【随時更新】日本映画のなかのお祭り
日本映画の中に登場する「お祭り」を随時まとめていきます。
日本人にとっては身近すぎてあまり振り返ることもない、ふとしたシーンの場面で使われる「お祭り」の扱われ方から、無意識の中に持っている「お祭り」とは一体なんだろうか、というものが見えてきたら良いなと思います。
いつ、誰にとって、どんなシチュエーションで、どんな感情や営みのなかで、どんな場の装置として、お祭りは効果を発揮しているのだろうか。
それを言葉や写真で表すのではなく、映像で表すことは、説得感が大きい。
映画の中だけの限定のフィクションとして創作されたお祭りは、その監督のお祭り像というものが浮かび上がってくるでしょう。
地域に伝承されている実際のお祭りであれば、その時代の貴重な映像資料としてもみることができます。(また、監督がなぜその祭りを選定したのか気になるところでもあります。)
お祭りと一言で簡単に言い表しているものですが、人や地域によってずいぶん違うようです。その違いや共通の概念などをみてみたいです。
なお、ここで挙げられる映画は、基本的にアマゾンプライムかGYAOでの配信の中から、脈絡のない個人のペースで、映画を観ている時に見つけたものを随時挙げています。選定される映画にはかなり偏りがあると思いますが、ご了承ください。
まだまだ勉強不足ですので、お祭りが登場する映画の情報も教えて頂けますと幸いです。
■『村祭』(1930)
監督:大藤信郎
歌:平井英子
制作:千代紙映画社
童謡「村祭」を千代紙でストップモーションアニメ化した作品。
獅子舞や御神輿の動きがとてもかわいいです。
■『兵六夢物語』(1943)
監督:青柳信雄
出演:榎本健一/高峰秀子
兵六は狐に化かされるなか「吉野のお祭り」に遭遇する。踊りの担当は、「東宝舞踊隊(日劇ダンシングチーム)」。
■『ゴジラ』(1954)
監督:本多猪四郎
制作・配給:東宝
劇中の架空の島・大戸島での神楽のシーン。
大戸島ではゴジラの言い伝えがあり、その時にはじまったという神楽が継承されているという設定。
ロケ地となった三重県鳥羽市鳥羽の賀多神社で奉納される能と衣装が使われている。楽曲は伊福部昭の作曲。
■『浮草』(1959)
監督:小津安二郎
出演:中村鴈治郎/京マチ子/若尾文子
直接的なお祭りの描写はなかったが、お囃子の笛の音や提灯が見られる。
■『雷電』(1959)
監督:中川信夫
出演:宇津井健/北沢典子
■『南國土佐を後にして』(1959)
監督:斎藤武市
出演:小林旭/浅丘ルリ子/南田洋子
主人公が故郷の土佐に帰ってくると、ちょうど土佐よさこい祭りと遭遇する。主人公は祭りに目もくれず、踊りの集団を横切る。
■『キクとイサム』(1959)
監督:今井正
出演:高橋エミ子/奥の山ジョージ/北林谷栄
■『有難や節 あゝ有難や有難や』(1961)
監督:西河克己
出演:和田浩治/清水まゆみ/吉永小百合/守屋浩
ラストのシーンで、豊川稲荷の例祭で守屋浩「有難や節」を踊る。
■『大森林に向かって立つ』(1961)
監督:野村孝
出演:小林旭/浅丘ルリ子/白木マリ/丹波哲郎
伊那の山々での林業運輸を舞台とした出稼ぎ物語。
伊那市駅前の盆踊り大会が登場します。生歌生演奏での伊那節?
人がたくさんいて賑やかいです。
■『日本の夜 女・女・女物語』(1963)
監督:武智鉄二
1960年台の高度経済成長での、日本各地における女性たちの性事情についてのドキュメンタリー映画。
群馬県吾妻郡長野原町に伝わる「川原湯温泉掛け祭り」の様子が登場。
都心部の祭りとして田植え祭りの早乙女の行列が出てくるが、地域や祭りの名称は不明。
新潟県十日町の雪まつりでの着物ショーが登場。
■『眼狂四郎 魔性剣』(1965)
監督:安田公義
出演:市川雷蔵
■『神々の深き欲望』(1968)
監督:今村昌平
出演:三國連太郎
島の重要な行事である、どんがま祭りが登場。
主人公が島を脱出する際に、面をつけて追いかける。
■『男はつらいよ』(1969)
監督:山田洋次
出演:渥美清/倍賞千恵子
映画冒頭での柴又・経栄山題経寺の御会式での万灯練り供養のシーン。家を飛び出して20年経った寅次郎が、纏を奪い威勢よく練り歩く。
(この万灯練り供養は現在では行われていないようです。)
再び放浪の旅に出た寅次郎。
商売として、どこかの港町のお祭りで露天商する。ここでも向上が冴えている。
「信州信濃の新蕎麦よりも わたしゃあなたのそばが良い」
「お前100までわしゃ99まで ともに白髪の生えるまで」
この全国的に有名は小唄は寅さんでさらに広まったりしたのでしょうか。
■『ズンドコズンドコ全員集合!!』(1970)
監督:渡邊祐介
出演:ドリフターズ
配給:松竹
港の祭りに村芝居として、各地を回って興行している一座がやってくる。
地元に芸能を持ってなくてお祭りの時に他所からお願いをするっていうのは、こういう雰囲気だったんだろうな。役者のことを河原乞食と呼びつけているのも興味深い。
■『春だドリフだ全員集合!!』(1971)
監督:渡邊祐介
出演:ドリフターズ
配給:松竹
芸者の文子(長山藍子)と真打を目指す落語家(左とん平)が、近所の水天宮(所在は不明)の縁日にて逢引き。お互いの秘めた思いを伝え合う。
■『祭りだお化けだ全員集合!!』(1972)
監督:渡邊祐介
出演:ドリフターズ
配給:松竹
オープニングから隅田川の映像とともに祭囃子の音が聞こえてくる。
東京都台東区の鳥越祭での様子。神輿を担ぐ、加藤茶・仲本工事・高木ブー。
(なお、映画タイトルに「祭り」と付くが以降のシーンではお祭りの描写はない)
■『隠し妻』(1972)
監督:小沼勝
出演:片桐夕子/
上京して帰郷した幼馴染とお祭りで主人公が結ばれる。(お祭りの描写は浴衣と神社とBGMの民謡のみ)
綿菓子を食べ合うシーンは絵として秀逸。他にも見どころの多い映画です。
■『大事件だよ全員集合!!』(1973)
監督:渡邊祐介
出演:ドリフターズ
配給:松竹
ヒロインの故郷として、秋田県の竿燈祭りが出てくる。ドリフターズたちが竿燈やお囃子を競い合いをする場面も。
■『チョッとだけヨ全員集合!!』(1973)
監督:渡邊祐介
出演:ドリフターズ
配給:松竹
路地の夏の縁日として登場。
■『しなの川』(1973)
監督:野村芳太郎
出演:由美かおる/仲雅美
新潟県十日町市?の地元のお祭りが登場。神輿や大名行列や祭り囃子。
夜には盆踊りが行われる。
父親に見合いを勧められるものの、丁稚奉公の存在が忘れられないよう。
舞台は佐渡に移り、鬼太鼓が登場。
■『バージンブルース』(1974)
監督:藤田藤八
出演:秋吉久美子/高岡健二
ゆるふわ女子と下心おじさんの脱力系ロードムービー。
■『四畳半襖の裏張り しのび肌』(1974)
監督:神代辰巳
出演:宮下順子/中澤洋
花街の芸妓の中で誘拐されて育てられた正太郎。幇間になりたいという目標があるが、性について感じるままそのまま乱れた生活を送る。その正太郎に迫りつつある戦争の話。馴染みの娘との海辺でのどんと焼きでの場面。
■『大地の子守歌』(1976)
監督:増村保造
出演:原田美枝子
女郎宿周辺でのお祭りの日。浮かれた男たちが歩いてやってくる。
■『青春の殺人者』(1976)
監督:長谷川和彦
出演:水谷豊/原田美枝子/市原悦子
配給・製作:ATG
主人公が両親を殺人した後の逃走中に「港まつり」という道路を封鎖して盆踊りをするお祭りに出くわす。
■『河内のオッサンの唄』(1976)
監督: 齋藤武市
配給:東映
出演:川谷拓三/岩城滉一/夏純子
■『昼下がりの情事 すすり泣き』(1977)
監督 : 白鳥信一
出演:宮下順子/山口美也子/絵沢萠子
姉のさなえが実家へ家族に会いにいく。隣でお祭り?があるようだ。
姉妹の会話のシーンのBGMにお囃子が鳴り続ける。
■『八つ墓村』(1977)
監督:野村芳太郎
出演:渥美清/萩原健一/小川真由美
ロケ地となった岡山県の、備中神楽が登場する。
■『時には娼婦のように』(1978)
監督:小沼勝
出演:なかにし礼/小沼絵里
東京で業界人を気取ってやりたいことをやりまくっていたなかにし礼が、青森に立ち寄り風俗に行く。今日はねぶた祭りであることを知らされる。
■『ヒポクラテスたち』(1980)
監督:大森一樹
出演:古尾谷雅人/伊藤蘭/柄本明
京都の医大が舞台で若き医学生たちのダルダルな青春の日々。
時代祭のバイトとして行列に参加をする。
■『悪霊島』(1981)
監督:篠田正浩
原作:横溝正史
出演:加賀丈史/岩下志麻
瀬戸内海の軽部島を舞台に、金田一耕助が島に伝わるという祭をめぐる事件を解決していく。
■『鬼龍院花子の生涯』(1982)
監督:五社英雄
原作:宮尾登美子
出演:仲代達矢/岩下志麻/夏目雅子
■『OH!タカラヅカ』(1982)
監督:小原宏裕
出演:美保純/ 冨家規政
製作:日活
男子より女子がたくさん生まれる宝塚島へ赴任してきた新米教師。
宝塚島の春祭りに、女の神様へ男の生き神様・おたね様として選ばれる。
島中の女性たちは、生き神様を目の前にして、一年の無病息災・家内安全・商売繁盛を祈ってやってくる。
おたね様を独り占めしようと半狂乱になる女性も現れた。
■『楢山節考』(1983)
監督:今村昌平
出演:緒形拳/坂本スミ子/あき竹城
楢山様へ捧げる楢山祭りの様子。地搗き唄?を唄って中央に山車を立てる。
■『瀬降り物語』(1985)
監督:中島貞夫
出演:萩原健一/藤田弓子
山の民・サンカとして生きる人々と、文明的な里にすむ人々との、葛藤とぶつかり合いの話。
ロケ地は愛媛県北宇和郡松野町。五つ鹿踊りや神楽など見どころ多数。
■『櫂』(1985)
監督:五社英雄
原作:宮尾登美子
出演:緒形拳/十朱幸代
制作:東映
高知の土佐が舞台。村?のお祭りのシーン。裏では賭け事が行われている。
(お祭りと賭け事の組み合わせは他でも見受けられる。筆者としては実体験としてはいものなので、当時の雰囲気が気になる。)
お祭りの詳細がわからないが、太刀踊りの奉納だろうか。高い声の音頭がとてもいい。実際の芸能としてあるのだろうかは不明。
■『吉原炎上』(1987)
監督:五社英雄
出演:名取裕子/二宮さよ子/藤真利子/仁支川峰子/かたせ梨乃
吉原での女たちの苦労と生活の様子が描かれている。かつての吉原俄や、鷲神社での酉の市、花魁道中まで華やかであるが、裏には女性の涙が。
■『肉体の門』(1988)
監督:五社英雄
原作:田村泰次郎
出演:かたせ梨乃、加納みゆき、山咲千里
男たちによる神輿が担がれる。(お祭りの詳細は不明)
■『死の棘』(1990)
監督:小栗康平
原作:島尾敏雄
出演:松坂慶子/岸辺一徳/木内みどり
ミホ(松坂慶子)の出身地である奄美・加計呂麻島での、美しい故郷の情景が描かれている。浜辺では火を囲んで、男女の掛け合いの歌で踊る八月踊りが行われている。
■『つぐみ』(1990)
監督:市川準
原作:吉本ばなな
出演:牧瀬里穂/中嶋朋子/白島靖代/真田広之/あがた森魚
ロケ地は西伊豆の静岡県賀茂郡松崎町松崎。
海の近くに住む少女たちの成長物語。
お祭りの灯籠流しに浴衣を揃えて出かけにいく。
伊豆半島は日蓮宗が盛んですね。反対側の伊東が祖父の家でしたが、もっとこじんまりとしたお盆の灯籠流し行事をよく覚えています。
■『陽炎』(1991)
監督:五社英雄
出演:樋口可南子/荻野目洋子/本木雅弘/かたせ梨乃
祭りの喧騒の中、博打が行われる。
■『寒椿』(1992)
監督:五社英雄
出演:西田敏行/高嶋政宏/南野陽子
■『四畳半色の濡衣』(1983)
監督:向井寛
原作:野坂昭如
出演:美保純/砂塚秀夫
遊郭の娼婦と医師の結ばれない恋愛物語。
■『落下する夕方』(1998)
監督:合津直枝
原作:江國香織
出演:原田知世/菅野美穂/渡部篤郎
鎌倉に出かけ、お祭りに遭遇する。
■『黒い家』(1999)
金沢の百万石祭りが出てくる。
街は祭りのにぎやかな雰囲気の中、ビルの中では内野聖陽が大竹しのぶから襲われる緊張感で漂っている。
■『ざわざわ下北沢』(2000)
監督:市川準
出演:原田芳雄/北川智子/小澤征悦/フジ子・ヘミング
下北沢が舞台の群像劇。
冒頭で北沢八幡宮の例大祭が出てくる。北沢八幡宮の天狗にも触れています。”下北沢らしさ”みたいなイメージなのでしょうか。
■『狗神』(2001)
監督:原田眞人
出演:天海祐希/渡部篤郎
高知県のある山奥の集落の狗神を祀る一族。先祖祭りというお祭りが継承されている。
■『たそがれ清兵衛』(2002)
監督:山田洋次
原作:藤沢周平
出演:真田広之/宮沢りえ/田中泯
武士の家の子供たちが、庶民のお祭りに参加し、獅子舞を楽しむ。
■『ニライカナイからの手紙』(2005)
監督:熊澤尚人
出演:蒼井優/平良進/南果歩
八重山諸島・竹富島を舞台にした、東京から帰ってこない母を待ち東京へ上京する少女のお話。竹富島のお祭りが出てくる。
(種子取祭だろうか)
■『やわらかい生活』(2005)
監督:廣木隆一
出演:寺島しのぶ/豊川悦司
全編蒲田でロケが行われた。大森 鷲神社の酉の市が登場してくる。
このお祭りの帰りにほおずきを買い、それがきっかけで二人の距離は縮まることになる。
■『妖怪大戦争』(2005)
監督:三池崇史
出演:神木隆之介/宮迫博之/南夏帆/佐野史郎/豊川悦司/栗山千明
鳥取の港境市が舞台。
地元の麒麟神社のお祭りで麒麟獅子(鳥取に伝わる民俗芸能として存在する)に噛まれて、その年の麒麟送子に選ばれる。
監修に、”プロデュースチーム「怪」”として、水木しげる/荒俣宏/京極夏彦/宮部みゆき。先生方が楽しまれて作っている感じがあります。
■『天然コケッコー』(2007)
監督:山下敦弘
脚本:渡辺あや
原作:くらもちふさこ
出演:夏帆/岡田将生
幼なじみたちと秋祭りに出かける。
舞台となる島根県浜田市三隅町の三隅神社での、「石見神楽(岡見神遊座)」による舞台奉納をながめる。「大蛇」という演目。
スサノオ役は知り合いらしい。
舞台上の演舞中の大蛇をつつくいたずらな少年たちも。神楽が敷居が高いものではなく、人々にとって馴染み深いもののようです。
画面から舞台の映像が消えても、環境音として鳴り響くお囃子の音が祭りらしさを表しています。
■『ノン子36歳(家事手伝い)』(2008)
監督:熊切和嘉
出演:坂井真紀/星野源
地方出身(おそらく秩父あたり)のノン子が東京への上京から、地元に戻ってくる。実家は神社であり、そこの神社でのお祭りが登場してくる。(ロケ地は秩父市・椋神社)
クレジットには貴布禰神社神楽保存会とある。
星野源は、ヒヨコ売りの場所を貸してくれなかった腹いせに、お祭りで電気鋸を振り回す挙行に出る。喜怒哀楽の色々な感情を爆発させるのもお祭りだなと感じた。
■『君が踊る、夏』(2010)
監督:香月秀之
出演:溝端淳平/木南晴香
よさこいの本場・高知が舞台。
病気の妹が「最後の夏になってもいいから、よさこいを踊りたい」というのをきっかけに、姉がかつて所属していたが今は解散しているチーム・いちむじんの復活にあちこち駆け巡る。
「よさこいは楽しく踊るのが一番やき」という台詞が印象的。
四万十川をはじめとする高知の美しい風景もたくさん登場します。
■『ソラニン』(2010)
監督:三木孝浩
原作:浅野いにお
出演:宮崎あおい/高良健吾/桐谷健太
バンドのオーディションのためにデモテープを提出した後、みんなで盆踊り会場?で手持ち花火を楽しむ。
もしかしたら夏季限定の野外フードコートかな?とも思ったが、浴衣を着ているのでお祭りに行ったと想定される。
■『八日目の蝉』(2011)
監督:成島出
脚本:奥寺佐渡子
原作:角田光代
出演:永作博美/井上真央
誘拐者・希和子が薫と安住を求めて逃亡先にした香川県小豆島での場面。
国定重要有形民俗文化財に指定されている中山農村歌舞伎舞台での、「中山農村歌舞伎」。現在でも10月に地域の祭りとして歌舞伎が上演される。小豆島としては、他に「肥土山農村歌舞伎」も継承されている。
7月の「虫送り」という田の害虫祓いの行事。
火を灯した松明を持って棚田の間を「灯せ、灯せ」と練り歩いていく。
希和子と薫は、虫送りの灯りの作る幻想的な風景の中に包まれる。
ここで撮られたアマチュアカメラマンのフォトコンがきっかけで、全国に身元がばれて逮捕される。幸せな時から一転する。
また、この映画がきっかけでロケ地の中山地区では休止していた虫送りも復活する。中山地区の棚田は南北朝時代から形成されて、「日本の棚田百選」にも選ばれている。
■『希望の国』(2012)
監督:園子温
出演:夏八木勲/大谷直子/村上淳/神楽坂恵
妻がボケてしまい被災地を離れずに暮らす夫婦の、地震後の一面雪の積もった風景の中で、盆踊り(炭坑節)を踊るシーンが凄まじい。
■『東京家族』(2013)
監督:山田洋次
出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣
■『WOOD JOB!神去なあなあ日常』(2014)
監督:谷口史靖
原作:三浦しをん
出演:染谷将太/伊藤英明/長澤まさみ/優香/マキタスポーツ
林業研修で都心からやってきた研修生(染谷)が、神去村で伝わるごんぼ祭に、よそものとして参加する。
■『盆唄』(2015)
監督:中江裕司
出演:福島県双葉町の方々
震災によって故郷が失われ、住まいがばらばらになった福島県双葉町での盆踊りを追いかけるドキュメンタリー映画。
■『ピース オブ ケイク』(2015)
監督:田口トモロヲ
脚本:向井康介
原作:ジョージ朝倉
出演:多部未華子/綾野剛/松坂桃李/光宗薫
お祭りのデートの最中で、不安定な恋人同士の関係にケジメをつけるかのように「しのちゃん、大好きだよ」と告白をする。
ロケ地は、東京都杉並区にある下高井戸八幡神社。
■『リトルフォレスト 春編』(2015)
監督:森淳一
原作:五十嵐大介
出演:橋本愛/松岡茉優
撮影場所:岩手県奥州市衣川区大森
地元を離れ都会での生活をした後、Uターンで戻ってくる主人公のいち子。
熱心に子供神楽を取り組んでいた経験から、大人になっても神楽にまた参加をする。
舞っている映像の合間に、地元の風景も差し込まれ、地元に生きていく決心を、身体からかみしめているようにも見える。
四季折々の生活とカラフルな衣装を纏った神楽の映像が融合していくシーンは、生活と踊りが切り離されているものではなく、地続きなものだというようで本当に美しい。
■『白河夜船』(2015)
監督:若木慎吾
原作:吉本ばなな
出演:安藤サクラ/井浦新
「白河夜船」とはぐっすり眠り込んで何が起こったのかわからないこと。
寺子(安藤サクラ)は岩永(井浦新)と不倫の関係である。岩永の奥さんは植物人間となり目覚めないようだ。寺子の行き当たりのない想いはどこに行くのか。
ラストのシーンで隅田川花火大会に出かける二人。大勢の観客に揉まれながら、ビルの隙間から花火が見える位置を見つける。夜空に打ち上がる花火に歓喜をあげる岩永と、黙って岩永にしがみついて見つめる寺子。
■『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)
監督:真利子哲也
出演:柳楽優弥/菅田将暉/小松菜奈/村上虹郎
音楽:向井秀徳
愛媛県松山を舞台に、若者たちが行き場のないエネルギーをとにかく暴力で排出していく内容。観ていて結構しんどいところも。主人公たちの出身である松山ではケンカ祭が盛んなようです。暴力に昇華するところもそういう土地柄なのか。
クレジットには湊松嶋大明神社とあったので、こちらのお祭りの様子でしょうか。
■『溺れるナイフ』(2016)
監督: 山戸結希
原作:ジョージ朝倉
出演:小松菜奈/菅田将暉
物語の中で二人にとって特別な場所である「月ノ明リ神社」の、架空の「喧嘩火付け祭り」として登場する。
この祭りのモデルになったのは、和歌山県新宮市の「お燈祭」。
(個人的なぼやき感想。太鼓の囃子のリズムが現代風で単純でださい。祭りを儀式的に撮りすぎ。焦点がぼやけた記号的な祭りになっていて深みがない。よさこいか。こういうものが多くの人にもたらす影響も考えてほしい。)
■『映像歳時記 鳥居をくぐり抜けて風』(2016)
監督:池田将
お燈祭のシーンがある。
■『廻り神楽』(2017)
監督:遠藤協/大澤未来
製作・配給:ヴィジュアルフォークロア
岩手県宮古市に伝承される黒森神楽。お正月には各地の集落をまわり門付を行う。震災後も門付巡回を続ける黒森神楽に密着取材したドキュメンタリー映画。
■『花筐』(2017)
監督:大林宣彦
原作:檀一雄
出演: 窪塚俊介/矢作穂香/常盤貴子/満島真之介/長塚圭史/山崎紘菜/柄本時生/門脇麦
戦時中の佐賀県の唐津市で葛藤する若者たちの物語。
唐津くんちの山車やお囃子が映画後半から重要な要素として登場する。
■『来る』(2018)
監督:中島哲也
出演:岡田准一/黒木華/小松菜奈/松田たか子/妻夫木聡
霊媒師・琴子の呼びかけで、全国から神職・僧侶・巫女・イタコ・ユタ・修験者・ムーダンなど色々なジャンルの霊媒師が集結。
知紗に取り憑いた霊をお祓いするため、除霊儀式が行われる。
いつもお祭りで見ている神楽って、儀式なのだなと思いました。
■『惡の華』(2019)
監督:井口昇
原作:押見修造
出演:伊藤健太郎/玉城ティナ/秋田汐梨
高男と佐和が地元の祭りである「桐生八木節祭り(群馬県高崎市)」での櫓を占領し、焼身自殺を試みる。踊りの熱気で沸いていた会場は、緊張感のある空気へ一変する。
■『火口のふたり』(2019)
監督:荒井晴彦
出演:柄本佑/瀧内公美
元恋人同士のふたりが、彼女が結婚前に時間が空いているのを良いことに、数日間の逢瀬(浮気)をする。いよいよお別れという日に、亡者踊りと呼ばれる秋田県羽後町の国重要無形民俗文化財で日本三大盆踊りのひとつの「西馬音内盆踊り」に出かける。