前例はない

入社した時、総合職同期17名中女性2名。全社で4人目と5人目でした。
一般職女性も結婚する時は退職が当たり前。

後で知ったのですが、一般職女性が結婚すると皆退職していたのは中都市名古屋だけ。地方の工場では勤め続ける女性が多かったそうです。
理由は、地方では、一部上場の会社の正社員なんて好遇を逃したら後がないこと。親世代との同居が多く家事や子育ての協力を得やすいこと。
一方中都市では、結婚退職しても働きたければ何かしら口はあるから大勢に従って辞めたのではないかとのことでした。

ともかくも、私の所属する中都市では結婚して働き続けた女性がいなかったのです。このことから…
結婚することを、仲の良かったオジさんに言ったら、オジさんは自分の仲良しに、「◯さん結婚するらしいよ」と伝え、その仲良しさんは私に、「◯さん、辞めるんだって?」と言ってきました! 仲良しさんの頭の中では、結婚イコール退社する、だったのです。
このため、私は周囲に、「結婚するけど辞めないよ」とセットで言いふらすことになりました。

もっと小さなことで言えば、会社の車に乗るには、会社に届出が必要でした。仕事で必要なので、その届出をしたいと課長に申し出たところ、前例のないことに臆病な課長は、男性部下に「女性が会社の車を運転するのは前例がないけどどう思うか?」と相談したそうです。相談された部下は、「問題ないんじゃないですか。女性の先輩がいないのだから前例がないのは当然でしょう」と答えてくれて、仕事に必要な時、自分で会社の車に乗れるようになりました。

女性の先輩がほとんどいないのだから、女性の前例はないのだ!(善きにつけ悪しきにつけ)


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