磨け、授業力。岩本先生から頂いた学び
私が図工の授業に取り組む際、頭を悩ませている問題があります。それは子どもたちの技能の格差です。世の中に絵が得意な人、苦手な人がいることからもあきらかで、技能の壁が子どもたちの前に大きく立ちはだかっているように思います。「体育」の技能では跳び箱5段がとべなくても、3段ならとべた、と自身の出来たポイントを見付けやすく、認めやすい。しかしながら図工はそうではありません。最後に完成した作品のクオリティが全てで(もちろんそうではないにしても)、下書きが上手くいっていても色塗りに失敗した。だからこの作品は駄目だ、と自身が表現したいと思ったものを創造できない技能に絶望している子どもたちは数多くいるように思えます。
しかもこの技能は大変複合的で多面的なものです。平面の単元ならば、画面の構成力(デザイン力)、デッサン力、色彩感覚など、言語化しにくい技能がモザイクアートのように組み合わさって構成されています。立体だとより複雑怪奇です。教師もそういった点から、子どもたちの表現できない! という苛立ちに対してどのようなアプローチを掛けていけばよいのか頭を悩ますことが多いのではないでしょうか。
岩本先生の提示された実践は以上の問題に対する一つのアプローチに思えました。作品の仕上げにおいてICT(Adobe)を活用したコラージュにすることにより、技能の差が工夫とアイデアによってある程度縮めることができます。いわゆる「絵の上手さ」に本質を置くのではなく、その後の画面の再構成にゴールを置き、しかもAdobeの数々のハイクオリティな素材達が子どもたちの表現をアシストしてくれる、まさに現代の図工教育だと感じました。
才覚だけに左右されない、誰もが工夫や努力次第で素晴らしい作品を表現できる教育を私も目指していきたいと思います。
磨け、授業力。MOVE ACTION 参加者 じみー
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