社会になりました。

 会議の案件が期日に間に合わなくても、うだうだの案件をご披露しても、「新人だから」と『冷たく』看過されるご時世です。

 自力的に、新人本人が「これじゃダメだ、残業して頑張ろう、先輩に聞いてみよう、勉強してみよう」と思わない限り、成長できない『冷たい』時代になったのです。

4  終わりに

 今の時代は、自力的・自発的・自律的に目標を持った人、自分に厳しくなれる人には、とても『温かい』時代です。

 しかし、そうでない人にとっては、『冷たい』時代です。

 ぬるま湯で、ゆるゆると逃げるような生き方をしない人には『温かい』社会です。

 何をもって『温かい』とするのか『冷たい』とするのかまで、個々の判断に委ねられる今の時代になったと感じる今日この頃です。

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