4年生 小数の倍 感覚から入る割合授業の提案【終末・成果と反省】
倍のイメージは?と子どもたちに訊ねると、「増える」「大きくなる」「長くなる」など、もとの数よりも大きくなることをイメージします。
私たち大人も同じ感覚ではないでしょうか?
4年生の小数の倍を学習した後で、0.5倍などの もとの数よりも小さくなる「倍」について学習します。
しかし、子どもがもとから持っている感覚からの理解は難しく、数値による計算上だけではイメージがしにくい。
そんな課題を解決しようと、これまで2回に渡って投稿してきました。
まだの方はこちらからお読みください。
実際の授業
【終末部】
「0.5倍だ。」
子どもたちは、もとにする量を1として÷2をしたことで、0.5倍を導きました。
しかし、最初にもっていた子どもの「倍」のイメージを大切にしたいと考え、今回の倍との違いを考えていく終末部になります。授業終了まで残り10分を切ったところです(笑)
「今日、みんなが最初に言っていた「倍」の話と違うよね。」
「今までは倍は、増えるイメージがあった。」
「あっ、減っているね。」
「減ることもあるんだ。」
「0.5倍だ。」
「でも、どうして減る場合があるのかは自分たちで今日見つけたんだよ。」
「えっ?」
「同じ長さのときは1倍。」「だけど、それより短いから。」
「1より小さくなるから0.5倍。」
「あーーーーー!」「なるほど。」
「だから、倍を使っても、小数を使えば減る場合があるんだね。」
倍の概念を感覚的に捉え直す瞬間がありました。「最初にもっていた「倍」のイメージと違うよね。」と問うことで、数値での0.5倍の意味を振り返る場面になりました。最初は多くの子どもが、0.5倍が数値のみでの理解になっていたのではなかったのかなと思います。しかし、もとの長さよりも小さくなる場合に0.5倍があることをイメージをもちながら理解することができました。
適用問題
じゃあ、赤の長さが30cmです。緑の長さが15㎝です。
緑は赤の何倍でしょうか?
「緑は赤の何倍でしょうか。」「緑は赤の何倍でしょうか。」「緑は赤の何倍でしょうか。」・・・。
打ち間違いではありません。何度も子どもたちからこのような声が聞こえてきました。
「あっ、2倍だ。」
「うん?」
「0.5倍?」
「緑は赤の何倍でしょうか?」
「2倍!」
「・・・。あー、ちがう。ちがう。ちがう。」
「えっ。まって、ちょっとわかんなくなってきた。」
「赤をもとにしているから・・・。」
「緑は赤の2倍だと黄色と同じになっちゃうから。」
「赤をもとにして考えるから・・・。」
「じゃあ、赤をもとにしているから赤を1と見て考えると・・・。」
適用問題はやらなくてもよかったなと反省しています。時間がない中で、数値を入れても扱いは次時に行う予定であったので、オープンエンドで終わってもよかったと思います。
しかし、適用問題を扱ったことで子どもたちの課題も見えてきました。
・数値が入ることで、小さい数を大きい数で割ることに対して抵抗がある。
・〇は△の何倍?といったように言葉による混乱。
このあたりを丁寧に解消していくことが今後必要だと思いました。
【成果と課題】
終わりに
子どもの感覚的理解から入る割合はどうだったでしょうか。
まだまだ改善の余地はたくさんあると思います。ぜひ、ご意見いただければと思います。
割合は、子どもが躓きやすい単元の1つとしてよく上げられますが、実は高学年の前にもいくつかハードルがあることがわかりました。それらのハードルをいかに超えていけるかがポイントではないでしょうか。
他の単元においても、子どもの持っている感覚と実際のズレを活かした授業を今後も考え実践していきたいと思います。
今回の授業内容を「授業てらす」サロン企画で、6月あたりに授業公開を行う予定です。お時間あれば参加して頂ければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
てらす1期生 かずにぃ
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