今更ながら、やっぱり歯は大事。
2年前の10月、私は歯科大病院で『歯根のう胞』の手術をした。
自宅近くの歯科医院に通っていたが、そこでは取る事はできないと言われ、歯科口腔外科のあるところへ行ってくれ、と言われた。
その歯科医院は一般歯科だった。
ちょうどその頃、実家の母が腰椎骨折で入院したと連絡があったところだったので、実家の近くの口腔外科がある歯科医院に通うことにして、紹介状を書いてもらった。
そして実家に帰った。
私が住んでいる所はとにかく田舎で、大きな病院は別として、普通の街のクリニックを探したくても、ほとんどHPは持っていない。
ところがさすがに大阪は、どこの歯科医院にしようか迷うほどにnetで探すことができる。
実家に帰って、退院してきた母の世話をしながら、歯科医院探しにタブレットと数日にらめっこ状態だった。
母は昔から歯が丈夫だった。だからなのか、私たち姉妹が小さい時から、歯に関しては結構ほったらかしだった。
あんなに「アンタらはお母ちゃんの言う事聞いといたらええねん!」となにかにつけて指図していた母なのに、歯に関しては何も言わない人だった。それをいいことに、姉も私も歯には無頓着だった。
私は小学校低学年の頃から虫歯だらけだった。
母はそれでも「子供の歯は生え変わるから」と言って特に構う事はなかった。
もちろん、中学、高校と大きくなったら歯が大切な事くらいわかるのだから、自分自身の責任なのだけど。心の奥底で“母のせいで…”という思いが燻っている。
今から10年位前に歯がボロボロになって、咀しゃくし辛くなり、そこでやっとコレではいけないと思ったという、私はなんとも恥ずかしい大バカ者なのだ。
実家に帰ってから通った歯科医院は歯科大出身の先生で、入院から手術とスムーズに繋いでくれた。
1週間の入院で、無事退院したあとも、歯科医院に通い続け、徹底的に治療してもらった。ただ、やはり私の歯は状態があまり良くなくて、ブリッジの柱になってる歯がすでにグラついているのだ。もしその歯がダメになったら、入れ歯になってしまう。それだけは何が何でも避けたい。
先生からは「頑張って、もたせるだけ、もたせましょ」と言われている。
「もたせる為にはどうすればいいですか?」と聞くと「口の中の細菌を増やさないことですよ」と言われた。
それまで歯間ブラシと歯ブラシだけだったが、歯間ブラシ→フロスピック→ブリッジ用フロス→歯ブラシ→gumナイトケアで、やっと眠りにつく。
ナイトケアとブリッジ用フロスは夜だけ。
熱が出てようが、どんなにしんどくても、これだけは外せない。
もう危機感バリバリなのだ。今更ながら。
今は自宅に戻っているので、歯科口腔外科がある歯科医院を探してそこに月イチでメンテナンスしてもらってる。
母は91歳にして、治療している歯があるとはいえ、全部自分の歯なのだ。
昔から特にせっせと歯を磨いているワケでもないのに。
豆菓子が好きで、今でもバリバリと美味しそうに食べるのだ。
母の世話をしていたが、食事に気遣う事がないので楽だ。
もちろん、塩分やら、糖質やらそのへんはまあ考えて作ってはいたが、特にやわらかい物にしないといけないとか、細かく切らないといけないとか、それがないのでソコは良かった。
ペットボトルのフタが手で開けられないと言って、おもむろに口にくわえ、歯でグリっと回して開けた時にはさすがに驚いた。
いくつになっても、肉でも何でも食べられるということは、生きていく上で本当に大事なんだと母を見ていてつくづく思う今日この頃である。