叱っている間でも…「先生!」と意見を言える関係を作る
教員として「どのように指導するか」ということを考える前に、必要なことがあると考えるようになりました。
それは、「どのように関係作りをするか」ということです。
この前、こんなことがありました。
私は研究員のリーダーをやっています。そろそろ研究発表会があり、どのような計画にしていくかを人に任せました。
出てきた計画は、私が考えている研究内容とそぐわないものだったので、変更すべきと自分の意見を伝えました。
すると、一緒に座っている研究員仲間から様々な意見が上がりました。
中身は、リーダーが任せた人が自分たちで考え、準備したものを変えるべきではない、というものでした。
「みんながプレーヤーになる」という私の理念に沿って意見してもらったため、納得できるものでしたので素直に受け入れることにしました。
ここで私が「いいな」と思ったのは、リーダーの自分に対し、仲間がいつでも意見が言える関係性を築いていたことです。
これは担任としても、同じく重要だと思っています。
担任に対し、いつでも子どもから意見を言ってもらえる関係性を築いておくことが、学級を経営していくうえで、とても意味があります。
私が元気でやんちゃな男子を叱っていたときのこと。
授業中だったので、みんながいる前で叱っていました。
ここまでは、自分としてはそんなに珍しいことではないのですが、こんなことが起こりました。
私が叱っているとき、
「先生!いいですか?○○君も反省していると思うので、こういうのはどうですか?」
というように、私が叱っている途中で代案を出して、受け取る子がいるのです。
私はその子の言っている代案に賛同し、お説教は終了して授業に戻りました。
さて、私が叱っているという状況の中、意見を出してくれたこの子は、リーダーとか、勉強ができるとか、そういった子ではなく、「天然」と周囲に言われるようなユーモアがある女の子でした。
いってみれば、非常に自然体の子です。
叱られているという状況は緊張状態になるので、声を出しにくくなるのが普通です。
だからこそ、その子は使命感から言っている感じではなく、本当に素直に伝えてくれます。
私も、そういう子がいると、客観的に自分のことを見つめることができ、とてもありがたいと感じています。
普段から、子どもたちからなんでも言ってもらえる関係を作ること。
これが、どのように指導するか、よりも重要なことではないかと思っています。
三浦健太朗
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