映画『NOPE』初見後感想
遅ればせながらようやく初見を終えて、帰宅後に感想を徒然ってみる。
ちなみにジョーダン・ピール監督の作品を観るのは初だし、何なら見終わってから初めて名前知ったレベルです。
ひじょーーーにオモシロかったです。
ただ頭空っぽにしてオモシロかったー!ってだけじゃなくて、「コレってあれだよね」「あそこのシーンはこういう事か」と言った考察系な面白味もあったと感じるのでそれを練習も兼ねて文章化してみようと思う。
〜以降ネタバレ含みます〜
個人的にこの作品では日本版のポスターに書かれてある「最悪の奇跡」と「見るもの、見られる事について」「視聴者(自分)の感情の推移」、この3つがオモシロポイントでした。
タイトルの「NOPE」とは「NO!」のスラングらしく、「(否定的に)こんなのありえない!」と勝手ながら意訳しました。(冒頭ら辺の字幕でもあった気がするけど詳しくは忘れた)
最初、父親が偶然にも空からの落下物のよって死んでしまった出来事や、チンパンジーが暴走する中で何の関係も無く直立しているスニーカーなんかも、最悪な状況の中にあるありえない奇跡として作中において強い印象を持たせていました。
敵の存在も「あり得ない」事ですが、そこに意味を持たせる為に利用したシーンでしょうかね。
特に直立するスニーカーは「え?何でこんなところに焦点合わすの?」という思いが凄惨な状況も相まってプチパニックに陥れてきました。
そして「見る、見られる」では、主人公OJが「見世物になる馬を調教する人物として設定されており、見る見られるの両方(見られる馬を見る人物なので)を経験から知っており、敵攻略のヒントを見つけ出すことが出来たに繋がっています。
逆にジュープは幼少期は見られる側であったり、テーブルクロスで「目線が合わなかった事で」助かったり(このシーンはETと比較しての異生物と通じ合えるのかを表現した非常に印象残ったオモシロシーンでした。)、買い取った馬を囮にして見世物を行ったりと、片方の視点しか持っていない人物として描かれており、主人公のOJとの違いが生死を分ける差として示されていたと思います。
多くの見る見られるの関係が捕食する側される側の中で主人公兄妹の目線を合わせる仕草だけが「お前を守る」と信用信頼の関係になっているのもエモい。
そして「敵」を見れない「登場人物」と、じっくり観れる我々「観客」の差。この辺りがすごく上手いなぁと感じました。見ちゃダメなのをじっくり見れる快感が生まれてオモシロポイントUPです。(しかも天候の良い障害物のほとんど無い空間なのでよーく見れる。)
そして最後にこの2つの要素を上手く使って、最初は不安を煽りながら今後の展開への種蒔き、話が進むにつれてシチュエーション毎にホラー的な恐怖、更に終盤は解決までのカタルシスと感情の激しい推移が自分が初見で一番楽しめたオモシロポイントです。
中盤迄は「怖ぇ〜」「やめてぇ〜」とかドキドキしていたくせに、終盤以降は「いけーーー!」「うぉおおーーーぉ」「やったぜ」という自分の感情が推移していく様はこの作品が何のジャンルなのか分からなくなる程。
え?ホラー?サスペンス?SF?西部劇?
動物の名前毎に分けたキャプチャーで何がメインなのかを示している感じですかね。
単純にパニックムービー的に観るのもイイし、アレやコレやと意図を考えるのも楽しい作品。
正解かどうかは分からないけど、個人的にはそこそこ分かりやすいので考察し甲斐もありました。