樋口万太郎先生のICTワークショップに参加して考えたこと
こんにちは。気候が不安定な毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。体調を崩されないように、適度に力を抜いて過ごせることを願っています。
この記事での私の立場
私は、授業てらすに教育実習生として参加し、教職に就くため学習を進めている大学生の のりです。
この記事では、現場を知らない大学生として、4月22日、樋口万太郎先生のICTワークショップに参加して、現場で起こっている状況に対して意外に思ったことや、子どもたちの前に立った時に意識しておきたいことの記録、大学でICTを使って学習を進めている学習者として感じたことについて書いていきます。
ICT活用編
1.板書の意義
小学校で、一人一台タブレット端末が配布されているこの時代に、板書をどのように行うのかについては、日々悩んでいました。そもそも、板書は必要なくなっていくのではないかとも考えていました。
今は、タブレット端末やICTの活用が日常に溶け込みすぎて、板書をする方が子どもが顔を上げることが多いという逆転現象が起こっているそうです。
大学の講義を受けていても、それを実感することがあります。私は、プロジェクターに映されたスライドを見て、ノートもWordに取ります。時々、チョークの音が聞こえたり、プリントにメモを取る活動があると、頭が冴える感覚を覚えます。
板書は、曖昧な子供の表現を、整理された表現物として書き留めることで、学びを深めていくという意義があります。
板書は、内容の提示、見通し、思考の流れ、学びの共有に適しています。
タブレット端末は、スピード感、保存、取り出しのしやすさ、家庭と学校のシームレスな学びができます。
それぞれの良さを活かして、使い分けることが重要だと思います。目的がただタブレットを使うことになっていないか、立ち止まって考える必要があると思いました。
2.タブレット端末を使うときは
また、個人の学習で終わっていないかということも考慮する必要があると思います。
自分だけの端末で、こうしてみようかなと思ったことをすぐ実行・検討できるタブレット端末は、児童の手元で起こっているため、どんな学びをしているかがわかりにくいです。
タブレット端末を使う授業は、図工や体育の授業と同じように考えるといいと樋口先生はおっしゃっていました。
図工や体育の授業で、黒板の前に立ちっぱなしでいる先生はいないと思います。子どもたちを見て回らないと状況がわからない。
それと同じで、タブレット端末を使うときは、黒板の前から離れ、教室内を歩き回ることが重要だそうです。そうして学びを全体共有することが重要です。現場に出る前に、学校に来て皆で学習する意味は何なのかを考えていく必要があると思いました。
授業の工夫編
ここからは、ICT活用という視点からは少し離れますが、私が書き留めておきたいことを書きます。
1.取り上げたい考えが出てこないとき
これは、模擬授業や指導案を作っていて、自分の発問が抽象的だったり、複数回答がある場合などに、私が経験したことがある場面でした。これまでに出てきた解答で十分素晴らしいのに、授業の進行上、出てきてほしい考えが出なくて、無言が続く…。よくあります…。
子どもたちは、自分の答えをもっているのに、こちらの都合で別の解答が出てくるまで考えさせることは、意味がないとおっしゃっていました。授業が、先生が言ってほしい答えを当てる時間になってしまうことは避けたいです。
そういう時は、実はもう一つ答えがあるんだよ、と言って教科書から答えを探すということを行っているそうです。子どもたちは、先に答えを言っても意欲的に学習に取り組むことができます。そこから、違う児童に説明したり、共通点を探したり、条件を変えたりなど統合・発展的に学習を展開していくことが重要ということでした。
2.学習の枠組み作り
個別最適な学び、自由な学習とよく耳にしますが、具体的にどうしていくかということはサッパリわかりませんでした。
樋口先生は、あえて型を作ることで、子どもたちの自由度が増すとおっしゃっていました。数と計算でも、小数同士の割り算でも、何でもこのパターンという学習の枠組みを作ることで、安心感を持って学ぶことができます。
きっと次はこれだから、先にやっておくかといったように、個人の進度で学びを進めることができます。なんでもやらせる、放っておくだけではどう自由にしていいかわからないので、この中なら自由にできるという枠組みがあった方がかえって自由にできるのだと思いました。
最後に
今回は、初めての対面での学習会で緊張しましたが、大変学びの多い時間を過ごさせていただきました。かなり内容を絞って記述させていただきましたが、このほかにも実習や現場で実践してみたいことがたくさんありました。
私の稚拙な文では力不足ですが、少しでも学びが伝わっていれば幸いです。
ここまで読んでくださった方に、感謝申し上げます。
のり