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中野裕己先生から学び得たもの

はじめに

授業てらすに入って1年が経とうとしています。
「え?まだ1年しか経っていないの?」
と思うほど、非常に濃い1年間だったと感じております。
それだけ学びの多く、そして私自身の教育観に大きな変化があったのだろうと感じます。
特に、中野先生のセミナーを受けたり、直接お話を伺ったりするなかで学び得たものが大きかった1年間でした。

1 授業での教師のかかわり方

「子どもの前に君臨しない。」
中野先生がよくセミナーやお話のなかでおっしゃる言葉です。

子どもと一緒に学ぼうとする姿、子どもの前だけでなく、てらすメンバーである我々とも共に学んでいこうおっしゃる姿。中野先生の学び手を一番に考える教育観に刺激を受けた1年間でした。

最近の私は、黒板の前に立つことが少なくなりました。
子どもと一緒に黒板を見つめる、子どもの発言をいっしょに聞く時間を大切にすることができるようになりました。

2 教材の矛盾を指し示す

「教材の矛盾?」
中野先生は物語文のセミナーのなかで「教材の矛盾を指し示す」という手立てについて説明してくださいます。しかし、国語力のない私には、理解の難しい手立てであり、1年間授業を行いながら追求していきました。

どのように教材分析すれば教材の矛盾に気付くのか、正直悩みながらの1年間でした。

しかしながら、その疑問は子どもたちが解決してくれました。
「サラダで元気」の指導を行なっていた9月。
「サラダで元気」とは、中心人物のりっちゃんがお母さんを元気にするために、サラダをつくっていく物語です。いろいろな動物が、サラダに入れるとよい具材をおすすめしてくれ、りっちゃんはそのアドバイスを聞いてサラダに具材を入れていきます。

授業を進めるなかで、子どもたちは教材文の矛盾に気付きます。

「先生、馬さんのときだけ、りっちゃんが入れたかどうか分からないよ。」
私は「ん?」と思いましたが、確かに、
馬以外の動物がりっちゃんにアドバイスしたときは、「入れた」と分かる言葉が記述されているのに対して、馬がにんじんをおすすめしたときだけ、「入れた」と分かる表現がないのです。

言葉が書いてあるかないかだけの「矛盾」ではないと思いますが、私は教材の矛盾を子どもといっしょに探していきたいと思うようになりました。

3 子どもが学ぶ過程を観察する

「ペアと机を近づけてご覧。」
中野先生の授業動画を見て、私が一番興味・関心を高めた指示です。
机を近づけて考えるペアの子どもの姿は多様であり、中野先生は、その姿を子どもの学ぶ姿として丁寧に解説してくださいました。

私も自分の授業で同じ指示を出してみました。
・始めから自分一人で考える子ども
・始めにペアと相談してから一人で考え始める子ども
・始めから最後までペアと一緒に考える子ども
・始めは遊んでいるが、ペアの様子を見て考え始める子ども
・「それぞれで考えて後で相談し合おう。」と計画を立てる子ども

机を近づけるだけで、子ども一人一人の学び方が見え、同時に、個人の学び方の本質が見えてきます。

「外面的な活動の自由が増大するという現象がなければ、教師は自分が扱っている個々の生徒についての知識を得ることができない。」
哲学者のジョン・デューイの言葉です。

ある程度の自由を与えることで、子どもの実態を捉えるということの面白さを感じることができました。

おわりに

授業てらすで学んだ1年間は、私の教育観を180°変えました。その変化は、子どもをhappyにすることに確実につながっております。
中野先生、本当にいつもありがとうございます。

もっと学びたいと思う反面、学校での業務に終われ、時間をつくることができない自分を嘆いております。子どもをもっとhappyにするため、時間をつくることのできる人間になろう。頑張れ、ぴーちゃん!

ぴーちゃん_川﨑博道@宮崎


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