＊詩＊　鮭のきり身

あなた　北海道からいらしたの?

北海道と言っても広いわよ
どちらから?

なんですって!
鮭で名高い　知床は斜里の町から

それで　
いいのかしら　私で?

私　焼く女よ
かなりしつこく焼く方なの

まぁあなた　それでもいいの?

見かけによらず
はっきりと言うのね

いいわ　焼いてあげる!　
骨までしっかりと　

こんなに私を本気で
焼かせるなんて

あなた　ただ者じゃないわ

流石だわ!　

そう　あなたは熊から逃れ
船やトラックを乗り継いで
来てくれたんだもの

負けたわ！　私の負けね…

あなたの匂いが　
無口なあなたを教えてくれる

もう十分　よくわかってるわ
あなたをすべて受け入れるつもりよ

そして明日も焼くわ…
それもひつこくね…

ありがとう　貴方

そしてさようなら　貴方