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新緑の渓①
今年は以前から憧れていた渓流釣りをついに始めた。
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朝5時に車中泊から目覚め、車の外に出てみると想定外の寒さに身が縮む。急いで車の中へ引っ込み、外気温を確認するとなんと7℃。新緑の季節とはいえ、山間部を侮ってはいけないようだ。
眠気は寒さで何処かへ行ってしまったので、早速ポイントへ向かう。同行者と2人、林道を1時間ほど歩いたところで入渓地点に到着。ここは初めて来る場所だ。かなり深い谷にある源流で、人はほとんど入っていないだろう。
タックルをセットして釣りを始めると、すぐに元気のいいヤマメが応えてくれた。同行者と代わる代わるキャストしながら釣り上がると、今日は活性が高いようで多くの反応があり、思わず夢中になって写真撮影が疎かになる。
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滑落すればおそらく死ぬであろう場所を何度か乗り越えて進む。街中で暮らしていてこれほど死を身近に感じることはまず無い。
何度か尺に絡むサイズのヤマメからのコンタクトがあったが、残念ながらキャッチには至らず。ずいぶん川が細くなってきたところで同行者が泣き尺をキャッチ。
良型を立て続けにミスしていることに少しの焦りを感じつつ、いよいよ釣りの続行が難しいほどに川が細くなってきたところで小さな落ち込みが現れた。
「今日はここで最後にしよう」
そう同行者に伝えると、場所を譲ってくれた。少しずつコースを変えながら、D-コンパクトを丁寧にアプローチしていくと、3投目に落ち込みの泡の中で魚体が翻るのが見え、ブランシエラが曲がった。慎重にファイトして無事にキャッチしたのは、その日の私の最大魚だった。
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この1尾で満足し、この日の釣りを終えることにした。
しかし、ここから苦労することになる。現在地と退渓ルートである林道の標高差は400m以上。そして、林道に辿り着くためには45度以上ありそうな斜面をひたすら登らなければならない。さらに、林道へ出ても車を停めた場所まではかなりの距離があった。
結局、1時間以上かけて斜面を登り、林道を2時間ほど歩いても車まで辿り着けなかったのだが、通りかかったトラックのおっちゃんが私たちの車が停めてある場所まで乗せてくれた。ありがとうおっちゃん。
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疲れ果てたのでタックルを片付け、近くの銭湯へ行って疲れを癒した。ハードに動いた後の銭湯は最高だ。
さっぱりした後はジョイフルにて唐揚げ定食をビールで流し込み、車へ戻って泥のように眠ったのだった。
②に続く